叢書・ウニベルシタス 1027
目に見えるものの署名
ジェイムソン映画論
ISBN978-4-588-01027-9 C1310 [2015年06月 刊行]
F.ジェイムソン(ジェイムソン フレドリック)
(Fredric Jameson)
1934年生まれ。アメリカのイェール大学で博士号取得後、ハーバード大学、イェール大学、カリフォルニア大学をへて、現在デューク大学のウィリアム・A. レインJr. 記念講座教授で批評理論研究所所長。1970年以降のマルクス主義文芸批評を牽引してきたアメリカを代表する批評家で、早くからヨーロッパの思想や文学理論の重要性を説き、モダニズム論、ポストモダニズム論を展開してきた。分析の対象は文学作品に留まらず、文化、映画、モダン・アート、建築、空間など、幅広い視野をもつ。精力的に著作活動を続けており、『サルトル―回帰する唯物論』(1961年/論創社、1999年)、『弁証法的批評の冒険―マルクス主義と形式』(1971年/晶文社、1980年)、『言語の牢獄―構造主義とロシア・フォルマリズム』(1972年/法政大学出版局、1988年)、『政治的無意識―社会的象徴行為としての物語』(1981年/平凡社、1989年)、『のちに生まれる者へ―ポストモダニズム批判への途1971-1986』(1988年/紀伊国屋書店、1993年)、『時間の種子―ポストモダンと冷戦以後のユートピア』(1994年/青土社、1998年)、『カルチュラル・ターン』(1998年/作品社、2006年)、『近代(モダン)という不思議―現在の存在論についての試論』(2002年/こぶし書房、2005年)、『未来の考古学』(2005年/全二巻、作品社、2011-12年)、『アドルノ―後期マルクス主義と弁証法』(1990年/論創社、2013年)、『21世紀に、資本論をいかに読むべきか?』(2011年/作品社、2015年)など、著書(単著)だけでも20冊を超える。1971年にPMLAの2本の論文でウィリアム・ライリー・パーカー賞、1990年にジェイムズ・ラッセル・ローウェル賞、2008年にホルバーグ賞、2012年にMLA名誉学術賞、2013年にイェール大学大学院ウィルバー・クロス賞、2014年に『リアリズムの矛盾論(アンチノミー)』(The Antinomies of Realism, Verso, 2013)でトルーマン・カポーティ批評賞を受賞。
椎名 美智(シイナ ミチ)
1956年生。ランカスター大学大学院博士課程修了(Ph. D.)。法政大学文学部教授。言語学。『歴史語用論の世界―文法化・待遇表現・発話行為』(共編、ひつじ書房、2014年)、『歴史語用論入門―過去のコミュニケーションを復元する』(共編、大修館書店、2011年)。
武田 ちあき(タケダ チアキ)
1962年生。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程満期退学。埼玉大学教育学部准教授。イギリス文学。『コンラッド―人と文学』(勉誠出版、2005年)、レイモンド・ウィリアムズ『完訳 キーワード辞典』(共訳、平凡社、2011年)。
末廣 幹(スエヒロ ミキ)
1965年生。筑波大学大学院博士課程文芸言語研究科単位取得退学。専修大学文学部教授。イギリス演劇研究。『国家身体はアンドロイドの夢を見るか――初期近代イギリス表象文化アーカイヴⅠ』(編著、ありな書房、2001年)、『イギリス王政復古演劇案内』(共編、松柏社、2009年)、日本シェイクスピア協会編『新編 シェイクスピア案内』(共著、研究社、2007年)。
※上記内容は本書刊行時のものです。第一部
第1章 大衆文化における物象化とユートピア
第2章 現代の大衆文化にみられる階級とアレゴリー──政治映画としての『狼たちの午後』
第3章 『ディーバ』とフランス社会主義
第4章 「破壊的要素に没入せよ」──ハンス=ユルゲン・ジーバーベルクと文化革命
第5章 『シャイニング』の語りと歴史主義
第6章 アレゴリーで読むヒッチコック
第7章 映画の魔術的リアリズム
第二部
第8章 イタリアの実存