今年は「冷戦の終結」から20年を迎える。第二次世界大戦後、40年以上に及んだ米ソを中心とする国際政治の対立と緊張は、多大な物的・人的コストをともなうものだった。本書は、海外の筆者をまじえ、朝鮮戦争、ヴェトナム戦争、中ソ対立、米中和解、ベルリンの壁の崩壊など、東西対立からデタント、そして冷戦の終焉にいたる国際秩序の変容過程を実証的に再検討する共同研究の成果。 【国際政治・外交史】
序章 変容する秩序と冷戦の終焉――菅 英輝
一 多岐にわたる冷戦史研究
二 軍小化する冷戦と変容するアメリカ的秩序
三 冷戦の相対化と同盟内政治
四 社会的デタントと冷戦の終焉
五 中ソ対立の激化と変容する冷戦秩序
第Ⅰ部 アメリカの戦争と「自由主義的」秩序の変質
第1章 安全保障か自由か?――ロバート•マクマン
朝鮮戦争がアメリカ的世界秩序に与えた影習
一 はじめに
二 リベラルな世界秩序とアチソン
三 トルコ海峡危機からNSC六八へ
四 財政保守主義者たちの抵抗
五 朝鮮戦争の勃発と世界秩序の変容
六 おわりに
第2章 ヴェトナムにおける国家建設の試み――松岡 完
ケネディ戦略はなぜ破綻したか
一 はじめに
二 反乱鎮圧の担い手が抱える問題
三 アメリカ式戦争をめぐる摩擦
四 拒まれたアメリカ式統治
五 瓦解に向かう独裁政権
六 おわりに
第Ⅱ部 デタントと同盟関係の変容
第3章 ヨーロッパの冷戦と「二重の封じ込め」――倉科 一希
アイゼンハワ—政権下の第二次ベルリン危機
一 はじめに
二 第二次ベルリン危機の勃発とドイツ再旋ー問題
三 危機の展開と「保障都市」化構想
四 再統一政策をめぐるアメリカの政策の変容
五 おわりに
第4章 ヴェトナム戦争と英米関係――森 聡
ウィルソン政権による対米和平外交の成果
一 はじめに
ニ カンボジア会議開催案とゴードン・ウォーカー使節
三 イギリスの方針転換
四 フェーズA/Bフォーミュラと英ソの仲介
五 おわりに
第5章 一九七〇年代のデタントとイギリス外交――橋口 豊
ヒース保守党政権を中心に
一 はじめに
二 米ソ・デタントの進展と英米間の「特別な関係」
三 ヨーロッパ•デタントと大西洋同盟
四 米欧関係の再定義をめぐる対立
五 おわりに
第6章 米韓合同軍事令部の設置――我部 政明
同盟の中核
一 はじめに
二 在韓米軍の歷史
三 米太平洋軍の再編
四 米軍再編と在韓米軍令部の効率化
五 国連軍司令部の解体
六 おわりに
第3部東アジアにおける冷戦と冷戦秩序の変容
第7章 アメリカと中国内戦――松村史紀冲
戦後秩序の崩壊過程 一九四六年六月〜一九四七年一月
一 はじめに
二 アメリカの調停プロセス
三 国共の交涉戦略
四 国共内戦下の政策目標
五 失われた調停方法
六 おわりに
第8章 深まる中ソ対立と世界秩序――チャン・ツァイ
中ソ同盟崩壞の原因と米中対決
一 はじめに
二 中国とソ連の結朿、ー九五〇〜五六年
三 脱スターリン化に対する毛沢東の複雑な感情
四 一九五六年の危機と中国の対応
五 アメリカの首を縄で締めつけてゆく
六 おわりに
第9章 中ソ対立とその米中関係への影響――イリヤ・ガイドウク
東アジア冷戰構造の変容
一 はじめに
二 米中接近を警戒するソ連とリンケーシ外交
三 東南アジアにおける中ソの確執
四 米ソ首脳会談とデタントの進展
五 おわりに
第10章 米中和解と日米関係――菅 英趙
ニクソン政権の東アジア秩序再編イニシアティブ
一 はじめに
二 米中デタントの起源と米中和解を促した要因
三 米中和解とその日米関係への影響
四 米中和解の歴史的意義と日米関係にとっての含意
五 おわりに
あとがき
人名•事項索引
一 多岐にわたる冷戦史研究
二 軍小化する冷戦と変容するアメリカ的秩序
三 冷戦の相対化と同盟内政治
四 社会的デタントと冷戦の終焉
五 中ソ対立の激化と変容する冷戦秩序
第Ⅰ部 アメリカの戦争と「自由主義的」秩序の変質
第1章 安全保障か自由か?――ロバート•マクマン
朝鮮戦争がアメリカ的世界秩序に与えた影習
一 はじめに
二 リベラルな世界秩序とアチソン
三 トルコ海峡危機からNSC六八へ
四 財政保守主義者たちの抵抗
五 朝鮮戦争の勃発と世界秩序の変容
六 おわりに
第2章 ヴェトナムにおける国家建設の試み――松岡 完
ケネディ戦略はなぜ破綻したか
一 はじめに
二 反乱鎮圧の担い手が抱える問題
三 アメリカ式戦争をめぐる摩擦
四 拒まれたアメリカ式統治
五 瓦解に向かう独裁政権
六 おわりに
第Ⅱ部 デタントと同盟関係の変容
第3章 ヨーロッパの冷戦と「二重の封じ込め」――倉科 一希
アイゼンハワ—政権下の第二次ベルリン危機
一 はじめに
二 第二次ベルリン危機の勃発とドイツ再旋ー問題
三 危機の展開と「保障都市」化構想
四 再統一政策をめぐるアメリカの政策の変容
五 おわりに
第4章 ヴェトナム戦争と英米関係――森 聡
ウィルソン政権による対米和平外交の成果
一 はじめに
ニ カンボジア会議開催案とゴードン・ウォーカー使節
三 イギリスの方針転換
四 フェーズA/Bフォーミュラと英ソの仲介
五 おわりに
第5章 一九七〇年代のデタントとイギリス外交――橋口 豊
ヒース保守党政権を中心に
一 はじめに
二 米ソ・デタントの進展と英米間の「特別な関係」
三 ヨーロッパ•デタントと大西洋同盟
四 米欧関係の再定義をめぐる対立
五 おわりに
第6章 米韓合同軍事令部の設置――我部 政明
同盟の中核
一 はじめに
二 在韓米軍の歷史
三 米太平洋軍の再編
四 米軍再編と在韓米軍令部の効率化
五 国連軍司令部の解体
六 おわりに
第3部東アジアにおける冷戦と冷戦秩序の変容
第7章 アメリカと中国内戦――松村史紀冲
戦後秩序の崩壊過程 一九四六年六月〜一九四七年一月
一 はじめに
二 アメリカの調停プロセス
三 国共の交涉戦略
四 国共内戦下の政策目標
五 失われた調停方法
六 おわりに
第8章 深まる中ソ対立と世界秩序――チャン・ツァイ
中ソ同盟崩壞の原因と米中対決
一 はじめに
二 中国とソ連の結朿、ー九五〇〜五六年
三 脱スターリン化に対する毛沢東の複雑な感情
四 一九五六年の危機と中国の対応
五 アメリカの首を縄で締めつけてゆく
六 おわりに
第9章 中ソ対立とその米中関係への影響――イリヤ・ガイドウク
東アジア冷戰構造の変容
一 はじめに
二 米中接近を警戒するソ連とリンケーシ外交
三 東南アジアにおける中ソの確執
四 米ソ首脳会談とデタントの進展
五 おわりに
第10章 米中和解と日米関係――菅 英趙
ニクソン政権の東アジア秩序再編イニシアティブ
一 はじめに
二 米中デタントの起源と米中和解を促した要因
三 米中和解とその日米関係への影響
四 米中和解の歴史的意義と日米関係にとっての含意
五 おわりに
あとがき
人名•事項索引