スピノザの生を切実に貫いていた問いとは、いったい何だったのか──。みずからの名をもって一人称で語る最初期の著作『知性改善論』でその哲学的企てを開始したスピノザは、いかなる道をたどって稀代の哲学書『エチカ』に到達したのか? スピノザ哲学の生成と展開を緻密に再構成し、その総体を〈生の肯定の哲学〉として一貫した姿で描き出す、正統にして革新的な挑戦。気鋭の著者が放つ渾身の論考!
秋保 亘(アキホ ワタル)
1985年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(哲学)。慶應義塾大学非常勤講師、桐朋学園大学非常勤講師。専門は西洋近世哲学、現代フランス哲学。
著作に「ドゥルーズ『差異と反復』における「個体化」論の構造――カントの超越論哲学との対比を中心に」、『哲学』第139集(三田哲学会、2017年)、『入門・倫理学の歴史――24人の思想家』(共著、梓出版社、2016年)など、訳書に『形而上学叙説 ライプニッツ‐アルノー往復書簡』(共訳、平凡社ライブラリー、2013年)がある。
はじめに
凡 例
序 論
第一章 スピノザ哲学の開始点――確実性の問題
第一節 学の目的――スピノザ哲学のもくろみ
第二節 確実性の問題
第二章 実在と本質――スピノザ形而上学の問題
第一節 『改善論』における実在と本質の問題――個別性
第二節 個別的なものの本質と実在――実在の多義性・本質の優位・自然の順序
第三節 『改善論』の定義論(1)――定義論と順序づけ 「方法の第二部」の標的
第四節 『改善論』における定義論の理論的困難と確固永遠なるものの問題
第三章 スピノザ形而上学の構造――本質・実在・力能
第一節 『エチカ』冒頭における定義の問題
第二節 属性・本質・完全性・事象性・力能――力の存在論
第四章 Ratio seu Causa――原因あるいは理由
第一節 デカルトにおけるcausa sive ratio
第二節 スピノザにおける原因と理由
第五章 個別的なものの実在と本質
第一節 個別的なものの実在――有限性の問題
第二節 個別的なものの本質
第六章 本質・実在・力能――永遠性
個別的なものの永遠性――本質と実在
結論 力の存在論と生の哲学
引用文献表
あとがき
事項索引
人名索引
凡 例
序 論
第一章 スピノザ哲学の開始点――確実性の問題
第一節 学の目的――スピノザ哲学のもくろみ
第二節 確実性の問題
第二章 実在と本質――スピノザ形而上学の問題
第一節 『改善論』における実在と本質の問題――個別性
第二節 個別的なものの本質と実在――実在の多義性・本質の優位・自然の順序
第三節 『改善論』の定義論(1)――定義論と順序づけ 「方法の第二部」の標的
第四節 『改善論』における定義論の理論的困難と確固永遠なるものの問題
第三章 スピノザ形而上学の構造――本質・実在・力能
第一節 『エチカ』冒頭における定義の問題
第二節 属性・本質・完全性・事象性・力能――力の存在論
第四章 Ratio seu Causa――原因あるいは理由
第一節 デカルトにおけるcausa sive ratio
第二節 スピノザにおける原因と理由
第五章 個別的なものの実在と本質
第一節 個別的なものの実在――有限性の問題
第二節 個別的なものの本質
第六章 本質・実在・力能――永遠性
個別的なものの永遠性――本質と実在
結論 力の存在論と生の哲学
引用文献表
あとがき
事項索引
人名索引
書評掲載
「読書人」(2019年3月29日号/平尾昌宏氏・評)に紹介されました。
「図書新聞」(2019年6月1日号/江川隆男氏・評)に紹介されました。
「フランス哲学・思想研究25」(2020年9月刊行)で、書評・紹介されました。