自然は、どれほどの人を養えるのか。著者のライフワークである「生存のミニマム」をテーマに、シベリアの樹海の民を訪ねたフィールドワークの記録。基本的な食糧確保の問題、身体活動の延長上に位置する一人乗りの舟・オモロチカをはじめ、移動や狩りに使われる道具の問題、鮭・鱒や熊をめぐる精神世界を論じ、日本海を挟んでわが国の造船技術や漁撈民俗、熊送りの儀礼との比較検討におよぶ。
赤羽 正春(アカバ マサハル)
1952年長野県に生まれる.明治大学卒業,明治学院大学大学院修了.文学博士(新潟大学).
著書:ものと人間の文化史103『採集──ブナ林の恵み』, 同133『鮭・鱒』Ⅰ・Ⅱ,同144『熊』(以上,法政大学出版局),『日本海漁業と漁船の系譜』(慶友社),『越後荒川をめぐる民俗誌』(アペックス), 編著:『ブナ林の民俗』(高志書院).
序 章 樹海を辿る 9
第Ⅰ部 樹海レポート 15
第一章 アルセネボ村との邂逅 16
第二章 ナナイの村々 97
第Ⅱ部 日本海をめぐって 127
第一章 大陸(北)の伝統造船技術の北太平洋への
張り出しと南下 128
第二章 身体活動の延長上にある北方船の技術 167
第三章 北の熊・南の猪鹿 197
第四章 アムールランドの熊をめぐる伝承 227
第五章 鮭・鱒と生存のミニマム 263
終 章 生存のミニマム 277
あとがき 287
第Ⅰ部 樹海レポート 15
第一章 アルセネボ村との邂逅 16
第二章 ナナイの村々 97
第Ⅱ部 日本海をめぐって 127
第一章 大陸(北)の伝統造船技術の北太平洋への
張り出しと南下 128
第二章 身体活動の延長上にある北方船の技術 167
第三章 北の熊・南の猪鹿 197
第四章 アムールランドの熊をめぐる伝承 227
第五章 鮭・鱒と生存のミニマム 263
終 章 生存のミニマム 277
あとがき 287
・同著者既刊『採集』、『鮭・鱒』(全2巻)、『熊』(いずれも小局刊《ものと人間の文化史》)。