黄春明(ホワン チュンミン)
1935年、日本統治下の台北州羅東街(現・中華民国台湾省宜蘭県羅東鎮)に生まれる。中学時代、継母との間がこじれ、家出するが、最終的に屏ピン東トン師範学校を卒業。小学校教員となるが、その後、地方テレビの記者、記録映画の制作者、広告会社の社員となる。1962年、「『城仔』下車」で文壇にデビュー、以来、「海を訪ねる日」・「坊やの大きな人形」・「さよなら・再見」など代表作を次々に発表、映画化もされ、「郷土文学」の代表的作家の一人と称せられる。金権社会に取り込まれた「大人」には希望はないとして1994年、「黄大魚児童劇団」を宜蘭市に設立、脚本も執筆した。1998年、「国家文化芸術基金会文芸奨」を受賞。2014年、リンパ腺癌となり、療養生活に入ったが、創作活動は衰えていない。彼の主要な作品は現在、童話や新作を除き、『黄春明作品集』(10巻、聯合文学出版社、2009年5月~2018年6月)で読むことができる。
西田 勝(ニシダ マサル)
1928年、静岡県に生まれる。1953年、東京大学文学部卒業、法政大学文学部教授を経て、現在〈西田勝・平和研究室〉主宰、植民地文化学会理事。主要著書に『グローカル的思考』『近代日本の戦争と文学』『近代文学の発掘』(以上、法政大学出版局)、『社会としての自分』(オリジン出版センター)、『近代文学閑談』(三一書房)、『私の反核日記』(日本図書センター)、編訳書に『田岡嶺雲全集』全7巻、呂元明『中国語で残された日本文学』、鄭清文『丘蟻一族』、葉石涛『台湾男子簡阿淘』(以上、法政大学出版局)、ゴードン・C. べネット『アメリカ非核自治体物語』(筑摩書房)、『世界の平和博物館』(日本図書センター)、『《満洲国》文化細目』(共編、不二出版)、『中国農民が証す《満洲開拓》の実相』(共編、小学館)などがある。
※上記内容は本書刊行時のものです。「城仔」下車
青番爺さんの話
溺死した老猫
海を訪ねる日
坊やの大きな人形
今や先生
花の名前を知りたい
死んだり生き返ったり
人工寿命同窓会
児童劇 小李子は大騙りではない 筋書
インタビュー ① 龍眼の熟する季節
インタビュー ② わが文学を語る
黄春明の眼差し──社会的弱者・ユーモア・文明批判(西田 勝)
編注
編訳者あとがき
書評掲載
「読書人」(2021年07月16日号/山口守氏・評)に紹介されました。
「図書新聞」(2021年07月24日号/下村作次郎氏・評)に紹介されました。
「朝日新聞」(2021年07月17日付/温又柔氏・評)に紹介されました。
「朝日新聞 折々のことば」(2021年10月03日付/鷲田清一氏・評)に紹介されました。
「植民地文化研究」(第20号、2021年10月20日発行/星名宏修氏・評)に紹介されました。