ジョン・キャボットをはじめ、多くの船乗りが新大陸をめざして旅立ったイギリスの港町ブリストル──その栄光と衰退、そして再生の物語を、潮汐差を克服する独特の港湾「フローティング・ハーバー」を軸に描く。船舶の大型化・コンテナ化によって役割を終えた港が、都市型産業の拠点、市民の憩いの場として再生するまでの過程に、イギリスの水都における挑戦と応戦のダイナミズムを読み取る。
石神 隆(イシガミ タカシ)
法政大学人間環境学部教授、同大学エコ地域デザイン研究所研究員。
1947年静岡県生まれ。70年東京工業大学卒業、72年同大学院(経営工学専攻修士)修了。73年日本開発銀行(現日本政策投資銀行)入行。97年に同行を退職するまで、調査部、設備投資研究所、地方支店(金沢、鹿児島、広島)等で、主として地域開発の調査研究および企画業務に携わる。この間、国際開発センター、米国ブルッキングス研究所、日本経済研究所に派遣出向。97年より法政大学教授。99年人間環境学部および2003年大学院環境マネジメント研究科教授、現在に至る。著書に、『情報化と都市の将来』(共著、慶應義塾大学出版会)ほかがある。人間生活・地域社会・自然環境にバランスのとれた豊かさの質の長期的な維持発展をめざして、複合的な眼で調査研究や身の丈の活動を進めている。
序章 ブリストル点描
1 ハーバーサイドとブリストリアン
2 スティーブンソンの「宝島」
3 ジョン・キャボットのマシュー号
4 ブリストル・クリーム
5 イサムバード・ブルネル
第Ⅰ章 港町ブリストルの都市形成
1 初期ブリストルの都市形成
2 都市ブリストルの発展
3 三角貿易と都市間競争
4 19・20世紀にかけての港の変化
第Ⅱ章 フローティング・ハーバーの創造と展開
1 その歴史と構造の概要
2 潮汐差を克服するための提案
3 設計から建設までの経緯と費用
4 150年を生き続けた機能と建設後の課題
5 不利を有利に転じたその役割と港湾経営
6 役割の終焉と新港建設、そして再生への道
7 再生の進展と都市アメニティの向上
第Ⅲ章 イギリスにおける水と都市の関係史
1 水都の成立と発展 古代から大航海時代まで
2 急発展する新水都 産業革命から19世紀まで
3 置き去られた水都の機能 20世紀初頭から1970年代まで
4 水都に戻ってきた新たな光彩 1980年代から現在まで
終章 イギリスとブリストル 水都の特徴
1 挑戦と応戦のダイナミズム
2 再生への漸進的プロセス
3 水辺再生への市民参加
4 シティ・プライドと水都
5 水都の経営感覚と経営戦略
あとがき
参考文献
初出一覧
1 ハーバーサイドとブリストリアン
2 スティーブンソンの「宝島」
3 ジョン・キャボットのマシュー号
4 ブリストル・クリーム
5 イサムバード・ブルネル
第Ⅰ章 港町ブリストルの都市形成
1 初期ブリストルの都市形成
2 都市ブリストルの発展
3 三角貿易と都市間競争
4 19・20世紀にかけての港の変化
第Ⅱ章 フローティング・ハーバーの創造と展開
1 その歴史と構造の概要
2 潮汐差を克服するための提案
3 設計から建設までの経緯と費用
4 150年を生き続けた機能と建設後の課題
5 不利を有利に転じたその役割と港湾経営
6 役割の終焉と新港建設、そして再生への道
7 再生の進展と都市アメニティの向上
第Ⅲ章 イギリスにおける水と都市の関係史
1 水都の成立と発展 古代から大航海時代まで
2 急発展する新水都 産業革命から19世紀まで
3 置き去られた水都の機能 20世紀初頭から1970年代まで
4 水都に戻ってきた新たな光彩 1980年代から現在まで
終章 イギリスとブリストル 水都の特徴
1 挑戦と応戦のダイナミズム
2 再生への漸進的プロセス
3 水辺再生への市民参加
4 シティ・プライドと水都
5 水都の経営感覚と経営戦略
あとがき
参考文献
初出一覧