宗教、政治、人種、エスニシティ、ジェンダーなどを越えて、〈他者〉に対して寛容であるとはどういうことなのか? 本書は、M・フーコーの影響を強く受けつつ、政治思想史だけでなく、批判理論、フェミニズム、ポスト構造主義の領域を横断的に論じる著者が、倫理的な美徳や道徳的価値として推奨される寛容という言葉に内在する、その規制的で生産的な権力作用を徹底的に解剖する【政治思想・批判理論】。
W・コノリー『プルーラリズム』(杉田敦ほか訳、岩波書店、2008年)、T・アサド『世俗の形成』(中村圭志訳、みすず書房、2006年)