投票しても何も変わらない、と無力感を覚える有権者は増つづけている。選挙制度改革から30年、小選挙区比例代表並立制の限界は明らかだ。本書は、政治学の最先端の知見を踏まえ、衆議院の選挙制度を多数派優遇式比例代表制に、参議院を抽選制の市民院にするという、ラディカルな制度構想を提示する。市民の声を政治に反映させるためには、新しい政治改革が必要である。
岡﨑 晴輝(オカザキ セイキ)
岡﨑 晴輝(オカザキ セイキ)
1968年、茨城県生まれ。法政大学と国際基督教大学で政治学を専攻し、国際基督教大学で博士号を取得。現在、九州大学大学院法学研究院教授、放送大学客員教授。専門は政治理論・比較政治学。
主な業績:『与えあいのデモクラシー』(勁草書房、2004年)、『市民自治の知識と実践』(放送大学教育振興会、2015年、共編著)など。共訳書は、キムリッカ『新版 現代政治理論』(日本経済評論社、2005年)、キムリッカ『土着語の政治』(法政大学出版局、2013年)、 ヴァン・レイブルック『選挙制を疑う』(法政大学出版局、2019年)など。
序論 「政治改革」三〇年
問題設定/本書のテーゼ/本書の方法と構成
第一章 「政治改革」再訪
問題設定/「政治改革」の始動/政治改革関連法の廃案/政治改革関連法の成立/小括
第二章 「政治改革」の政治思想
問題設定/政権選択論と相互補完論/政権選択論の勝利/政権選択論の運命/小括
第三章 「政治改革」の帰結
問題設定/政権選択選挙/一連合優位政党制の帰結/小括
第四章 多数派優遇式比例代表制の構想
問題設定/現代イタリアの選挙制度と政党システム/多数派優遇式比例代表制と二大連合政党制/仮想批判の検討/小括
第四章補論 単記限定移譲式比例代表制の検討
第五章 多数派優遇式比例代表制の制度設計
問題設定/名簿式比例代表制/単記移譲式比例代表制/小選挙区比例代表併用制/多数派優遇式併用制の制度設計/小括
第六章 多数派優遇式比例代表制の合憲性
問題設定/多数派優遇の合憲性/阻止条項の合憲性/小括
第七章 抽選制市民院
問題設定/抽選制議会/抽選制市民院の構想/抽選制議員/小括
第七章補論 抽選官僚制
結論 新しい政治改革へ
あとがき/引用文献/索引
問題設定/本書のテーゼ/本書の方法と構成
第一章 「政治改革」再訪
問題設定/「政治改革」の始動/政治改革関連法の廃案/政治改革関連法の成立/小括
第二章 「政治改革」の政治思想
問題設定/政権選択論と相互補完論/政権選択論の勝利/政権選択論の運命/小括
第三章 「政治改革」の帰結
問題設定/政権選択選挙/一連合優位政党制の帰結/小括
第四章 多数派優遇式比例代表制の構想
問題設定/現代イタリアの選挙制度と政党システム/多数派優遇式比例代表制と二大連合政党制/仮想批判の検討/小括
第四章補論 単記限定移譲式比例代表制の検討
第五章 多数派優遇式比例代表制の制度設計
問題設定/名簿式比例代表制/単記移譲式比例代表制/小選挙区比例代表併用制/多数派優遇式併用制の制度設計/小括
第六章 多数派優遇式比例代表制の合憲性
問題設定/多数派優遇の合憲性/阻止条項の合憲性/小括
第七章 抽選制市民院
問題設定/抽選制議会/抽選制市民院の構想/抽選制議員/小括
第七章補論 抽選官僚制
結論 新しい政治改革へ
あとがき/引用文献/索引