冷戦の終結から20年が経過したにもかかわらず、朝鮮半島をめぐる緊張状態はますます高まっている。なぜ朝鮮半島は「冷戦の孤島」として取り残されてしまったのか。本書は、1970年代前半の米中和解と南北対話という二つの緊張緩和の有機的連関を主に米韓の膨大な一次資料にもとづいて考察し、朝鮮半島において分断国家が固定化されていく過程と、その統一に向けての展望を探る。【東アジア国際関係史】
李鍾元『東アジア冷戦と韓米日関係』(東京大学出版会、1996年)、B・カミングス『北朝鮮とアメリカ、確執の半世紀』(古谷和仁ほか訳、明石書店、2004年)