剣と戦の神々・英雄を汎ユーラシア的規模で比較検討し、日本神話のタケミカヅチ・フツヌシ、ギリシア神話のアレス神、オセット人のナルト伝説中の英雄バトラズ等々における剣神伝承の一致と対応を詳細に対照しつつ、日本神話と印欧諸族の神話との連続性を浮き彫りにする。比較神話学の方法により文化系統論に新視角をもたらす。
大林 太良(オオバヤシ タリョウ)
1929年生。東京大学経済学部卒業。フランクフルト大学、ウィーン大学、ハーヴァード大学に民族学を学ぶ。現在、東京大学教養学部教授。著書『東南アジア大陸諸民族の親族組織』『日本神話の起源』『稲作の神話』『日本神話の構造』『神話と神話学』ほか。
吉田 敦彦(ヨシダ アツヒコ)
1934年生。東京大学大学院西洋古典学専攻課程修了。フランス国立科学研究所研究員、ジュネーヴ大学講師、カリフォルニア大学講師を歴任。古代神話学専攻。現在、成蹊大学文学部教授。著書『ギリシア神話と日本神話』『日本神話と印欧神話』『神話の構造』ほか。
※上記内容は本書刊行時のものです。I 戦神としての剣
はじめに
一 古代日本における戦神としての剣
1 カグツチ神話におけるタケミカヅチ、フツヌシの誕生
2 国譲神話におけるタケミカヅチとフツヌシ
3 神武東征伝説におけるタケミカヅチ
4 タケミカヅチ・フツヌシ神話の諸特徴
5 アメノヒボコ
6 ヤマトタケル
二 印欧語族における戦神としての剣
1 スキタイ
2 鋼鉄の英雄と石からの誕生
3 ミスラの秘儀
4 古代ヨーロッパの剣崇拝と神剣伝説
5 印欧諸族における剣神複合の諸特徴
三 アルタイ系諸族における戦神としての剣
1 匈奴とフン族
2 現代のテュルク諸族
3 現代のモルゴン諸族(附・チベット人)
四 朝鮮における神剣と英雄
1 朝鮮における神剣伝説
2 アルタイ諸族と朝鮮における戦神としての剣
五 結論
(補論一)内陸アジアとヨーロッパの青年戦士集団
(補論二)北・中アジアと朝鮮のシャマニズムにおける剣
註
引用文献
II オセット伝説のバトラズと日本神話の第二機能神格
はじめに
一 剣=雷神の誕生
二 鹿の役割
三 天からの降下と水中からの出現
四 鍛冶師と竜蛇の役割
五 バトラズ=タケミカヅチと第三機能
六 バトラズ=ヤマトタケルの三つの罪とスサノヲの三つの殺害
註
引用文献
あとがき
索引
はじめに
一 古代日本における戦神としての剣
1 カグツチ神話におけるタケミカヅチ、フツヌシの誕生
2 国譲神話におけるタケミカヅチとフツヌシ
3 神武東征伝説におけるタケミカヅチ
4 タケミカヅチ・フツヌシ神話の諸特徴
5 アメノヒボコ
6 ヤマトタケル
二 印欧語族における戦神としての剣
1 スキタイ
2 鋼鉄の英雄と石からの誕生
3 ミスラの秘儀
4 古代ヨーロッパの剣崇拝と神剣伝説
5 印欧諸族における剣神複合の諸特徴
三 アルタイ系諸族における戦神としての剣
1 匈奴とフン族
2 現代のテュルク諸族
3 現代のモルゴン諸族(附・チベット人)
四 朝鮮における神剣と英雄
1 朝鮮における神剣伝説
2 アルタイ諸族と朝鮮における戦神としての剣
五 結論
(補論一)内陸アジアとヨーロッパの青年戦士集団
(補論二)北・中アジアと朝鮮のシャマニズムにおける剣
註
引用文献
II オセット伝説のバトラズと日本神話の第二機能神格
はじめに
一 剣=雷神の誕生
二 鹿の役割
三 天からの降下と水中からの出現
四 鍛冶師と竜蛇の役割
五 バトラズ=タケミカヅチと第三機能
六 バトラズ=ヤマトタケルの三つの罪とスサノヲの三つの殺害
註
引用文献
あとがき
索引