水都学 V
特集 水都研究

A5判 / 320ページ / 並製 / 価格 3,740円 (消費税 340円) 
ISBN978-4-588-78025-7 C1320 [2016年03月 刊行]

内容紹介

水都研究の視野は、東京からアジア、ヨーロッパ、そしてアメリカへと拡大し、さらに現代から近代、近世、中世に遡って、都市が生まれた背景に迫ろうとしている。また、都市の背後に拡がる河川流域へ目を向け、都市の成立する条件として広く水の役割に着目した。『水都学』シリーズ最終巻の本書で、現在における水都研究の到達点と問題点を明らかにする。

著訳者プロフィール

陣内 秀信(ジンナイ ヒデノブ)

一九四七年生まれ。法政大学デザイン工学部教授。専門はイタリア都市史・建築史。パレルモ大学、トレント大学、ローマ大学にて契約教授を務めた。主要著書に『東京の空間人類学』筑摩書房、一九八五年、『都市を読む*イタリア』法政大学出版局、一九八八年、『ヴェネツィア──水上の迷宮都市』講談社、一九九二年、『都市と人間』岩波書店、一九九三年、『地中海世界の都市と住居』山川出版社、二○○七年、『イタリア海洋都市の精神』講談社、二○○八年、『水の都市 江戸・東京』編著、講談社、二○一三年。

高村 雅彦(タカムラ マサヒコ)

一九六四年生まれ。法政大学デザイン工学部教授。専門はアジア都市史・建築史。前田工学賞(一九九九年)、建築史学会賞(二○○○年)受賞。主な編著書は、『中国の水郷都市──蘇州と周辺の水の文化』鹿島出版会、一九九三年、『中国江南の都市とくらし──水のまちの環境形成』『中国の都市空間を読む』いずれも山川出版社、二〇〇〇年、『アジアの都市住宅』勉誠出版、二〇〇五年、『タイの水辺都市──天使の都を中心に』法政大学出版局、二〇一一年。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに (陣内秀信)

水の聖地の意味論 (高村雅彦)

水系とテリトーリオ 河川などの多様な利用――歴史的な水系産業クラスター (石神 隆)

港町から港湾都市へ、そして新たな水都へ (陣内秀信)

フランスの地域形成にみる横糸と縦糸――流域圏とインフラ整備 (森田 喬)

水循環都市東京 (神谷 博)

「水の論理」を探る――都市と水との関わりを律するもの (長谷部俊治)

「水の制御」で捉える東京下町低地の水都像 (難波匡甫)

新聞記事上の江戸城外濠――都市の近代化に伴う社会的関心の変遷 (福井恒明)

水と緑のエコロジカルネットワーク (宮下清栄)

ニューヨークにおけるウォーターフロントの新たな展開 (服部充代)

「歴史・エコ廻廊」の思想と実践(高橋賢一)

■特別論文
著作権侵害についてのお詫び
港をめぐる二都関係――江戸・東京と横浜(?崎雅規)

編集後記(高村雅彦)

関連書籍

『水都学 I』
陣内 秀信:編
『水都学 II』
陣内 秀信:編
『水都学 III』
陣内 秀信:編
『水都学 IV』
陣内 秀信:編
『港町のかたち』
岡本 哲志:著
『用水のあるまち』
西城戸 誠:編著
『タイの水辺都市』
高村 雅彦:編著