フィリップ・ブローム(ブローム フィリップ)
フィリップ・ブローム(Philipp Blom)
1970年、ハンブルク生まれ。歴史学博士。歴史家、作家、ジャーナリスト。翻訳家としては、英語の自著をドイツ語に訳しているほか、オペラ台本などの翻訳も手がける。『手に入れることと死蔵すること 蒐集家と蒐集の秘史』(2002年)、『世界を啓蒙する 百科全書、歴史の流れを変えた本』(2005年)、『立ちくらむ歳月 西欧の変動と文化1900-1914年』(2008年)、『邪悪な哲学者 パリのサロンと啓蒙主義の忘れられた遺産』(2011年)、『裂け目 西欧の暮らしと文化1918-1938年』(2014年)、『たがの外れた世界 1570年から1700年までの小氷期および近代世界成立の歴史、ならびに現代の気候に関する考察若干』(2017年、本訳書の原著)、『あるイタリア紀行 300年前にわたしのヴァイオリンを作った移民の足跡を尋ねて』(2018年、翻訳『あるヴァイオリンの旅路』の原著)、『大世界舞台 変革の時代における想像力について』(2020年)、『征服 人間による自然支配の起源と終焉』(2022年)、『闇路を下りゆく時代の啓蒙』(2023年)など著書多数。ほかに長編小説、新聞・雑誌の論説、ラジオ番組など、多方面で活躍し、環境、政治など現代の問題にも積極的に発言している。ベストセラー作家の一人で、グライム文学賞はじめ受賞歴も豊富。
佐藤 正樹(サトウ マサキ)
佐藤 正樹(サトウ マサキ)
1950年、愛知県生まれ。名古屋大学大学院文学研究科修士課程修了。広島大学名誉教授。博士(文学)。ドイツ文学・文化史。訳書に、ビルクナー編『ある子殺しの女の記録』(人文書院)、ファン・デュルメン『近世の文化と日常生活』(全3巻、鳥影社)、コンゼンツィウス編『大選帝侯軍医にして王室理髪師ヨーハン・ディーツ親方自伝』(白水社)、ボラージオ『死ぬとはどのようなことか』(みすず書房)、ブローム『あるヴァイオリンの旅路』(法政大学出版局)など、共訳書に、ビルショフスキ『ゲーテ』(岩波書店)、マン『日記』(紀伊國屋書店)、デッカー『教皇と魔女』(法政大学出版局)、フロイント『冒険のバロック』(同)などがある。
「神はわれらを見捨てられた」──ヨーロッパ、一五七〇〜一六〇〇年
逃亡の修道士
神の風と波と
凍てつく寒さ、灼熱する太陽
動乱時代と火を噴く山
巡礼と空腹
葡萄酒に秘められた真実
葡萄酒とウィーンの人々
翳りゆく星
魔女と腐った収穫物
星に真理を読む
ファウストゥス博士
書斎の塔
鉄の時代
植物園
革命を呼ぶ地
子どもを喰らう都市
青かびチーズの魔術
大転換
世界の姿
無駄話と作り話
警告と改善のよすがに
涙 滂沱たり
火縄銃の銃身から生まれた革命
外国貿易の黒字
機械としての国家
有利な取引
銀の宿命
退役士官
学者共和国の破壊力
驚異のドイツ人
美徳と溺殺房
レビヤタン
道徳の目録
天界の光──彗星その他
賤民の迷妄
反キリスト者
メシアと娼婦
氷上の歳の市
新しい自然
王家御用室内装飾師
公衆と悪徳蜜蜂
浮遊する師
エピローグ──蜜蜂の寓話への補説
鳴禽と草鞋虫と珊瑚のように
自由と贅沢
遺産としての妥協
大きな夢
夢の市場での競争
集団の彼岸
危機に瀕しているもの
謝辞
原注
訳注
訳者後記
図版
文献
人名索引
書評掲載
「日本経済新聞」(2024年06月22日付/山内昌之氏・評)に紹介されました。
「読売新聞」(2024年08月11日付/小池寿子氏・評)に紹介されました。
「世界日報」(2024年09月28日付/多田則明氏・評)に紹介されました