1887年仏領グアドループに生まれ、1910年代にはフランス本国の外交官として中国に赴任、長編詩『遠征』が国際的に激賞されるもまもなく詩作を封印し、第二次大戦前にはミュンヘン会談に臨席。戦後にノーベル賞を受賞、近代カリブ海文学の父とみなされたこの詩人の生涯はしかし、ある特異な自己神話化に彩られていた。とくに中国時代の手紙や初期詩篇を紹介し、詩人の全容を初めて浮き彫りにする労作。
恒川 邦夫(ツネカワ クニオ)
1943年生まれ。東京大学博士課程中退。ソルボンヌ(パリ第3)大学文学博士。一橋大学名誉教授。華中師範大学(中国湖北省、武漢市)客員教授。ポール・ヴァレリー、仏語表現アフリカ文学、カリブ海のクレオール語文学の研究者。主な著訳書に『ポール・ヴァレリー集成』(全6巻の企画・監修および第1巻と第6巻前半部の翻訳、筑摩書房、2011–2012年)、『精神の危機 他十五篇』(岩波文庫、2010年)、『《クレオール》な詩人たち Ⅰ・Ⅱ』(思潮社、2012/2018)、『フランケチエンヌ──クレオールの挑戦』(現代企画室、1999年)、『レオポール・セダール・サンゴール詩集』(共訳、日本セネガル友好協会編、1979年)など。その他日本語、仏語の雑誌論文多数。
※上記内容は本書刊行時のものです。序章 亡命
外務次官アレクシ・レジェの失脚
亡命
〈アメリカの友人〉
一九四〇─四四年
一九四五─四六年
一九四七─五〇年
第二章 〈アジアからの手紙〉──中国時代のアレクシ・レジェ
赴任直後の手紙
フィリップ・ベルトロ宛
アレクサンドル・コンティ宛
ビュシエール医師宛
ポール・ヴァレリー宛
ジュール・ダムール宛
余談
母への手紙(一九一七─一九二一)
余談
帰国直前の手紙
ジョゼフ・コンラッド宛
あるヨーロッパの夫人宛
ギュスターヴ=アルフレッド・モノ宛
ジャック・リヴィエール宛
アンドレ・ジッド宛
ギュスターヴ=シャルル・トゥッサン宛
第三章 『遠征』
解題
序歌
Ⅰ〜Ⅹ
終歌
『遠征』読解の手引き
余談
附録Ⅰ(中期詩篇)
『王達の栄光』
ある女王を讃える朗唱
王子の友情
摂政の物語
推定相続人の歌
子守歌
第四章 サン=ジョン・ペルスの〈中国〉
詩人ペルスの〈反撃〉
クローデルの磁場
クローデルの中国
セガレンの中国
ペルスの中国
余談
終 章 サン=ジョン・ペルスの現在
附録Ⅱ(初期詩篇)
『讃』
門の上に書かれた言葉
ロビンソン・クルーソー幻影
鐘
壁
市
フライデイ
鸚 鵡
山羊皮のパラソル
弓
種子
書物
ある幼年時代を祝って
讃
エピローグ サン=ジョン・ペルスの墓
あとがき
参考文献
人名索引
外務次官アレクシ・レジェの失脚
亡命
〈アメリカの友人〉
一九四〇─四四年
一九四五─四六年
一九四七─五〇年
第二章 〈アジアからの手紙〉──中国時代のアレクシ・レジェ
赴任直後の手紙
フィリップ・ベルトロ宛
アレクサンドル・コンティ宛
ビュシエール医師宛
ポール・ヴァレリー宛
ジュール・ダムール宛
余談
母への手紙(一九一七─一九二一)
余談
帰国直前の手紙
ジョゼフ・コンラッド宛
あるヨーロッパの夫人宛
ギュスターヴ=アルフレッド・モノ宛
ジャック・リヴィエール宛
アンドレ・ジッド宛
ギュスターヴ=シャルル・トゥッサン宛
第三章 『遠征』
解題
序歌
Ⅰ〜Ⅹ
終歌
『遠征』読解の手引き
余談
附録Ⅰ(中期詩篇)
『王達の栄光』
ある女王を讃える朗唱
王子の友情
摂政の物語
推定相続人の歌
子守歌
第四章 サン=ジョン・ペルスの〈中国〉
詩人ペルスの〈反撃〉
クローデルの磁場
クローデルの中国
セガレンの中国
ペルスの中国
余談
終 章 サン=ジョン・ペルスの現在
附録Ⅱ(初期詩篇)
『讃』
門の上に書かれた言葉
ロビンソン・クルーソー幻影
鐘
壁
市
フライデイ
鸚 鵡
山羊皮のパラソル
弓
種子
書物
ある幼年時代を祝って
讃
エピローグ サン=ジョン・ペルスの墓
あとがき
参考文献
人名索引
書評掲載
「図書新聞」(2021年2月20日号/管啓次郎氏・評)に紹介されました。
「ステラ」第39号(九州大学フランス語フランス文学研究会・2020年12月刊行/山田広昭氏・評)に紹介されました。