サピエンティア 33
歴史的賠償と「記憶」の解剖
ホロコースト・日系人強制収容・奴隷制・アパルトヘイト
ISBN978-4-588-60333-4 C1320 [2013年11月 刊行]
ジョン・トーピー(トーピー,J.)
(John C. Torpey)
1959年生まれ。カリフォルニア大学アーヴァイン校の社会学助教授,ブリティシュ・コロンビア大学の人類学・社会学・ヨーロッパ研究学科の准教授を歴任。現在,ニューヨーク市立大学大学院の社会学教授。カリフォルニア大学バークリー校から,社会学の博士号を取得。主な著書に,Intellectuals, Socialism,and Dissent: The East German Opposition and its Legacy( Minneapolis, Minn:University of Minnesota Press, 1995), The Invention of the Passport: Surveillance, Citizenship and the State( Cambridge: Cambridge University Press, 1999)〔藤川隆男監訳『パスポートの発明──監視・シティズンシップ・国家』法政大学出版局,2008年〕, John Torpey and Jane Caplan( eds.), Documenting Individual Identity: TheDevelopment of State Practices in the Modern World( Princeton, NJ: PrincetonUniversity Press 2001)などがある。
藤川 隆男(フジカワ タカオ)
1959年生まれ。現在,大阪大学大学院文学研究科教授。オーストラリア史やホワイトネス・スタディーズの研究などを行なう。著書に,『オーストラリア歴史の旅』(朝日新聞社,1990 年),『猫に紅茶を──生活に刻まれたオーストラリアの歴史』(大阪大学出版会,2007年),『人種差別の世界史』(刀水書房,2011年),監訳書に,ジョン・トーピー『パスポートの発明─監視・シティズンシップ・国家』(法政大学出版局,2008年),編共著に,『オーストラリアの歴史──多文化社会の歴史の可能性を探る』(有斐閣,2004 年),『白人とは
何か?──ホワイトネス・スタディーズ入門』(刀水書房,2005年),『アニメで読む世界史』(山川出版社,2011年),ほか。
酒井 一臣(サカイ カズオミ)
1973年生まれ。現在,京都橘大学文学部歴史学科助教。日本外交史を文明論の観点から研究する。著書に,『近代日本外交とアジア太平洋秩序』(昭和堂,2009年)(大平正芳記念賞),『はじめて学ぶ日本外交史』(昭和堂,2013年)。
津田 博司(ツダ ヒロシ)
1981年生まれ。現在,筑波大学人文社会系助教。オーストラリアとカナダを中心とするイギリス帝国史の研究を行なう。著書に,『戦争の記憶とイギリス帝国─オーストラリア,カナダにおける植民地ナショナリズム』(刀水書房,2012年)。
※上記内容は本書刊行時のものです。謝辞
序論
第1章 浮上する水面下の歴史
過去を償う:簡略な思想史/歴史の雪崩/未来の崩壊I:社会主義/未来の崩壊Ⅱ:国民 = 国家/未来の後の過去/標準とひな型としてのホロコースト
第2章 賠償政治の解剖
賠償の定義/賠償政治の見取り図/移行的正義/賠償金/謝罪と遺憾の意/合意にもとづく過去に向かって
第3章 記念・補償・和解──日系アメリカ人と日系カナダ人の賠償要求(ローザ・セヴィとの共同執筆)
背景:強制収容の経験/賠償と和解/補償活動とその結果/補償の影響/博物館と記念/過去と現在の類似性:九・一一/結論
第4章 四○エーカー ──アメリカの黒人にとっての賠償
黒人のアメリカ人に対する賠償を求める闘争/合衆国における黒人に対する賠償:現在にいたる展開/結論
第5章 ポストコロニアルな賠償──アパルトヘイト後のナミビアと南アフリカにおける賠償政治
ナミビアにおける賠償政治/アパルトヘイト後の南アフリカにおける賠償政治/南アフリカにおける記念的賠償要求/象徴的賠償要求から反制度的賠償要求へ/ラディカルな反制度的賠償要求:SARM/結論
結論
訳者あとがき
註記
索引
書評掲載
「出版ニュース」(2014年1月上・中旬号)に紹介されました。
「図書新聞」(2014年4月12日号/松原宏之氏・評)に紹介されました。
「西洋史学」(No.253、2014年発行/布施将夫氏・評)に紹介されました。
「歴史評論」(2015年5月号/荒井信一氏・評)に紹介されました。