メフメト二世〈新装版〉
トルコの征服王

四六判 / 458ページ / 上製 / 価格 4,620円 (消費税 420円) 
ISBN978-4-588-35903-3 C1322 [2025年05月 刊行]

内容紹介

コンスタンティノープルの征服によりローマ帝国に永遠の終焉をもたらし,オスマン帝国の基礎を築いた征服王メフメト二世の生涯,政治的理念と強烈な個性を描く。

著訳者プロフィール

アンドレ・クロー(クロー アンドレ)

アンドレ・クロー(André Clot)
1909-2002年。パリ大学で歴史を研究したのち,現代史への関心からジャーナリズムの世界に入る。中近東に長期間駐在し、この地域の著名な専門家になった。邦訳書に『ムガル帝国の興亡』(法政大学出版局)がある。

岩永 博(イワナガ ヒロシ)

岩永 博(イワナガ ヒロシ)
広島県生まれ。1939年東京大学文学部西洋史学科卒業。法政大学名誉教授。著書に『中東の近代史』(法政大学出版局)、『ムハンマド=アリー』(清水書院)、訳書にヒッティ『アラブの歴史』(講談社学術文庫)、ペンザー『トプカプ宮殿の光と影』、マッキーン『バビロン』、クロー『ムガル帝国の興亡』、フィルビー『サウジ・アラビア王朝史』(いずれも法政大学出版局)などがある。2010年没。

井上 裕子(イノウエ ヒロコ)

井上 裕子(イノウエ ヒロコ)
石川県生まれ。1954年大阪大学文学部フランス文学科卒業。同大学大学院修士課程修了。共著に『ボンヌ・ジュルネ!』(駿河台出版)、『リベルテ』(芸林書房)、訳書にユゴー『美男ペコパンと悪魔』(草思社)などがある。2003年没。

佐藤 夏生(サトウ ナツオ)

佐藤 夏生(サトウ ナツオ)
東京生まれ。1964年東京外国語大学フランス語学科卒業。東京大学人文科学研究科修士課程修了。1993年パリ第八大学D.E.A.取得。神奈川大学名誉教授。著書に『スタール夫人』(清水書院)、訳書にスタール夫人『コリーヌ あるいはイタリア』(水声社)などがある。

新川 雅子(シンカワ マサコ)

新川 雅子(シンカワ マサコ)
福岡県生まれ。1964年東京外国語大学フランス語学科卒業。米国ブラウン大学大学院修士課程修了。共訳にマアルーフ『アラブが見た十字軍』(ちくま学芸文庫)などがある。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序文
訳者はしがき

第一章 青年スルタンの二度の即位

1 十二歳のスルタン
2 勉学一筋の流謫の日々

第二章 コンスタンティノープルの征服

1 ボスフォラス海峡の支配者
2 攻囲
3 戦略と戦闘
4 最後の突撃
5 勝利
6 キリスト教世界の絶望とスルタンの栄光
7 無限の苦悩
8 無限の威信
9 オリエントの首都を蘇らせる
10 首都に再び人を住みつかせるシュルギュン(強制移住)
11 ミレット
12 イスラームの都市

第三章 勝つことと支配すること

1 ベオグラードでの挫折
2 モレアでの成功
3 セルビア征服
4 二つの大陸と二つの海の君主
5 ビザンツ帝国の最後の領地の陥落
6 スルタンを改宗させる?
7 串刺し王ヴラドの恐怖からボスフォラス海峡の征服へ

第四章 対ヴェネツィア戦争と帝国の知的再建

1 長い紛争が始まる
2 キリスト教側が失敗、そして倦怠が拡がる
3 西洋の教養に熱狂するスルタン
4 ……だが東洋の知識人と詩人が
5 二大陸のスルタンの荘厳な王宮
6 帝国の上級官吏の学校
7 聖ソフィアのライヴァル
8 イスラーム世界随一の名門大学

第五章 各国を次々に征服

1 アドリア海諸国の大恐怖
2 ヴェネツィアの大災厄
3 オスマン・トルコのアジアにおける躍進
4 栄光の重い代償
5 黒海、「トルコの湖」
6 全面戦争
7 ヴェネツィア共和国の屈辱
8 ベッリーニ、コンスタンツォとその他の人々

第六章 トルコの平和

1 傷痕の手当て
2 征討の進展と町々
3 繁栄への道程と方策
4 イスタンブル――巨大な首都
5 三世界の宮殿
6 立法者のスルタン

第七章 挫折と死

1 ロードス島攻囲の失敗
2 ローマへ向かうか?
3 後世に残した栄光

第八章 王子の受難

付録

1 教会の合同
2 最後のビザンツ皇帝の死(トゥルスン・ベイによる)
3 治世の三大人物

オスマン朝のスルタンの系譜
年表
トルコ語語彙
主要資料の著者の解説
原注

索引