古典主義からロマン主義への移行期に、近代ドイツの美学的思考はどのように成立したのか。レッシング、ヘルダー、ゲーテ、シュレーゲル兄弟らを中心とする思想家たちが、ラオコーオン像などの古代彫刻作品やイタリア・ルネサンス美術の批評をめぐって展開した論争をつぶさに追い、ギリシア的理想がドイツの思想空間にもたらした文化的・宗教的革新の本質に迫る。掲載図版多数。
松山 壽一(マツヤマ ジュイチ)
1948年大阪市生まれ。1981年立命館大学大学院文学研究科博士課程修了。1985–86年テュービンゲン大学留学。1995年バイエルン学術アカデミー(ミュンヘン)留学。1996–2005年ドイツ博物館科学史研究所(ミュンヘン)客員研究員。2002–03年カイザースラウテルン大学客員教授。現在、大阪学院大学教授。著書に『悲劇の哲学』(萌書房、2014)、『音楽と政治』(北樹出版、2010)、『知と無知』(萌書房、2006)、『人間と悪』(同、2004)、『ニュートンとカント』(晃洋書房、1997)、『科学・芸術・神話』(晃洋書房、1994)、『ドイツ自然哲学と近代科学』(北樹出版、1992)、『生きることと哲学すること』(同、 1990)、共編著に『シェリング読本』(法政大学出版局、1994)、ほか著訳書多数。
※上記内容は本書刊行時のものです。まえがき
凡例
引用全集一覧
挿図一覧
序章 作品を観る場 ザクセンの王都ドレースデンとその王室画廊
1 ザクセンの王都ドレースデン
2 ドレースデンの王室画廊とその展示法
3 ドレースデン王室画廊訪問記
4 作品鑑賞手段としての版画集
第一部 ヴィンケルマンとその世紀
第1章 ヴィンケルマンの古典主義
1 古代美術模倣論
2 「ギリシア的自然」(ヘルダリン)
3 「高貴なる単純と静謐なる偉大」
4 ギリシア美術の四様式
第2章 レッシングのラオコーオン論
1 絵画(造形芸術)と文学(言語芸術)
2 古代文献とラオコーオン像の制作年代
第3章 ヘルダーのラオコーオン論と彫塑論
1 レッシング批判(「不滅のヴィンケルマン」)
2 ヴィンケルマン批判
3 触覚または彫塑論
第4章 ヒルトのラオコーオン論と特性論
第5章 ゲーテの古典主義
1 自然と芸術(『プロピュレーエン』「序説」)
2 ラオコーオン論
3 ヴィンケルマン小伝(「われらがヴィンケルマン」)
第6章 初期ロマン派の芸術論
1 フリードリヒ・シュレーゲルの文学論
2 ヴァッケンローダー(『心情吐露』)とティーク(『シュテルンバルト』)
3 フリードリヒ・シュレーゲルの絵画論
第二部 シェリングのミュンヘン講演
第1章 時代の中のミュンヘン講演
1 バイエルンの王都ミュンヘン
2 ミュンヘン講演の歴史的問題点
3 『芸術哲学』講義とミュンヘン講演
第2章 芸術哲学と自然哲学
1 ドイツ美学と自然哲学
2 自然模倣と古代模倣
3 自然哲学と天才美学
4 「自然精神」をめぐって
第3章 象徴と寓意 ヴィンケルマン,モーリッツ,シェリング
1 絵画と彫刻
2 他律と自律または寓意と象徴
3 神話と象徴
4 象徴と寓意または古代と近代
第4章 特性と悲劇 モーリッツ,ゲーテ,シュレーゲル,シェリング
1 造形的模倣
2 自然模倣,手法,様式
3 特性と非特性
4 特性と悲劇
第5章 彫刻と絵画 ラファエロ,カラッチ,レーニ
1 彫刻と絵画
2 カラッチ絵画とレーニ絵画
3 ラファエロ絵画とレーニ絵画
第6章 ドイツ芸術の再生に向けて
1 バイエルン王室の芸術振興
2 古代模倣と自然観察
3 ドイツ芸術の「花」デューラー
終章 ディオニューソス的なるもの シェリング,ショーペンハウアー,ニーチェ
あとがき
ギリシア美術年表
画家年表
人名索引
凡例
引用全集一覧
挿図一覧
序章 作品を観る場 ザクセンの王都ドレースデンとその王室画廊
1 ザクセンの王都ドレースデン
2 ドレースデンの王室画廊とその展示法
3 ドレースデン王室画廊訪問記
4 作品鑑賞手段としての版画集
第一部 ヴィンケルマンとその世紀
第1章 ヴィンケルマンの古典主義
1 古代美術模倣論
2 「ギリシア的自然」(ヘルダリン)
3 「高貴なる単純と静謐なる偉大」
4 ギリシア美術の四様式
第2章 レッシングのラオコーオン論
1 絵画(造形芸術)と文学(言語芸術)
2 古代文献とラオコーオン像の制作年代
第3章 ヘルダーのラオコーオン論と彫塑論
1 レッシング批判(「不滅のヴィンケルマン」)
2 ヴィンケルマン批判
3 触覚または彫塑論
第4章 ヒルトのラオコーオン論と特性論
第5章 ゲーテの古典主義
1 自然と芸術(『プロピュレーエン』「序説」)
2 ラオコーオン論
3 ヴィンケルマン小伝(「われらがヴィンケルマン」)
第6章 初期ロマン派の芸術論
1 フリードリヒ・シュレーゲルの文学論
2 ヴァッケンローダー(『心情吐露』)とティーク(『シュテルンバルト』)
3 フリードリヒ・シュレーゲルの絵画論
第二部 シェリングのミュンヘン講演
第1章 時代の中のミュンヘン講演
1 バイエルンの王都ミュンヘン
2 ミュンヘン講演の歴史的問題点
3 『芸術哲学』講義とミュンヘン講演
第2章 芸術哲学と自然哲学
1 ドイツ美学と自然哲学
2 自然模倣と古代模倣
3 自然哲学と天才美学
4 「自然精神」をめぐって
第3章 象徴と寓意 ヴィンケルマン,モーリッツ,シェリング
1 絵画と彫刻
2 他律と自律または寓意と象徴
3 神話と象徴
4 象徴と寓意または古代と近代
第4章 特性と悲劇 モーリッツ,ゲーテ,シュレーゲル,シェリング
1 造形的模倣
2 自然模倣,手法,様式
3 特性と非特性
4 特性と悲劇
第5章 彫刻と絵画 ラファエロ,カラッチ,レーニ
1 彫刻と絵画
2 カラッチ絵画とレーニ絵画
3 ラファエロ絵画とレーニ絵画
第6章 ドイツ芸術の再生に向けて
1 バイエルン王室の芸術振興
2 古代模倣と自然観察
3 ドイツ芸術の「花」デューラー
終章 ディオニューソス的なるもの シェリング,ショーペンハウアー,ニーチェ
あとがき
ギリシア美術年表
画家年表
人名索引
書評掲載
「図書新聞」(2016年1月9日号/武田利勝氏・評)に紹介されました。
「週刊読書人」(2016年1月15日号/寄川条路氏・評)に紹介されました。