1910年から47年まで、日本には王公族という特殊な身分が存在した。韓国併合と同時に天皇が韓国皇室のために創設した身分で、皇族ではないが華族よりも上に位置づけられた。朝鮮の表象ともいえる彼らを、なぜ破格の費用をかけて維持したのか。葬儀や婚礼を事例に、朝鮮統治の安定と大義名分をかけて奔走し、皇室典範まで改定した日本側の様子を膨大な資料から鮮やかに読みとく。
新城 道彦(シンジョウ ミチヒコ)
1978年愛知県生まれ。博士(比較社会文化)。九州大学大学院博士課程単位取得退学。現在,九州大学韓国研究センター助教。おもな業績に「韓国併合における韓国皇帝処遇問題」『日本歴史』ほか。
※上記内容は本書刊行時のものです。序 章 見過ごされた王公族
第一章 韓国併合と王公族の創設
第二章 梨本宮方子の婚嫁計画と王公族の法的地位
第三章 李太王の国葬と三・一運動
第四章 李王の国葬と朝鮮古礼の尊重
第五章 李堈の散財と公家存続をめぐる葛藤
第六章 王公家軌範の制定と王公族の範囲
第七章 朝鮮貴族の家政破綻と天皇の体面
終 章
第一章 韓国併合と王公族の創設
第二章 梨本宮方子の婚嫁計画と王公族の法的地位
第三章 李太王の国葬と三・一運動
第四章 李王の国葬と朝鮮古礼の尊重
第五章 李堈の散財と公家存続をめぐる葛藤
第六章 王公家軌範の制定と王公族の範囲
第七章 朝鮮貴族の家政破綻と天皇の体面
終 章