対抗言論叢書 3
エセ物語

四六判 / 760ページ / 上製 / 価格 5,500円 (消費税 500円) 
ISBN978-4-588-46023-4 C0095 [2023年09月 刊行]

内容紹介

てんでんこな言葉遊び、饒舌きわまる文字もじり、けれど真剣この上なく、無限の繰り言が日本語の原郷を、東アジアの無意識をあぶり出す。ジョイスと柳田、モンテーニュと易経が哀野のユートピアに出会い、死者の言葉を結んでは開き、継いでは重ね、天地のコトワリをめぐらせる。日本語の幽霊的宿命がエコーする室井文学の未完の遺作、易占トリックで最高に文学的な寓話、空前絶後な試み(エセー)の物語。

著訳者プロフィール

室井 光広(ムロイ ミツヒロ)

室井 光広 1955年1月、福島県南会津生まれ。早稲田大学政治経済学部中退、慶應義塾大学文学部哲学科卒業。88年、ボルヘス論「零の力」で群像新人文学賞受賞。94年、「おどるでく」で第111回芥川賞受賞。2012年、文芸雑誌「てんでんこ」を創刊し第12号まで刊行。19年9月、死去。著作として小説に『猫又拾遺』『そして考』『あとは野となれ』、評論に『零の力』『縄文の記憶』『キルケゴールとアンデルセン』『カフカ入門』『ドン・キホーテ讃歌』『プルースト逍遥』『柳田国男の話』『わらしべ集』『詩記列伝序説』『多和田葉子ノート』などがある。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

一の巻

《甲子》むちゃくちゃティーパーティー
《乙丑》夜明けの晩に
《丙寅》上下を脱ぐ
《丁卯》キンセンにふれる
《戊辰》蝕言
《己巳》ある蜥蜴の探究
《庚午》断片プロレタリアート
《辛未》うしろを強くするということ
《壬申》三寸オペラ
《癸酉》一巻の終り
《甲戌》二の舞
《乙亥》衣衣

二の巻

《丙子》おらおらでてんでんこにいぐも
《丁丑》若菜
《戊寅》手習い
《己卯》野分
《庚辰》追風用意
《辛巳》総角
《壬午》三寸
《癸未》夕顔
《甲申》ゴドーとバッコ
《乙酉》千不当万不当
《丙戌》ムカゴランド
《丁亥》アイノカゼ

三の巻

《戊子》後人追和
《己丑》復水、盆に返る
《庚寅》[思わずうつってしまう……]
《辛卯》口裏合わせ
《壬辰》幻
《癸巳》雲隠れ
《甲午》ヤドリギ
《乙未》橋姫
《丙申》苦手
《丁酉》ニガデ
《戊戌》ウタカタ
《己亥》心ゆくもの

後記

編集協力 川口好美
装丁   髙林昭太

本書のより詳細な情報には、以下のサイトでアクセスできます
https://camp-fire.jp/projects/view/686514

書評掲載

「日本経済新聞」(2023年11月18日付/井口時男氏・評)に紹介されました。

「週刊読書人」(2023年12月15日号、二〇二三年の収穫!!/藤田直哉氏・評)に紹介されました。

「三田文学」(No.156、2024年02月01日発行/田中和生氏・評)に紹介されました。

「週刊読書人」(2024年02月16日号/中村三春氏・評)に紹介されました。

「グローカル天理」(2024年04月号/金子昭氏・評)に紹介されました。