アメリカやヨーロッパをはじめ世界各地にポピュリズムが拡がり、中国やロシアでは権威主義体制が強まる現在、民主主義があらためて問われている。自由民主主義ははたして最適な制度なのか、そして持続可能なのだろうか。政治理論、政治思想史、比較政治、国際政治史、社会学の気鋭の研究者10名が、それぞれの視点から民主主義の未来について構想する。
山崎 望(ヤマザキ ノゾム)
序論・第9章
駒澤大学法学部教授(現代政治理論)
主な業績:『来るべきデモクラシー――暴力と排除に抗して』、有信堂、2012年、『ポスト代表制の政治学――デモクラシーの危機に抗して』(共編著)ナカニシヤ出版、2015年、『奇妙なナショナリズムの時代――排外主義に抗して』(共編著)、『時政学への挑戦――政治研究の時間論的転回』(共編著)ミネルヴァ書房、2021年、「コロナ危機は自由民主主義を変えたのか?」宮本太郎編『自助社会を終わらせる』岩波書店、2022年、「21世紀に自由民主主義は生き残れるか――正統性の移行と再配置される暴力」日本国際政治学会編『国際政治』194号、2018年など。
序論 民主主義の危機をめぐる言説圏の系譜学【山崎 望】
第I部 自由民主主義の実像
第1章 エリート主義的民主主義論の成立過程について【早川 誠】
第2章 戦後日本の政治学と「二つの民主主義」
―一九六〇年代前半を中心に【森 政稔】
第II部 自由民主主義の危機と代替構想(1)――形骸化をめぐって
第3章 ポストナショナルな経済危機と民主主義 ―ヨーロッパ政治の縮減・再生・拡散【小川有美】
第4章 グローバル・ガバナンスにおける非国家主体の正統性と政治的CSR【松尾隆佑】
第5章 「民主主義の危機」を超える民主主義の未来 ―私たちのあいだで紡ぎだす正当化実践の価値と制度【内田 智】
第III部 自由民主主義の危機と代替構想(2)――対立をめぐって
第6章 現代ドイツの右翼ポピュリズム ―その歴史と世界観【板橋拓己】
第7章 代表制民主主義の危機と戦闘的民主主義【大竹弘二】
第8章 アゴニズムを制度化する
―熟議/闘技論争の第二ラウンドのために【山本 圭】
第IV部 自由民主主義と代表をめぐるアポリア――政治/社会運動をめぐって
第9章 自由民主主義とBLM/右派運動
―ベンヤミンの暴力論の視座から【山崎 望】
第10章 現代のアクティヴィズムにおいて「代表」は機能しているのか
―「代表」しているのは誰なのか、あるいは「代表」されないのは誰なのか【富永京子】
あとがき
第I部 自由民主主義の実像
第1章 エリート主義的民主主義論の成立過程について【早川 誠】
第2章 戦後日本の政治学と「二つの民主主義」
―一九六〇年代前半を中心に【森 政稔】
第II部 自由民主主義の危機と代替構想(1)――形骸化をめぐって
第3章 ポストナショナルな経済危機と民主主義 ―ヨーロッパ政治の縮減・再生・拡散【小川有美】
第4章 グローバル・ガバナンスにおける非国家主体の正統性と政治的CSR【松尾隆佑】
第5章 「民主主義の危機」を超える民主主義の未来 ―私たちのあいだで紡ぎだす正当化実践の価値と制度【内田 智】
第III部 自由民主主義の危機と代替構想(2)――対立をめぐって
第6章 現代ドイツの右翼ポピュリズム ―その歴史と世界観【板橋拓己】
第7章 代表制民主主義の危機と戦闘的民主主義【大竹弘二】
第8章 アゴニズムを制度化する
―熟議/闘技論争の第二ラウンドのために【山本 圭】
第IV部 自由民主主義と代表をめぐるアポリア――政治/社会運動をめぐって
第9章 自由民主主義とBLM/右派運動
―ベンヤミンの暴力論の視座から【山崎 望】
第10章 現代のアクティヴィズムにおいて「代表」は機能しているのか
―「代表」しているのは誰なのか、あるいは「代表」されないのは誰なのか【富永京子】
あとがき
執筆者略歴(執筆順)
早川 誠(はやかわ まこと)第1章
立正大学法学部教授(現代政治理論)
主な業績:『代表制という思想』風行社、2014年、「国民投票は直接民主制か?」『現代思想』第50巻第3号、2022年ほか。
森 政稔(もり まさとし)第2章
東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授(社会思想史)
主な業績:『変貌する民主主義』ちくま新書、2008年、『戦後「社会科学」の思想――丸山眞男から新保守主義まで』NHKブックス、2020年ほか。
小川有美(おがわ ありよし)第3章
立教大学法学部(ヨーロッパ政治論)
主な業績:『ポスト代表制の比較政治――熟議と参加のデモクラシー』(編著)早稲田大学出版部、2007年、『ヨーロッパ・デモクラシー――危機と転換』(共編著)岩波書店、2018年ほか。
松尾隆佑(まつお りゅうすけ)第4章
宮崎大学テニュアトラック推進室講師(政治学、政治理論)
主な業績:『ポスト政治の政治理論――ステークホルダー・デモクラシーを編む』法政大学出版局、2019年、『3・11の政治理論――原発避難者支援と汚染廃棄物処理をめぐって』明石書店、2022年ほか。
内田 智(うちだ さとし)第5章
早稲田大学政治経済学術院招聘特別研究員、青山学院大学ほか非常勤講師(現代政治理論、国際政治思想)
主な業績:「現代デモクラシー論における熟議の認知的価値――政治における『理由づけ』の機能とその意義をめぐる検討」『政治思想研究』第19号、風行社、2019年、「もうひとつのグローバルな『批判的=政治的』正義論の可能性――分配的正義論と政治的リアリズムを超えて」『思想』第1155号、岩波書店、2020年ほか。
板橋拓己(いたばし たくみ)第6章
東京大学法学部教授(国際政治史)
主な業績:『中欧の模索』創文社、2010年、『アデナウアー』中公新書、2014年、『黒いヨーロッパ』吉田書店、2016年ほか。
大竹弘二(おおたけ こうじ)第7章
南山大学国際教養学部准教授(近現代ドイツ政治思想)
主な業績:『正戦と内戦――カール・シュミットの国際秩序思想』以文社、2009年、『公開性の根源――秘密政治の系譜学』太田出版、2018年ほか。
山本 圭(やまもと けい)第8章
立命館大学法学部准教授(現代政治理論、民主主義論)
主な業績:『不審者のデモクラシー――ラクラウの政治思想』岩波書店、2016年、『アンタゴニズムス――ポピュリズム〈以後〉の民主主義』共和国、2020年、『現代民主主義――指導者論から熟議、ポピュリズムまで』中公新書、2021年ほか。
富永京子(とみなが きょうこ)第10章
立命館大学産業社会学部准教授(社会運動論)
主な業績:『社会運動のサブカルチャー化――G8サミット抗議行動の経験分析』、せりか書房、2016年、『社会運動と若者――日常と出来事を往還する政治』、ナカニシヤ出版、2017年、“Protest journey: the practices of constructing activist identity to choose and define the right type of activism”, Interface 12(2), 2021ほか。
早川 誠(はやかわ まこと)第1章
立正大学法学部教授(現代政治理論)
主な業績:『代表制という思想』風行社、2014年、「国民投票は直接民主制か?」『現代思想』第50巻第3号、2022年ほか。
森 政稔(もり まさとし)第2章
東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授(社会思想史)
主な業績:『変貌する民主主義』ちくま新書、2008年、『戦後「社会科学」の思想――丸山眞男から新保守主義まで』NHKブックス、2020年ほか。
小川有美(おがわ ありよし)第3章
立教大学法学部(ヨーロッパ政治論)
主な業績:『ポスト代表制の比較政治――熟議と参加のデモクラシー』(編著)早稲田大学出版部、2007年、『ヨーロッパ・デモクラシー――危機と転換』(共編著)岩波書店、2018年ほか。
松尾隆佑(まつお りゅうすけ)第4章
宮崎大学テニュアトラック推進室講師(政治学、政治理論)
主な業績:『ポスト政治の政治理論――ステークホルダー・デモクラシーを編む』法政大学出版局、2019年、『3・11の政治理論――原発避難者支援と汚染廃棄物処理をめぐって』明石書店、2022年ほか。
内田 智(うちだ さとし)第5章
早稲田大学政治経済学術院招聘特別研究員、青山学院大学ほか非常勤講師(現代政治理論、国際政治思想)
主な業績:「現代デモクラシー論における熟議の認知的価値――政治における『理由づけ』の機能とその意義をめぐる検討」『政治思想研究』第19号、風行社、2019年、「もうひとつのグローバルな『批判的=政治的』正義論の可能性――分配的正義論と政治的リアリズムを超えて」『思想』第1155号、岩波書店、2020年ほか。
板橋拓己(いたばし たくみ)第6章
東京大学法学部教授(国際政治史)
主な業績:『中欧の模索』創文社、2010年、『アデナウアー』中公新書、2014年、『黒いヨーロッパ』吉田書店、2016年ほか。
大竹弘二(おおたけ こうじ)第7章
南山大学国際教養学部准教授(近現代ドイツ政治思想)
主な業績:『正戦と内戦――カール・シュミットの国際秩序思想』以文社、2009年、『公開性の根源――秘密政治の系譜学』太田出版、2018年ほか。
山本 圭(やまもと けい)第8章
立命館大学法学部准教授(現代政治理論、民主主義論)
主な業績:『不審者のデモクラシー――ラクラウの政治思想』岩波書店、2016年、『アンタゴニズムス――ポピュリズム〈以後〉の民主主義』共和国、2020年、『現代民主主義――指導者論から熟議、ポピュリズムまで』中公新書、2021年ほか。
富永京子(とみなが きょうこ)第10章
立命館大学産業社会学部准教授(社会運動論)
主な業績:『社会運動のサブカルチャー化――G8サミット抗議行動の経験分析』、せりか書房、2016年、『社会運動と若者――日常と出来事を往還する政治』、ナカニシヤ出版、2017年、“Protest journey: the practices of constructing activist identity to choose and define the right type of activism”, Interface 12(2), 2021ほか。
書評掲載
「図書新聞」(2022年10月08日号/臼井陽一郎氏・評)に紹介されました。
「朝日新聞」(2022年10月22日付/犬塚元氏・評)に紹介されました。
「年報政治学2023-1」(2023年6月/野口雅弘氏・評)に紹介されました。