増補版 ヒロシマ 〈新装版〉

四六判 / 252ページ / 上製 / 価格 1,650円 (消費税 150円) 
ISBN978-4-588-31630-2 C0021 [2014年05月 刊行]

内容紹介

「20世紀アメリカ・ジャーナリズムの業績トップ100」の第1位に選ばれた、ピューリッツァ賞作家ハーシーによる史上初の原爆被害記録。1946年の取材による1~4章は、6人の被爆者の体験と見聞をリアルに描いて世界に原爆の惨禍を知らしめ、原水爆禁止・核廃絶の運動に影響を及ぼした。85年の再訪で成った5章「ヒロシマ その後」では、原爆症との闘い、市民としての生活・仕事・活動など、稀有な体験者たちの戦後史をヒューマンな筆致で跡づける。

著訳者プロフィール

J.ハーシー(ハーシー ジョン)

(John Hersey)
1914年、中国天津に生まれ、家族がアメリカへ帰る1925年まで同地に暮らす。イェール大学ならびにケンブリッジ大学に学び、一時、シンクレア・ルイス(1885-1951、米国の小説家で、1930年に米国人で初めてノーベル文学賞を受賞)の秘書を務め、その後数年間、ジャーナリストとして活動。1947年以降、おもにフィクションの執筆に打ち込む。ピュリッツァ賞受賞。イェール大学で20年間教鞭をとり、その後、アメリカ著作家連盟会長、アメリカ芸術文学学校校長を歴任。1994年9月、谷本清平和賞受賞。1993年死去。

石川 欣一(イシカワ キンイチ)

1895年、東京に生まれる。東京大学英文科を中退して渡米し、1919年、プリンストン大学卒業。大阪毎日新聞社学芸部員、東京日日新聞社学芸部員・ロンドン特派員、大阪毎日新聞社文化部長・東京本社出版局長等を歴任。訳書に、グルー『滞日十年』、チャーチル『第二次大戦回顧録』、モース『日本その日その日』等がある。1959年死去。

谷本 清(タニモト キヨシ)

1909年、香川県に生まれる。関西学院神学部を卒業後、渡米して1940年、エモリー大学大学院修了。1943年、広島流川教会牧師に就任し、1945年、爆心から3kmの知人宅で被爆するが奇跡的に助かる。1950年、ヒロシマ・ピース・センターを設立し、原爆で傷ついた少女たちや孤児の救済に取り組む。広島平和文化センター理事長等を歴任。1986年死去。

明田川 融(アケタガワ トオル)

1963年,新潟県に生まれる。97年に法政大学大学院政治学専攻博士課程修了。専攻は日本政治史。現在,法政大学法学部教授。著訳書に『日米行政協定の政治史』(法政大学出版局),『沖縄基地問題の歴史』,『日米地位協定』,ジョン・ダワー『昭和』(監訳,以上みすず書房),ジョン・ダワー/ガバン・マコーマック『転換期の日本へ』(共訳,NHK出版)などがある。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

1 音なき閃光(せんこう)

2 火災

3 詳細は目下調査中

4 黍(きび)と夏白菊

5 ヒロシマ その後
 1 中村初代
 2 佐々木輝文博士
 3 ウィルヘルム・クラインゾルゲ神父
 4 佐々木とし子
 5 藤井正和博士
 6 谷本 清

初版 訳者あとがき(谷本 清)
増補版 訳者あとがき(明田川 融)
増補版刊行にあたって/謝辞(法政大学出版局)

書評掲載

「灯台」(2015年8月号)に紹介されました。

「朝日新聞」(2016年5月22日付/三浦俊章氏・評)にて紹介されました。