荒野にて
野沢協評論集成

A5判 / 588ページ / 上製 / 価格 7,040円 (消費税 640円) 
ISBN978-4-588-15095-1 C1010 [2018年11月 刊行]

内容紹介

稀代の碩学は、『ピエール・ベール著作集』に代表される記念碑的な翻訳書のほかにも、数多くの優れた論考を遺した。紙誌に発表した論説、絶版書に付された解説、卒業論文、講義ノート、最後の翻訳『愛国者の手紙』など、多彩な作品を選び、遺稿・評論集として一巻に集成。解説を付す。

著訳者プロフィール

野沢 協(ノザワ キョウ)

1930年2月1日〜2015年11月18日。東京大学文学部仏文科卒業。東京都立大学教授、駒澤大学教授を務める。主な訳書:P.アザール『ヨーロッパ精神の危機』(第9回クローデル賞)、B.グレトゥイゼン『ブルジョワ精神の起源』、A.リシュタンベルジェ『十八世紀社会主義』(第19回日本翻訳文化賞)、J.カスー『1848年──2月革命の精神史』(監訳)、『啓蒙のユートピア 全3巻』(監訳)、『ピエール・ベール著作集全8巻・補巻1』(全巻個人訳、第2回日仏翻訳文学賞・第34回日本翻訳文化賞)、P.デ・メゾー『ピエール・ベール伝』、『ドン・デシャン哲学著作集』、『啓蒙の地下文書Ⅰ・Ⅱ』(監訳)、『ピエール・ベール関連資料集1・2・補巻』(以上の翻訳書は法政大学出版局刊)ほか。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第一部 思想史研究
 ルイ十四世末期の哲学的旅行記
 十七世紀フランスの懐疑論
 ドルバック『キリスト教暴露』解説
 グノーシス派(講義ノート)
 「女法王」伝説
 辞書を訳す
 「弁神論」から「苦しむ神」へ
 現代におけるユートピスムの可能性と不可能性
 ピエール・ベール Pierre Bayle
 寛容と殉教──エリ・メルラを読む

第二部 学生時代の作品
 現代文学
 平和のための闘いと戦后の民主的詩運動

第三部 革命と文学
 ギネアの実験
 アラゴン著 小島輝正訳『聖週間』上・下
 ルイ・アラゴンの『聖週間』
 クロード・モルガン『世界の重み』
 ジュール・ヴァレース著 谷長茂訳『パリ・コミューン』
 マドレーヌ・リフォ『“ベトコン”の戦士たち』訳者まえがき
 ポール・ニザン『トロイの木馬』解説
 『トロイの木馬』の訳者 野沢協氏
 パリ・コミューン記念日を迎えて
 心情的な「文革」礼賛論の実体
 アンドレ・モーロワ著 谷長茂訳『青年と人生を語ろう』
 フランス革命の原動力“魚売りの女たち”
 フランスの革命文学と労働者像の変遷
 セレブリャコワ著『フランス革命期の女たち』上・下
 革命歌『インタナショナル』歌詞改訳案(一番のみ)

第四部 翻 訳
 オカンクール元帥とカネー神父の対話
 愛国者の手紙
 訳 註
 解 説

解 説
 口絵写真
 第一部 思想史研究
 第二部 学生時代の作品
 第三部 革命と文学
 第四部 翻 訳
 翻訳・論文等目録
 翻 訳
 『ピエール・ベール著作集全八巻/補巻一』の概要
 論文・講演ほか

略年譜
あとがき

【お知らせ】

本書の刊行と同時に、野沢協遺稿集刊行委員会編による追悼文集、『回想 野沢協』が発行されます。
詳細は、以下のリンク先をご覧ください。
『回想 野沢協』(野沢協遺稿集刊行委員会編・発行)発行のお知らせ

書評掲載

「出版ニュース」(2019年2月上旬号)に紹介されました。

関連書籍

『夜の果てへ』
野沢 協:著