ジョン・トーピー(トーピー ジョン)
ジョン・トーピー(John C. Torpey)
1959年生まれ。カリフォルニア大学アーヴァイン校の社会学助教授、ブリテシュコロンビア大学の人類学・社会学・ヨーロッパ研究学科の准教授を歴任。現在、ニューヨーク市立大学大学院の社会学教授。カリフォルニア大学バークリー校から、社会学の博士号を取得。主な著書に、Intellectuals, Socialism, and Dissent: The East German Opposition and its Legacy (Minneapolis, Minn: University of Minnesota Press, 1995), Making Whole What Has Been Smashed: On Reparations Politics (Cambridge, Mass: Harvard University Press, 2006), John Torpey and Jane Caplan (eds.), Documenting Individual Identity: The Development of State Practices in the Modern World (Princeton, NJ: Princeton University Press, 2001) などがある。
藤川 隆男(フジカワ タカオ)
藤川 隆男(フジカワ タカオ)[監訳および序論・第1章]
1959年生まれ。現在、大阪大学大学院文学研究科教授。オーストラリア史やホワイトネス・スタディーズの研究などをおこなう。著書に、『オーストラリア歴史の旅』(朝日新聞社、1990年)、『猫に紅茶を──生活に刻まれたオーストラリアの歴史』(大阪大学出版会、2007年)、『人種差別の世界史』(刀水書房、2011年)、編共著に、『白人とは何か?──ホワイトネス・スタディーズ入門』(刀水書房、2005年)、『アニメで読む世界史』(山川出版社、2011年)、共訳書に、ジョン・トーピー著『歴史的賠償と「記憶」の解剖──ホロコースト・日系人強制収容・奴隷制・アパルトヘイト』(法政大学出版局、2013年)、など。
謝辞
序論
第1章 往来──国家による合法的な「移動手段」の独占化について
合法的な移動手段の独占化
近代国家──「浸透」それとも「掌握」
把握する──国民国家の制度化
絶対主義ヨーロッパにおけるパスポートによる管理の拡大
第2章 祖国の見張り番──フランス革命におけるパスポート問題
アンシャン・レジーム末期のパスポート問題
国王の逃亡と革命家によるパスポートによる管理の復活
一七九一年憲法とパスポートによる管理の廃止
一七九二年初めのパスポートによる管理をめぐる議論
新しいパスポート法のさらに詳細な検討
国民公会のもとでのパスポートと移動の自由
総裁政府のパスポートに対する関心
第3章 アウゲイアースの家畜小屋の大掃除──移動の自由へ向かう一九世紀の傾向
農民解放からナポレオン時代の終わりへ
プロイセンの後進性?──イギリスの状況との比較
一九世紀初期ドイツにおける移動の自由と市民権
ドイツにおけるパスポートによる管理の緩和
北ドイツ連邦における旅行の解禁
一八六七年法のより大きな意義
第4章 「甲殻類型国家」に向かって──一九世紀末から第一次世界大戦にかけての身分証明書の増加
アメリカ合衆国におけるパスポートによる管理と国家の発展
文書の壁──パスポートと中国人排斥
アメリカ合衆国における移民規制の「国家化」
主権と従属──一九○一年のイタリア・パスポート法
フランスにおける外国人に対する身分証明書の普及
一九世紀末のドイツにおけるパスポートによる管理の復活
第一次世界大戦とパスポートによる管理の「一時的な」再導入
「一時的な」パスポートによる管理の恒久化
合衆国と移民におけるレッセ・フェールの時代の終焉
第5章 国民国家からポスト国民国家へ?──大戦間期から戦後におけるパスポートと移動に対する制限
大戦間期初期における国際的難民保護体制の出現
パスポート、身分証明書、ナチスによるユダヤ人迫害
規制の緩和──戦後ヨーロッパにおけるパスポートによる管理と地域統合
結論 「書類」のタイポロジー
国際パスポート
国内パスポート
身分証明証
監訳者あとがき
文献一覧
註記
索引
上中 繭香(ウエナカ マユカ)[第2章]
大阪大学大学院文学研究科博士前期課程修了。
森本 慶太(モリモト ケイタ)[第3章]
大阪大学大学院文学研究科特任研究員、京都橘大学非常勤講師(2019年4月より関西大学文学部准教授)。
安井 倫子(ヤスイ ミチコ)[第4章]
大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。
米田 誠(ヨネダ マコト)[第4章]
学校法人清風学園清風中学校常勤講師。
北村 恵美(キタムラ エミ)[第4章]
大阪大学大学院文学研究科博士前期課程修了。
津田 博司(ツダ ヒロシ)[第5章]
筑波大学人文社会系助教。
戸渡 文子(トワタリ アヤコ)[結論]
ブリティッシュ・カウンシルプロジェクトマネジャー。
※上記内容は本書刊行時のものです。
書評掲載
「朝日新聞 ひもとく」(2020年9月12日付/将基面貴巳氏・評)に紹介されました