消費生活、ケア、介護、福祉など、人々が生きていく現場で、保護あるいは庇護の対象でしかなかった人々が自分自身の権利を行使し積極的な主体となるために必要とされる支援とは何か。本人を中心とした多層的・複合的な支援の枠組みの可能性に展望を開くため、成年後見制度の抜本的再構築を目指し、新たな法的関係を築くためには何が必要かを、様々な分野の専門家たちが論じつくす。
菅 富美枝(スガ フミエ)
法政大学経済学部准教授。著作に、『イギリス成年後見制度にみる自律支援の法理:ベスト・インタレストを追求する社会へ』(ミネルヴァ書房、2010年)、『法と支援型社会:他者指向的な自由主義へ』(武蔵野大学出版会、2006年)など。
※上記内容は本書刊行時のものです。はしがき(菅 富美枝・編者)
第I部 日本の成年後見法制度の課題と改正の展望
第1章 成年後見制度の理念的再検討:イギリス・ドイツとの比較を踏まえて(上山 泰・菅 富美枝)
第2章 現行成年後見制度と障がいのある人の権利に関する条約12条の整合性:「小さな成年後見」の視点から(上山 泰)
第3章 家事事件手続法と成年後見事件における本人の手続上の地位と権能(橋本 聡)
第4章 消費者政策における「保護」と「自立」:経済法学の立場から(岩本 諭)
第5章 行為能力制限と契約法理・消費者保護法理(熊谷 士郎)
第6章 保護者制度廃止と成年後見制度:精神科病院への入院手続,地域生活支援,身体疾患の治療同意(白石 弘巳・中村江美子)
第7章 「意思決定支援」の観点からみた成年後見制度の再考:イギリス2005年意思決定能力法からの示唆(菅 富美枝)
第II部 諸外国の法制度・社会制度からの示唆
第8章 イギリスにおける本人を代弁する公的サービス:IMCAの実践(スー・リー)
第9章 イギリス社会における裁判所受託局の役割:社会的弱者を支援すべく活躍してきた公的財産管理機関(ベン・ラスコンベ)
第10章 福祉国家フィンランドにおける成年後見制度:公的サービスとしての後見(公的後見)を中心に(菅 富美枝)
第11章 フィンランドの成年後見制度:その現状と課題(アイラ・ヘウサラ)
第12章 台湾の成年後見制度における社会福祉主管機関の役割(林 秀雄)
第13章 ハンガリーとチェコ共和国における民法改正の動向:「法的能力」の制限撤廃に向けた法制度改革(サンドル・グルバイ)
第14章 成年後見制度における「本人意思の尊重」:ドイツ世話法との比較から(上山 泰)
第15章 スイスにおける成年者保護法の改正(ダニエル・ロッシュ)
第I部 日本の成年後見法制度の課題と改正の展望
第1章 成年後見制度の理念的再検討:イギリス・ドイツとの比較を踏まえて(上山 泰・菅 富美枝)
第2章 現行成年後見制度と障がいのある人の権利に関する条約12条の整合性:「小さな成年後見」の視点から(上山 泰)
第3章 家事事件手続法と成年後見事件における本人の手続上の地位と権能(橋本 聡)
第4章 消費者政策における「保護」と「自立」:経済法学の立場から(岩本 諭)
第5章 行為能力制限と契約法理・消費者保護法理(熊谷 士郎)
第6章 保護者制度廃止と成年後見制度:精神科病院への入院手続,地域生活支援,身体疾患の治療同意(白石 弘巳・中村江美子)
第7章 「意思決定支援」の観点からみた成年後見制度の再考:イギリス2005年意思決定能力法からの示唆(菅 富美枝)
第II部 諸外国の法制度・社会制度からの示唆
第8章 イギリスにおける本人を代弁する公的サービス:IMCAの実践(スー・リー)
第9章 イギリス社会における裁判所受託局の役割:社会的弱者を支援すべく活躍してきた公的財産管理機関(ベン・ラスコンベ)
第10章 福祉国家フィンランドにおける成年後見制度:公的サービスとしての後見(公的後見)を中心に(菅 富美枝)
第11章 フィンランドの成年後見制度:その現状と課題(アイラ・ヘウサラ)
第12章 台湾の成年後見制度における社会福祉主管機関の役割(林 秀雄)
第13章 ハンガリーとチェコ共和国における民法改正の動向:「法的能力」の制限撤廃に向けた法制度改革(サンドル・グルバイ)
第14章 成年後見制度における「本人意思の尊重」:ドイツ世話法との比較から(上山 泰)
第15章 スイスにおける成年者保護法の改正(ダニエル・ロッシュ)
[執筆者紹介] (執筆順)
菅 富美枝(スガ フミエ)[はしがき、第1章、第7章、第10章]
法政大学経済学部准教授(*編者)
上山 泰(カミヤマ ヤスシ)[第1章、第2章、第14章]
筑波大学法科大学院教授
橋本 聡(ハシモト サトシ)[第3章]
東海大学法学部教授
岩本 諭(イワモト サトシ)[第4章]
佐賀大学経済学部教授・副学長
熊谷 士郎(クマガイ シロウ)[第5章]
青山学院大学法務研究科教授
白石 弘巳(シライシ ヒロミ)[第6章]
東洋大学ライフデザイン学部教授
中村 江美子(ナカムラ エミコ)[第6章]
公益財団法人井之頭病院相談室精神保健福祉士
スー・リー(Sue Lee)[第8章]
英国・CIC(Community Interest Company)団体Empowerment Matters代表
ベン・ラスコンベ(Ben Luscombe)[第9章]
元・英国裁判所受託局・政策課長
アイラ・ヘウサラ(Aila Heusala)[第11章]
フィンランド・東部地域登記局・登記官
林 秀雄(Hsiu-hsiung Lin)[第12章]
台湾・輔仁大学法律学系教授
サンドル・グルバイ(Sándor Gurbai)[第13章]
ハンガリー・NGO団体MDAC(Mental Disability Advocacy Center)法的能力に関する法改正プロジェクト・リーダー
ダニエル・ロッシュ(Daniel Rosch)[第15章]
ルチェルン専門大学社会福祉学部教授
菅 富美枝(スガ フミエ)[はしがき、第1章、第7章、第10章]
法政大学経済学部准教授(*編者)
上山 泰(カミヤマ ヤスシ)[第1章、第2章、第14章]
筑波大学法科大学院教授
橋本 聡(ハシモト サトシ)[第3章]
東海大学法学部教授
岩本 諭(イワモト サトシ)[第4章]
佐賀大学経済学部教授・副学長
熊谷 士郎(クマガイ シロウ)[第5章]
青山学院大学法務研究科教授
白石 弘巳(シライシ ヒロミ)[第6章]
東洋大学ライフデザイン学部教授
中村 江美子(ナカムラ エミコ)[第6章]
公益財団法人井之頭病院相談室精神保健福祉士
スー・リー(Sue Lee)[第8章]
英国・CIC(Community Interest Company)団体Empowerment Matters代表
ベン・ラスコンベ(Ben Luscombe)[第9章]
元・英国裁判所受託局・政策課長
アイラ・ヘウサラ(Aila Heusala)[第11章]
フィンランド・東部地域登記局・登記官
林 秀雄(Hsiu-hsiung Lin)[第12章]
台湾・輔仁大学法律学系教授
サンドル・グルバイ(Sándor Gurbai)[第13章]
ハンガリー・NGO団体MDAC(Mental Disability Advocacy Center)法的能力に関する法改正プロジェクト・リーダー
ダニエル・ロッシュ(Daniel Rosch)[第15章]
ルチェルン専門大学社会福祉学部教授
法政大学大原社会問題研究所/原伸子編著『福祉国家と家族』