イスラエルによるパレスチナ人への暴力は苛烈の度を増しつづけている。19世紀末より1948年のイスラエル建国に至る政治過程において決定的な役割を果たしたアメリカは、民主主義・民族自決の理念に反するユダヤ人国家建設をなぜ支持したのか。アメリカ人であり、ユダヤ人であり、シオニストであることの孕む矛盾のなかでイスラエル建国を実現したアメリカ・シオニスト運動の全容。
池田 有日子(イケダ ユカコ)
1970年生まれ。九州大学大学院法学研究科博士後期過程単位取得退学。政治学専攻。現在、専修大学社会科学研究所客員研究員、九州大学法学部非常勤講師、熊本大学法学部非常勤講師。論文に「アメリカ・ユダヤ人とシオニズム」(『シオニズムの解剖──現代ユダヤ世界におけるディアスポラとイスラエルの相克』人文書院、2011年、所収)、「ルイス・ブランダイスにみる『国民国家』、『民主主義』、『パレスチナ問題』」(『年報政治学2007-2 包摂と排除の政治学』木鐸社、2007年、所収)ほか。
※上記内容は本書刊行時のものです。序章 ユダヤ人問題、パレスチナ問題、国民国家
第一節 問題の所在
本書の目的
シオニスト運動の成立とパレスチナ問題の発生
シオニスト運動の「脆弱性」
「パレスチナ問題形成」と「ユダヤ難民問題」
「パレスチナ問題形成」と「アメリカ」
第二節 本書のアプローチ
ユダヤ人・ネーション/ユダヤ人国家
歴史と権力論
先行研究
本書の構成
第一部 アメリカ・シオニスト運動の成立──ルイス・ブランダイスを中心として
第一部 序
第一章 アメリカ・シオニスト運動の開始
第一節 シオニスト運動の開始
テオドール・ヘルツルと第一回シオニスト会議
第二節 初期のアメリカ・シオニスト運動
アメリカ・ユダヤ人の歴史
アメリカにおけるシオニスト運動の位置
第二章 ブランダイスと「アメリカ」・シオニスト運動の形成
第一節 ブランダイスのシオニスト化
法律家ルイス・ブランダイス
ブランダイスとシオニスト運動との出会い
アメリカ・シオニスト運動指導者へ
アメリカ・ユダヤ人会議開催の試み
第三章 アメリカ・シオニスト運動とパレスチナ・ユダヤ・ナショナル・ホーム
第一節 パレスチナ・ユダヤ・ナショナル・ホームの具体化とアメリカ・シオニスト運動
バルフォア宣言とアメリカ
ピッツバーグ綱領とZOAへの改編
第二節 ブランダイスの立場の変容
ブランダイスの理念的後退
ブランダイスのパレスチナ訪問とシカゴ大会──パレスチナ主義
第三節 ブランダイス派の敗北と復活──アメリカにおける東欧系ユダヤ人の動向
ブランダイス派の敗北
一九二〇年代におけるアメリカ・シオニスト運動とブランダイス派の復活
小 括
第二部 アメリカ・シオニスト運動と「パレスチナ」
第二部 序
第一章 アメリカ・シオニスト運動とパレスチナ・アラブ人
第一節 ユダヤ・ナショナル・ホームと「民主主義」
アメリカ・シオニスト運動における初期のパレスチナ・アラブ人に対する認識
サン・レモ会議
プリチェット報告
第二節 パレスチナ・アラブ人の政治主体化
パレスチナ議会設置問題(一九二八─二九年)
一九二九年「嘆きの壁」事件
ショー報告、パスフィールド白書
第二章 アラブの大蜂起・パレスチナ分割案・パレスチナ・アラブ人の「移住」
第一節 アラブの「大蜂起」
労働の征服とパレスチナ・アラブ人の経済状況
アラブの大蜂起
第二節 パレスチナ分割案
ピール委員会
ナチスの反ユダヤ政策とユダヤ難民問題
一九三八年秋の緊迫した状況とパレスチナ・アラブ人の「再植民」
小 括
第三部 アメリカにおける「パレスチナにおけるユダヤ・コモンウェルス建設」というアジェンダ形成・確定をめぐる権力過程
第三部 序
第一章 アメリカ・シオニスト運動における「ユダヤ人国家建設」「ユダヤ軍創設」というアジェンダをめぐる権力過程
第一節 「ユダヤ軍」「ユダヤ人国家」をめぐるベン・グリオンのアメリカでの活動
シオニスト運動における「アメリカ」の重要性
ベン・グリオンのアメリカにおける活動とアメリカ・シオニストの対応
一九三〇年代以降におけるアメリカにおける反ユダヤ主義
ベン・グリオンとアメリカ・シオニストの共鳴と齟齬
第二節 アメリカ・シオニスト指導部と「ユダヤ・コモンウェルス」
イーデン声明と「ユダヤ人国家」をめぐる議論の本格化
ZOAと緊急委員会
第三節 ユダヤ軍創設問題
ユダヤ軍委員会の設立
ユダヤ軍創設とアメリカ・ユダヤ人の募兵
非シオニストへの対応とユダヤ軍委員会との対抗
第二章 ビルトモア会議
第一節 ビルトモア会議に至る過程
第二節 ビルトモア会議(I)──ユダヤ軍・ユダヤ軍委員会
第三節 ビルトモア会議(II)──ユダヤ・コモンウェルス
第四節 イフードの結成とビルトモア決議の「綱領化」
第三章 一九四三年 アメリカ・ユダヤ人会議──アメリカ・シオニストの「団結」からアメリカ・ユダヤ人の「団結」へ
第一節 一九四三年秋のアメリカ・シオニスト運動をめぐる状況
ナチスによるユダヤ人大量虐殺
反対勢力の動向──「ユダヤ教のためのアメリカ会議」と「バーグソン・グループ」
アメリカ・ユダヤ人委員会との交渉
第二節 アメリカ・ユダヤ人会議開催に向けて
アメリカ・ユダヤ人会議の呼びかけと非・反シオニストへの対応
パレスチナ・アラブ人問題の浮上
バミューダ会議
アメリカにおける修正主義派の活動
アメリカ・ユダヤ人会議に向けたシオニストの草稿
第三節 アメリカ・ユダヤ人会議開催とその後
アメリカ・ユダヤ人会議
アメリカ・ユダヤ人委員会の孤立
小 括
終章 イスラエルの建国とパレスチナ問題の発生
第一節 ユダヤ人国家の建設とパレスチナ難民の発生
英米調査委員会
モリソン=グラディ案
ヨム・キプール声明
パレスチナ分割
イスラエルの建国とパレスチナ問題
第二節 むすびに代えて
ユダヤ人国家イスラエルの建国
アメリカ・シオニスト運動
パレスチナ問題の構造
あとがき
附録 主要人名・用語集
参考文献
索 引
第一節 問題の所在
本書の目的
シオニスト運動の成立とパレスチナ問題の発生
シオニスト運動の「脆弱性」
「パレスチナ問題形成」と「ユダヤ難民問題」
「パレスチナ問題形成」と「アメリカ」
第二節 本書のアプローチ
ユダヤ人・ネーション/ユダヤ人国家
歴史と権力論
先行研究
本書の構成
第一部 アメリカ・シオニスト運動の成立──ルイス・ブランダイスを中心として
第一部 序
第一章 アメリカ・シオニスト運動の開始
第一節 シオニスト運動の開始
テオドール・ヘルツルと第一回シオニスト会議
第二節 初期のアメリカ・シオニスト運動
アメリカ・ユダヤ人の歴史
アメリカにおけるシオニスト運動の位置
第二章 ブランダイスと「アメリカ」・シオニスト運動の形成
第一節 ブランダイスのシオニスト化
法律家ルイス・ブランダイス
ブランダイスとシオニスト運動との出会い
アメリカ・シオニスト運動指導者へ
アメリカ・ユダヤ人会議開催の試み
第三章 アメリカ・シオニスト運動とパレスチナ・ユダヤ・ナショナル・ホーム
第一節 パレスチナ・ユダヤ・ナショナル・ホームの具体化とアメリカ・シオニスト運動
バルフォア宣言とアメリカ
ピッツバーグ綱領とZOAへの改編
第二節 ブランダイスの立場の変容
ブランダイスの理念的後退
ブランダイスのパレスチナ訪問とシカゴ大会──パレスチナ主義
第三節 ブランダイス派の敗北と復活──アメリカにおける東欧系ユダヤ人の動向
ブランダイス派の敗北
一九二〇年代におけるアメリカ・シオニスト運動とブランダイス派の復活
小 括
第二部 アメリカ・シオニスト運動と「パレスチナ」
第二部 序
第一章 アメリカ・シオニスト運動とパレスチナ・アラブ人
第一節 ユダヤ・ナショナル・ホームと「民主主義」
アメリカ・シオニスト運動における初期のパレスチナ・アラブ人に対する認識
サン・レモ会議
プリチェット報告
第二節 パレスチナ・アラブ人の政治主体化
パレスチナ議会設置問題(一九二八─二九年)
一九二九年「嘆きの壁」事件
ショー報告、パスフィールド白書
第二章 アラブの大蜂起・パレスチナ分割案・パレスチナ・アラブ人の「移住」
第一節 アラブの「大蜂起」
労働の征服とパレスチナ・アラブ人の経済状況
アラブの大蜂起
第二節 パレスチナ分割案
ピール委員会
ナチスの反ユダヤ政策とユダヤ難民問題
一九三八年秋の緊迫した状況とパレスチナ・アラブ人の「再植民」
小 括
第三部 アメリカにおける「パレスチナにおけるユダヤ・コモンウェルス建設」というアジェンダ形成・確定をめぐる権力過程
第三部 序
第一章 アメリカ・シオニスト運動における「ユダヤ人国家建設」「ユダヤ軍創設」というアジェンダをめぐる権力過程
第一節 「ユダヤ軍」「ユダヤ人国家」をめぐるベン・グリオンのアメリカでの活動
シオニスト運動における「アメリカ」の重要性
ベン・グリオンのアメリカにおける活動とアメリカ・シオニストの対応
一九三〇年代以降におけるアメリカにおける反ユダヤ主義
ベン・グリオンとアメリカ・シオニストの共鳴と齟齬
第二節 アメリカ・シオニスト指導部と「ユダヤ・コモンウェルス」
イーデン声明と「ユダヤ人国家」をめぐる議論の本格化
ZOAと緊急委員会
第三節 ユダヤ軍創設問題
ユダヤ軍委員会の設立
ユダヤ軍創設とアメリカ・ユダヤ人の募兵
非シオニストへの対応とユダヤ軍委員会との対抗
第二章 ビルトモア会議
第一節 ビルトモア会議に至る過程
第二節 ビルトモア会議(I)──ユダヤ軍・ユダヤ軍委員会
第三節 ビルトモア会議(II)──ユダヤ・コモンウェルス
第四節 イフードの結成とビルトモア決議の「綱領化」
第三章 一九四三年 アメリカ・ユダヤ人会議──アメリカ・シオニストの「団結」からアメリカ・ユダヤ人の「団結」へ
第一節 一九四三年秋のアメリカ・シオニスト運動をめぐる状況
ナチスによるユダヤ人大量虐殺
反対勢力の動向──「ユダヤ教のためのアメリカ会議」と「バーグソン・グループ」
アメリカ・ユダヤ人委員会との交渉
第二節 アメリカ・ユダヤ人会議開催に向けて
アメリカ・ユダヤ人会議の呼びかけと非・反シオニストへの対応
パレスチナ・アラブ人問題の浮上
バミューダ会議
アメリカにおける修正主義派の活動
アメリカ・ユダヤ人会議に向けたシオニストの草稿
第三節 アメリカ・ユダヤ人会議開催とその後
アメリカ・ユダヤ人会議
アメリカ・ユダヤ人委員会の孤立
小 括
終章 イスラエルの建国とパレスチナ問題の発生
第一節 ユダヤ人国家の建設とパレスチナ難民の発生
英米調査委員会
モリソン=グラディ案
ヨム・キプール声明
パレスチナ分割
イスラエルの建国とパレスチナ問題
第二節 むすびに代えて
ユダヤ人国家イスラエルの建国
アメリカ・シオニスト運動
パレスチナ問題の構造
あとがき
附録 主要人名・用語集
参考文献
索 引
書評掲載
「出版ニュース」(2017年9月下旬号)にて紹介されました。
「西日本新聞」(2017年10月22日付「郷土の本」)にて紹介されました。
「史学雑誌」(第128編第2号、2019年2月発行/小阪裕城氏・評)に紹介されました。