一つの国に一つの国民という国民国家の枠組みは、アイデンティティの多様化やグローバル化が進み、民族紛争が多発する現在、崩れている。国連の介入などにより、国家の主権も根本的な見直しを迫られる。ところが国家や国民の輪郭がぼやける一方で、民族の記憶を覚醒させようとするナショナリズムの言説も復活している。本書はこうしたパラドクスの原因を探り、その解明を試みる。
押村 高(オシムラ タカシ)
1956年東京都生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。博士(政治学)。青山学院大学国際政治経済学部教授(政治学,国際関係論)・同学部長。
主要著作に『モンテスキューの政治理論──自由の歴史的位相』早稲田大学出版部、1996年。『国際正義の論理』講談社現代新書、2008年。『国際政治思想──生存、秩序、正義』勁草書房、2010年。監修・編著に『世界政治叢書全10巻』ミネルヴァ書房、刊行中。『国際政治から考える東アジア共同体』(共編)ミネルヴァ書房、2012年など。
序章 国家の危機をどうとらえるか
第 I 部 国家の普遍性と特殊性
第一章 領土性の定着とその矛盾
第二章 近代合理性の象徴としての主権
第三章 主権への挑戦
第四章 安全保障概念の変革に向けて
第 II 部 先進国ナショナリズムの隘路
第五章 ナショナル・プライドの誕生
イングランドと大陸からの自立
第六章 リベラル・ナショナリズムの陥穽
グレート・ブリテン島の集合意識
第七章 アメリカン・ナショナリズムの背理
帝国論争を通じて
第八章 ナショナリズムと安全保障の相克
現代日本のジレンマ
あとがき
第 I 部 国家の普遍性と特殊性
第一章 領土性の定着とその矛盾
第二章 近代合理性の象徴としての主権
第三章 主権への挑戦
第四章 安全保障概念の変革に向けて
第 II 部 先進国ナショナリズムの隘路
第五章 ナショナル・プライドの誕生
イングランドと大陸からの自立
第六章 リベラル・ナショナリズムの陥穽
グレート・ブリテン島の集合意識
第七章 アメリカン・ナショナリズムの背理
帝国論争を通じて
第八章 ナショナリズムと安全保障の相克
現代日本のジレンマ
あとがき
B.クリック著/関口正司監訳『シティズンシップ教育論』
W.キムリッカ著/岡﨑晴輝・施光恒・竹島博之監訳『土着語の政治』
W.キムリッカ著/岡﨑晴輝・施光恒・竹島博之監訳『土着語の政治』