本巻は新潟・富山・石川・福井・岐阜・静岡・愛知篇を収録。『北越雪譜』にも描かれた今に残る越後縮の雪ざらし、秋山郷の編衣(アンギン)、佐渡のシナ布、桑つみ・糸繰りの仕事歌であった越中おわら節、父の故郷・金沢で生涯を終えた友禅斎の物語、白山神社の菊理媛、三河湾に漂着した崑崙人がもたらした綿の種など、衣生活にかかわる興味深い神話・伝説・民俗を語る。
松岡 未紗(マツオカ ミサ)
きもの研究家・収集家,エッセイスト.1980年〜87年まで,業界誌『きものと経営』に本書のもととなった「きもの風土記」を連載.また,名古屋市教育委員会による調査をはじめ,国内外の民族調査に衣服担当として参加している.1995年,所蔵する藍染めの古代裂を一宮市博物館の企画展「藍華やぐ」に出品,同展図録の監修も務めた.2005年には岐阜市歴史博物館の特別展に自身の1500点を超えるコレクションの中から400点を出品し,同博物館との共編著による『JAPAN BLUE 藍染めの美』(岐阜新聞社刊)を上梓した.このほか,『呉服手帳』(PR現代),『藍むかしむかし物語』(絵本,中部伝統工芸会),『きもの浪漫伝説』(PR現代)などの著書がある.
※上記内容は本書刊行時のものです。