ものと人間の文化史 172

四六判 / 260ページ / 上製 / 価格 2,750円 (消費税 250円) 
ISBN978-4-588-21721-0 C0320 [2015年08月 刊行]

内容紹介

酒の誕生から、神社でつくるようになった古代、世界でも珍しい製法が確立しブランド化する近世までの長い歩みをたどる。古事記や和歌、僧侶や儒者の日記、外国人による紀行文まで、さまざまな文献にかいま見える人々と酒との関わり。主食を原料とするために、飢饉対策や米価の調整で時の政権から受けた規制。酒が原因の失敗や夫婦げんかなど、エピソードも盛りだくさん。

著訳者プロフィール

吉田 元(ヨシダ ハジメ)

1947年京都市生まれ。京都大学農学部卒業。農学博士(京都大学)。種智院大学教授を経て、現在同大学名誉教授。専門は発酵醸造学、日本科学技術史、食文化史。
著書に『日本の食と酒─―中世末の発酵技術を中心に』(人文書院、1991年。2014年に講談社より再刊)、『江戸の酒─―その技術・経済・文化』(朝日新聞社、1997年)、『近代日本の酒づくり─―美酒探究の技術史』(岩波書店、2013年)、『童蒙酒造記・寒元造様極意伝』(翻刻・解題、農文協、1996年)などがある。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第一章 はじまりの酒
果実の酒/でんぷんの酒/酒の起源論/日本列島でつくられてきた酒/奄美のミキ/日本酒づくりの技術

第二章 神酒
酒と神/技術からみた神酒/酒殿

第三章 古代日本の酒
『古事記』、『日本書紀』にみる酒/『万葉集』にみる酒/造酒司の酒づくり/造酒雑器/大嘗祭と白酒・黒酒/酒造道具類/その後の白酒・黒酒/長岡京醸造所の発掘調査

第四章 中世・戦国の酒
鎌倉武士と酒/京都の酒屋/幕府の酒造統制/手づくり酒/地方の酒/蒸留酒/僧坊酒/興福寺の酒造技術/公卿と酒/酒迎え/武士道/外国人による日本酒の評価 一/日葡辞書からみる酒

第五章 江戸時代の酒
幕府の酒造政策と酒株/酒造技術書/精米/設備と作り手/酒の輸送/新酒/販売/新川酒問屋/中汲み・諸白・白酒/地廻り酒屋と御免関東上酒/関東地方の酒屋/外国人による日本酒の評価 二/千住の大酒会

第六章 化政期金沢の食文化──『鶴村日記』を読む
城下町の生活/家族/食材/料理の献立/油料理・肉料理・異国料理/酒/その他発酵食品/天保飢饉

第七章 凶作と飢饉の中で──濁酒、雑穀酒、自家用酒づくり
八戸/軽米/三戸/津軽

第八章 酒の器
飲酒器/注酒器と温酒器/運搬容器と貯酒器/醸造容器

参考文献
あとがき

書評掲載

「酒史研究」(第31号/秋田修氏・評)に紹介されました。

「京都新聞」(2015年10月18日付)に紹介されました。

「日刊ゲンダイ」(2015年9月12日付)にて紹介されました。

「デイリー新潮」(稲垣真澄氏・評)に紹介されました。

「日本農業新聞」(2015年11月29日付/中野恵利氏・評)に紹介されました。

「東京新聞」(2015年12月27日付、2015 私の3冊/陣内秀信氏・評)に紹介されました。

「神社新報」(2016年4月4日 第3300号/嶋津宣史氏・評)にて紹介されました。

関連書籍

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