ものと人間の文化史 150
井戸

四六判 / 260ページ / 上製 / 価格 2,750円 (消費税 250円) 
ISBN978-4-588-21501-8 C0320 [2010年02月 刊行]

内容紹介

稲作が始まって数百年も経つ弥生時代中期になって、なぜ井戸は突然つくられだすのだろうか。飲料水など生活用水を汲むのが目的ではなく、祭祀に使う聖なる水を得るためだったのではないか。目的や構造の変遷、宗教や権力との関わりを丁寧にたどる。〔文化史〕

目次

 はじめに

第一章 「井戸」の出現
 一 井戸の定義
   縄文時代に井戸はなかった?
   調理との関係
   權力との関係
 二 開鑿されたわけ
   環淺集落の発展
   川の利用からの転換
   青銅器の製造
   飲料水の確保
 三 さまざまな説
   標高や深さ
   粘土の採掘
   検出される地域
   溜  井
   海 水 面
 四 井戸は土坑の一種

第二章 土坑と「井戸」
 一 食糧貯蔵穴
   稲 や 籾
   堅 果 類
 二 木器貯蔵穴
 三 廃棄土坑
 四 祭  祀
   土器の出土
   遺物の投げ人れ
 五 枠組みのある井戸
   地下に住まうカミ
   カミの通路
   投げ入れる品

第三章 聖なる水
 一 丸太刳り抜き「井戸」
   高床式建物との関連性
   水稲栽培の普及
   石敷遺構
   掘立柱建物
 ニ カミマツリの水
   湧水施設形埴輪
   導水施設と導水施設形埴輪
 三 流水祭祀
   投げ込む品々
 四 湧泉祭祀
 五 聖なる石

第四章 再び井戸の出現について
 一 仏教の伝来
 二 神の観念
   若水汲み
   お水取り
   神聖化され閼伽井
   大王の井戸
 三 身体を浄める
   風呂の起源
   温  室
   渇  釜
   水  量
 四 井戸は都市の文化

第五章 井戸の型式――むすびにかえて
 一 各部の名称
 二 分  類
   素掘り井戸
   丸太刳り抜き井戸
   板組井戸
   曲物組井戸
   桶組井戸
   石組井戸
   埴輪の井戸
   磚組井戸
   羽釜の井戸
   葦を使った丼戸

編者あとがき
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