サピエンティア 13
寛容の帝国
現代リベラリズム批判

四六判 / 370ページ / 上製 / 価格 4,730円 (消費税 430円) 
ISBN978-4-588-60313-6 C3330 [2010年10月 刊行]

内容紹介

宗教、政治、人種、エスニシティ、ジェンダーなどを越えて、〈他者〉に対して寛容であるとはどういうことなのか? 本書は、M・フーコーの影響を強く受けつつ、政治思想史だけでなく、批判理論、フェミニズム、ポスト構造主義の領域を横断的に論じる著者が、倫理的な美徳や道徳的価値として推奨される寛容という言葉に内在する、その規制的で生産的な権力作用を徹底的に解剖する【政治思想・批判理論】。

目次

謝 辞

第1章 脱政治化の言説としての寛容
第2章 権力の言説としての寛容
第3章 代補としての寛容――「ユダヤ人問題」と「女性問題」
第4章 統治性としての寛容――揺らぐ普遍主義、国家の正統性、国家暴力
第5章 博物館の対象としての寛容――サイモン・ヴィーゼンタール・センター寛容博物館
第6章 寛容の主体――なぜわれわれは文明的で、彼らは野蛮人なのか
第7章 文明化の言説としての/における寛容

 註  記
 訳者あとがき
 人名・事項索引

関連書籍

W・コノリー『プルーラリズム』(杉田敦ほか訳、岩波書店、2008年)、T・アサド『世俗の形成』(中村圭志訳、みすず書房、2006年)