女性をめぐる権力の問題を分析するには、国家と家族、神の秩序を含めた全体構造において結婚や家族、女性そのものがどのように位置づけられ相互の関係がどのように作られたか考察しなければならない。権力の根拠を人間の合意においたホッブズの議論を、ローマ法と対比して考察。
中村 敏子(ナカムラ トシコ)
1952年生まれ。1975年東京大学法学部卒業。1975-1978年東京都職員。1988年北海道大学法学研究科博士後期課程単位取得退学。法学博士。北海学園大学法学部教授。専門は政治思想史。
主要業績として『福沢諭吉 文明と社会構想』(創文社,2000年);「解説」『福沢諭吉家族論集』(岩波書店、1999年);「家」『政治概念の歴史的展開第9巻』(晃洋書房、2016年);「イングランドの家族史再考」『北大法学論集』第40巻第3号(2000年);「歴史的文脈における福沢諭吉の家族論の意味」『北海学園大学法学研究』第43巻第2号(2012年);「家父長制から見た明治民法体制」『北海学園大学法学研究』第45巻第1号(2013年)など。
はじめに
第一章 神の概念および神の秩序
第一節 聖書の物語
第二節 アウグスティヌスによる神の秩序論
第二章 キリスト教における男女の関係と性の問題
第一節 聖書のなかの男女
第二節 アウグスティヌス──「現在」と「欲情」という罰
第三章 神の秩序と「リヴァイアサン」
第一節 キリスト教の言説の解体
第二節 人類の生命の永続性
第四章 ホッブズの母権論と「ファミリー」
第一節 「自然状態」から「コモンウェルス」へ
第二節 「母権」の起源
第三節 「母権」の移譲
第四節 「獲得によるコモンウェルス」
第五節 父権的「コモンウェルス」における「ファミリー」の位置
第五章 「ファミリー」とローマ法における「ファミリア」
第一節 「ファミリア」の成立と国家における位置
第二節 「ファミリア」における法的関係
第三節 古代ローマにおける結婚と「ファミリア」
第四節 国家における「ファミリア」の意味
第五節 ローマ法とホッブズの「ファミリー」
第六章 王権の起源と形態
第一節 王権と父権との関係
第二節 権力論の構造
第七章 コモン・ロー上の夫の権力とその起源
第一節 「カヴァチャー」の法理
第二節 フォーテスキューの議論
第三節 アリストテレスとアキナスの議論
第八章 自由主義国家の構造と政治理論
第一節 宗教改革と対抗宗教改革
第二節 ロックにおける「自然状態」の問題
第三節 権力論における家族と女性
第九章 夫婦の権力・国家の権力
第一節 ブラックストンの位置
第二節 ペイトマンの自由主義批判
第三節 ホッブズの議論の意味
注
あとがき
参考文献
索引
第一章 神の概念および神の秩序
第一節 聖書の物語
第二節 アウグスティヌスによる神の秩序論
第二章 キリスト教における男女の関係と性の問題
第一節 聖書のなかの男女
第二節 アウグスティヌス──「現在」と「欲情」という罰
第三章 神の秩序と「リヴァイアサン」
第一節 キリスト教の言説の解体
第二節 人類の生命の永続性
第四章 ホッブズの母権論と「ファミリー」
第一節 「自然状態」から「コモンウェルス」へ
第二節 「母権」の起源
第三節 「母権」の移譲
第四節 「獲得によるコモンウェルス」
第五節 父権的「コモンウェルス」における「ファミリー」の位置
第五章 「ファミリー」とローマ法における「ファミリア」
第一節 「ファミリア」の成立と国家における位置
第二節 「ファミリア」における法的関係
第三節 古代ローマにおける結婚と「ファミリア」
第四節 国家における「ファミリア」の意味
第五節 ローマ法とホッブズの「ファミリー」
第六章 王権の起源と形態
第一節 王権と父権との関係
第二節 権力論の構造
第七章 コモン・ロー上の夫の権力とその起源
第一節 「カヴァチャー」の法理
第二節 フォーテスキューの議論
第三節 アリストテレスとアキナスの議論
第八章 自由主義国家の構造と政治理論
第一節 宗教改革と対抗宗教改革
第二節 ロックにおける「自然状態」の問題
第三節 権力論における家族と女性
第九章 夫婦の権力・国家の権力
第一節 ブラックストンの位置
第二節 ペイトマンの自由主義批判
第三節 ホッブズの議論の意味
注
あとがき
参考文献
索引
書評掲載
「出版ニュース」(2017年3月下旬号)にて紹介されました。
「図書新聞」(2017年8月12日号/佐藤正志氏・評)にて紹介されました。