成長は遅いが着実に大木となることから、生き方のモデルとなり、また、信仰の対象ともなった楠は、同時に医薬品や防虫剤・農薬の原料、セルロイドの可塑剤として、人びとの暮らしに重要な役割を果たしてきた。本書は、その語源と字源、分布と繁殖、文学や美術における楠からキューピー人形や樟脳の船まで、楠と人間の深いかかわりの歴史をあとづけ、樹木と神道を論じて自然保護の問題にもおよぶ。〔文化史・植物〕
矢野 憲一(ヤノ ケンイチ)
1938年,三重県伊勢市に生まれる.國學院大學文学部日本史学科卒業.1962年伊勢神宮に奉職.神宮禰宜,神宮司庁広報課長,文化部長,神宮徴古館農業館館長などを歴任.2002年退職.現在,NPO法人五十鈴塾塾長.
著書:『鮫』『鮑』『枕』『杖』『亀』(以上,法政大学出版局・ものと人間の文化史),『伊勢神宮』,他多数.
矢野 高陽(ヤノ コウヨウ)
1972年,三重県伊勢市に生まれる.國學院大學文学部神道学科卒業.1995年鎌倉鶴岡八幡宮奉職.愛知県一宮市真清田神社を経て2002年伊勢神宮に奉職.現在,神宮宮掌,神宮司庁広報室勤務.
※上記内容は本書刊行時のものです。 はじめに 楠の木学問
第一章 クス・くす・楠・樟
第二章 文学や歴史にあらわれた楠
第三章 民話や昔話の楠の木
第四章 クスノキの利用
第五章 楠の文化史
第六章 楠の雑学・民俗学
第七章 楠の巨木に誘われて
第八章 樹木の信仰と自然保護
付録 日本のクスノキの巨樹
参考文献
あとがき
第一章 クス・くす・楠・樟
第二章 文学や歴史にあらわれた楠
第三章 民話や昔話の楠の木
第四章 クスノキの利用
第五章 楠の文化史
第六章 楠の雑学・民俗学
第七章 楠の巨木に誘われて
第八章 樹木の信仰と自然保護
付録 日本のクスノキの巨樹
参考文献
あとがき