サピエンティア 41
国家とグローバル金融
ISBN978-4-588-60341-9 C1330 [2015年09月 刊行]
エリック・ヘライナー(ヘライナー エリック)
(Eric Helleiner)
1963年生まれ。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)にてPh.D.取得。現在、カナダ・ウォータールー大学人文学部ならびに大学院バルシリー・スクール国際政治経済学講座主任教授。近著にThe Forgotten Foundations of Bretton Woods: International Development and the Making of the Postwar Order, Cornel University Press, 2014. The Status Quo Crisis: Global Financial Governance After the 2008 Meltdown, Oxford University Press, 2014.
矢野 修一(ヤノ シュウイチ)
1960年生まれ。京都大学大学院経済学研究科博士課程退学。博士(経済学)。世界経済論専攻。現在、高崎経済大学経済学部教授。著書に『可能性の政治経済学──ハーシュマン研究序説』(法政大学出版局、2004年)、共訳書にハーシュマン『連帯経済の可能性──ラテンアメリカにおける草の根の経験』(法政大学出版局、2008年)など。
柴田 茂紀(シバタ シゲキ)
1972年生まれ。同志社大学大学院商学研究科博士課程単位取得退学。世界経済論専攻。現在、大分大学経済学部准教授。共著に『世界経済危機における日系企業』(ミネルヴァ書房、2012年)、『グローバル金融資本主義のゆくえ』(ミネルヴァ書房、2013年)など。
参川 城穂(ミカワ クニオ)
1977年生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。国際金融論専攻。現在、立教大学経済学部兼任講師。論文に「IMFコンディショナリティの変遷と流動性ジレンマ論」(共著、『山口経済学雑誌』第58巻第3号、2009年)「韓国通貨危機と『IMF体制』の評価──危機時の貸し手機能と危機管理機能」(『経済学研究』第52号、2010年)など。
山川 俊和(ヤマカワ トシカズ)
1981年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。国際政治経済学、国際貿易論専攻。現在、下関市立大学経済学部准教授。共著に『現代世界経済をとらえる Ver. 5』(東洋経済新報社、2010年)、共訳書にスティーガー『新版 グローバリゼーション』(岩波書店、2010年)など。
※上記内容は本書刊行時のものです。序文
第一章 問題意識──グローバル金融の復活と国家
第一節 ブレトン・ウッズの制限的金融秩序
第二節 金融のグローバル化はなぜ起こったか
第三節 国家はグローバル化においてどのような役割を演じたのか
第四節 国家はなぜグローバル化を支持したのか
第五節 国家行動はなぜ貿易と金融で非常に異なったのか
第 I 部 ブレトン・ウッズの制限的金融秩序
第二章 ブレトン・ウッズ体制と資本規制の承認
第一節 一九三一年以後の国際金融──自由主義的伝統の途絶
第二節 初期のケインズ案・ホワイト案
第三節 ニューヨークの銀行家からの反発
第四節 初期草案に対する若干の修正
第三章 根強い警戒──交換性回復への緩慢で限定的な動き
第一節 資本逃避とキー・カレンシー構想の失敗
第二節 相殺融資としてのマーシャル・プラン援助
第三節 梃子としての対外援助か──一九四〇年代末の安定化プログラム
第四節 ドルとの交換性回復に向けたヨーロッパの慎重な動き──一九五〇年代の状況
第五節 日本における交換性回復への緩慢で限定的な動き
第 II 部 グローバル金融の復活
第四章 ユーロ市場への支持──一九六〇年代の状況
第一節 ユーロ市場へのイギリスの支持
第二節 アメリカがユーロ市場を支持する二つの理由
第三節 開放性拡大への対処
第五章 金融協力の失敗──一九七〇年代前半の状況
第一節 協調的資本規制とアメリカの反発
第二節 アメリカの新たな金融自由主義
第六章 四つのターニング・ポイント──一九七〇年代後半から八〇年代前半の状況
第一節 イギリスにおける一国ケインズ主義の終焉(一九七六年)
第二節 ヴォルカー・シフト──外部規律のアメリカによる受容(一九七八~七九年)
第三節 ユーロ市場規制へのFRBの主体的取組み(一九七九~八〇年)
第四節 フランスにおけるミッテランのUターン(一九八一~八三年)
第七章 金融自由化への転換──一九八〇年代の状況
第一節 三大金融センターにおける政治
第二節 主要な金融センター以外での自由化
第八章 国際金融危機への対処
第一節 一九七四年の国際銀行危機
第二節 一九八二年の国際債務危機
第三節 一九八七年の株式市場の暴落
第 III 部 結論
第九章 貿易の管理と金融の自由化──国家行動の解明
第一節 集合行為の異なる力学
第二節 中央銀行当局者──国境を越えた知識共同体の萌芽
第三節 貿易・金融面における国家のパワーと関心の違い
第四節 国内政治における金融自由化問題への低い注目度
第五節 自由な貿易と自由な金融取引──同床異夢
訳者あとがき
参考文献
索引
書評掲載
「信濃毎日新聞」「神戸新聞」(2015年11月22日付)にて紹介されました。 「証券経済研究」93号(2016年3月)に掲載されました。