残照 開高健
詩人・牧羊子と作家の昭和

四六判 / 264ページ / 上製 / 価格 2,970円 (消費税 270円) 
ISBN978-4-588-46027-2 C0095 [2025年07月 刊行]

内容紹介

戦後高度成長期の文学を牽引し、ベトナム戦争従軍記で新境地を開拓、釣り紀行ルポや美食エッセイでも読者を魅了した開高健(1930~89)。しかしその執筆活動の背景には、妻・牧羊子との容易ならざる家庭生活、闇三部作や『珠玉』に象徴されるニヒリズム、女性たちとの秘密の関係があった。谷沢永一と同僚であった著者が、その〈悪妻〉説に異を唱えつつ、亡き人々への鎮魂の思いを込めて記す開高文学讃。