日本古代信仰の根幹をなす蛇巫をめぐって,祭事におけるさまざまな蛇の「もどき」や各種の蛇の造型・伝承に鋭い考証を加え,忘れられたその呪性を大胆に暴き出す。
序
第一章 蛇の生態と古代日本人
はじめに
一、蛇の生態(高田資料による)
二、ハブの生態 (中本資料による)
三、縄文土器にみる蛇の造型
四、蛇の見立てのはじまり
1 樹木と蛇
2 山と蛇
3 家屋と蛇
第二章 蛇の古語 「カカ」
はじめに
一、カガチ
二、 カガミ
三、「カガミ」と「カガチ」
四、少彦名神の神格とカガミの舟 a
五、カカシ
六、ホウヅキ
七、カカ
第三章 神鏡考
はじめに
一、 蛇と光り
1 蛇の目の生態――その特異性
2 八俣の大蛇の目の光り
3 三輪山の蛇神の目の光り
4 アジスキタカヒコネノ神と光り
5 ヒナガヒメと光り
6 蛇の目の光り
二、神鏡
1 鏡と蛇の目の相似性
2 鏡と剣
3 鏡に対する倭人の情熱
三、神鏡と蛇
1 枠幡皇女伝承
2 鏡作部遠祖・アメノスカト
3 斎宮と蛇
4 『朝熊山縁起」における神鏡と蛇
5 鏡と梛
四、古鏡と池
五、古鏡と古墳
六、『捜神記』における大蛇の目と鏡
おわりに
第四章 鏡餅考
一、正月の鏡餅
1 文献にみる正月の鏡餅
2 鏡餅私見一歳神 (蛇) の造型としての鏡餅
3 歳神の本質
4 各地の歳神の共通点
5 歳神と案山子の同一性
二、鏡餅の種々相
1 近江湖北のオコナイの鏡餅
2 三重県三重村生桑神社の鏡餅供進祭
3 石見の鏡餅と蛇
三、 オキョウモリ考図
四、正月の丸餅
第五章 蛇を着る思想
はじめに
一、 マヤ遺跡における蛇体の連続三角紋
二、 台湾原住民の祖先神造型にみる連続三角紋
1 パイワン族創世記 「太陽と百歩蛇」
2 祖先神象徴の蛇体三角紋の彫刻板
3 連続三角紋彫刻の木蛇(針磨き・糸こき)
三、 日本における蛇を着る思想
1 装飾古墳壁画及び埴輪巫女像にみる連続三角紋
2 蒲葵葉の着装
3 蒲葵の蓑笠
4 蛇としての諸植物
5 「袋」について
6 修験道における蒲葵扇
第六章 蛇巫の存在
一、日本における蛇巫存在の可能性
1 装飾古墳の三角紋と巫女埴輪にみる三角紋
2 蛇巫に関わる諸問題
3 蛇の祭祀法
二、 蛇巫と蛇祭祀
1 スカヒメ伝承(「常陸風土記』)
2 箸墓伝説
3 賀茂社創建譚
4 三輪大物主神と丹塗の矢
三、蛇飼養の記憶と仏教説話
四、蛇巫の零落とトウビョウ
五、蛇巫の遺したもの(民俗の中にのこる蛇祭祀)
1 ヤスノ御器
2 年桶(歳桶・棚桶)
3 蛇神事に付随する「壺」と「箱」の祭祀
六、ミシャグチ神
1 蛇託宣の種々相
2 諏訪神社上社の秘神
3 ミシャグチ神とその祭祀
4 「ミシャグチ」の名称の中に潜む蛇
5 「ミシャグチ」の「チ」の推理
6 「剣先版」に相似の小野神社の神代鉾
7 佐奈伎鐸(サナギの鈴)
8 小野神社の高鉾につけられた「鍵」
9 蛇の全身の造型物としての高鉾
10 鐸及び高鉾に関する私見のまとめ
11 ミシャグチ神の「シャク」の推理
12 ミシャグチ神祭祀の変遷
第七章 日本の古代哲学
はじめに
一、男祖先神としての蛇
二、 女祖先神としての蛇
三、脱皮について
四、仮屋
1 日本人の世界観と清浄観
2 産屋の原理(人生通過儀礼における仮屋)
3 ミソギ私見
4 年間儀礼における仮屋
五、節折の儀
六、荒世・和世と荒魂・和魂
七、ムケのツイタチ
あとがき
第一章 蛇の生態と古代日本人
はじめに
一、蛇の生態(高田資料による)
二、ハブの生態 (中本資料による)
三、縄文土器にみる蛇の造型
四、蛇の見立てのはじまり
1 樹木と蛇
2 山と蛇
3 家屋と蛇
第二章 蛇の古語 「カカ」
はじめに
一、カガチ
二、 カガミ
三、「カガミ」と「カガチ」
四、少彦名神の神格とカガミの舟 a
五、カカシ
六、ホウヅキ
七、カカ
第三章 神鏡考
はじめに
一、 蛇と光り
1 蛇の目の生態――その特異性
2 八俣の大蛇の目の光り
3 三輪山の蛇神の目の光り
4 アジスキタカヒコネノ神と光り
5 ヒナガヒメと光り
6 蛇の目の光り
二、神鏡
1 鏡と蛇の目の相似性
2 鏡と剣
3 鏡に対する倭人の情熱
三、神鏡と蛇
1 枠幡皇女伝承
2 鏡作部遠祖・アメノスカト
3 斎宮と蛇
4 『朝熊山縁起」における神鏡と蛇
5 鏡と梛
四、古鏡と池
五、古鏡と古墳
六、『捜神記』における大蛇の目と鏡
おわりに
第四章 鏡餅考
一、正月の鏡餅
1 文献にみる正月の鏡餅
2 鏡餅私見一歳神 (蛇) の造型としての鏡餅
3 歳神の本質
4 各地の歳神の共通点
5 歳神と案山子の同一性
二、鏡餅の種々相
1 近江湖北のオコナイの鏡餅
2 三重県三重村生桑神社の鏡餅供進祭
3 石見の鏡餅と蛇
三、 オキョウモリ考図
四、正月の丸餅
第五章 蛇を着る思想
はじめに
一、 マヤ遺跡における蛇体の連続三角紋
二、 台湾原住民の祖先神造型にみる連続三角紋
1 パイワン族創世記 「太陽と百歩蛇」
2 祖先神象徴の蛇体三角紋の彫刻板
3 連続三角紋彫刻の木蛇(針磨き・糸こき)
三、 日本における蛇を着る思想
1 装飾古墳壁画及び埴輪巫女像にみる連続三角紋
2 蒲葵葉の着装
3 蒲葵の蓑笠
4 蛇としての諸植物
5 「袋」について
6 修験道における蒲葵扇
第六章 蛇巫の存在
一、日本における蛇巫存在の可能性
1 装飾古墳の三角紋と巫女埴輪にみる三角紋
2 蛇巫に関わる諸問題
3 蛇の祭祀法
二、 蛇巫と蛇祭祀
1 スカヒメ伝承(「常陸風土記』)
2 箸墓伝説
3 賀茂社創建譚
4 三輪大物主神と丹塗の矢
三、蛇飼養の記憶と仏教説話
四、蛇巫の零落とトウビョウ
五、蛇巫の遺したもの(民俗の中にのこる蛇祭祀)
1 ヤスノ御器
2 年桶(歳桶・棚桶)
3 蛇神事に付随する「壺」と「箱」の祭祀
六、ミシャグチ神
1 蛇託宣の種々相
2 諏訪神社上社の秘神
3 ミシャグチ神とその祭祀
4 「ミシャグチ」の名称の中に潜む蛇
5 「ミシャグチ」の「チ」の推理
6 「剣先版」に相似の小野神社の神代鉾
7 佐奈伎鐸(サナギの鈴)
8 小野神社の高鉾につけられた「鍵」
9 蛇の全身の造型物としての高鉾
10 鐸及び高鉾に関する私見のまとめ
11 ミシャグチ神の「シャク」の推理
12 ミシャグチ神祭祀の変遷
第七章 日本の古代哲学
はじめに
一、男祖先神としての蛇
二、 女祖先神としての蛇
三、脱皮について
四、仮屋
1 日本人の世界観と清浄観
2 産屋の原理(人生通過儀礼における仮屋)
3 ミソギ私見
4 年間儀礼における仮屋
五、節折の儀
六、荒世・和世と荒魂・和魂
七、ムケのツイタチ
あとがき