法政大学現代法研究所叢書 42
現代総有論
ISBN978-4-588-63042-2 C1332 [2016年11月 刊行]
五十嵐 敬喜(イガラシ タカヨシ)
1944年山形県生まれ。法政大学名誉教授・弁護士、元内閣官房参与。著書に『美の条例~いきづく町をつくる』共著(学芸出版社、1996)、『美しい都市をつくる権利』(学芸出版社、2002)、『美しい都市と祈り』(学芸出版社、2006)、『都市再生を問う』小川明雄氏との共著(岩波新書、2003)、『国土強靭化批判』(岩波ブックレット、2013)、『現代総有論序説』共著(ブックエンド、2014)他多数。
萩原 淳司(ハギワラ ジュンジ)
1960年埼玉県生まれ。1984年京都大学法学部卒業、現在、公益財団法人埼玉りそな産業経済振興財団主席研究員。著書に『都市法改正−土地総有の提言−』五十嵐等との共著(法政大学出版局、2009)、『現代総有論序説』共著(ブックエンド、2014)、『公共サービス改革の本質』武藤博己編共著(敬文堂、2014)等。
茂木 愛一郎(モギ アイイチロウ)
1949年東京都生まれ。立命館アジア太平洋大学非常勤講師。著書に『社会的共通資本──コモンズと都市』宇沢弘文と共編(東京大学出版会、1994)、「水利文明伝播のドラマ」宇沢弘文他編『社会的共通資本としての川』(東京大学出版会、2010)、「北米コモンズ論の系譜」三俣学編『エコロジーとコモンズ』(晃洋書房、2014)、『現代総有論序説』共著(プックエンド、2014)、共訳にE.オストロム他編著『コモンズのドラマ』(知泉書館、2012)等。
渡辺 勝道(ワタナベ カツミチ)
1962年栃木県生まれ。建築家。1998年ロシア経済学研究所修了(都市経済学博士)、現在法政大学大学院公共政策研究科博士課程在籍中、『社会主義経済の改革と規制』共著(ロシア科学アカデミー、1997)、『国立景観訴訟』共著(公人の友社、2012)、『現代総有論序説』共著(プックエンド、2014)等。
※上記内容は本書刊行時のものです。第1章 現代総有の理論──所有とつながり【五十嵐敬喜】
1 都市と孤立化
2 現代総有論とは何か
3 日本総有の始まりと展開
4 現代所有権の諸相
5 都市の空間
6 現代総有論の残された課題
第2章 現代総有と国土・都市のビジョン──全総の検証【五十嵐敬喜】
1 田中角栄と大平正芳の都市・国土論
2 全総の背景
3 全総の歴史
4 日本列島改造と田園都市国家
5 現代総有論と国土計画への示唆
第3章 現代都市論の潮流──主体と自立と【五十嵐敬喜】
1 国土交通省の描く現実と未来予測
2 様々な都市論
3 美しい都市
4 地域コミュニティと総有共同体
第4章 日本の人口と社会──求められる市民的総有【萩原淳司】
1 戦後日本社会の変化(1)~人口の増加・都市への集中と成長
2 戦後日本社会の変化(2)~グローバル化の影響と人口減少への転換
3 資産とならなかった戦後日本の都市
4 人口急減・超高齢社会の到来と東京一極集中
5 人口減少への様々な処方箋とその批判
6 求められる市民的総有
第5章 空間共有への軌跡──現代総有の空間論【渡辺勝道】
1 総有の空間と生活スタイル
2 コミュニティと建築「福建土楼」
3 ユートビアと社会主義の集住スタイル
4 現代の総有的住スタイル(コレクティプハウジング)
第6章 現代総有の主体を探す──協同組合原則を踏まえて【茂木愛一郎】
1 現代総有における主体の問題
2 総有主体となる候補とその比較
3 協同組合の位置づけとその課題
4 市民セクターによる事業領域と社会的企業
5 具体的ケースて?の市民的総有の主体について
6 協同組合原則を踏まえた総有主体の形成
第7章 現代総有社会への制度改革【五十嵐敬喜】
1 現代総有論の可能性
2 立法とは
3 「膨張型システム」から「縮小型システム」へ
4 転換の法的プロセス
5 制度改革の実践
6 幸福について
「現代総有」のケーススタディ(事例集)
あとがき
[附則資料]都市計画制度等改革基本法案
書評掲載
「地方自治職員研修」(2017年3月号)にて紹介されました。