叢書・ウニベルシタス 1079
ボーヴォワール
ISBN978-4-588-01079-8 C1310 [2018年05月 刊行]
ジュリア・クリステヴァ(クリステヴァ ジュリア)
(Julia Kristeva)
1941年、ブルガリアに生まれる。66年、パリに留学。以後は文学研究者、精神分析家、作家としてフランスに暮らす。文学の記号論的・精神分析的研究に従事するかたわら、後に伴侶となるフィリップ・ソレルス主宰の前衛雑誌『テル・ケル』、後続の『ランフィニ』に参加。バフチン、ソシュール、フロイト、ラカンらの読解を軸に、デカルト的主体の解体、意味の産出性、詩的言語の侵犯性を中核とする独自のテクスト理論を展開し、ポスト構造主義の一翼を担う。90年以降は小説の執筆もおこなうほか、障害者に関する社会運動にも身を投じている。2008年には「女性の自由のためのシモーヌ・ド・ボーヴォワール賞」の設立に際し中心的な役割を果たした。現在はパリ第7大学ほか国内外の大学の名誉教授。ホルバイン賞(2004年)、ハンナ・アーレント賞(2006年)、サン=シモン賞(2017年)を受賞。著作は世界各国で翻訳されている。日本語訳に『恐怖の権力』『初めに愛があった』『外国人』(以上、法政大学出版局刊)、『セメイオチケ』『中国の女たち』『黒い太陽』(以上、せりか書房)、『詩的言語の革命』(勁草書房)、『サムライたち』『プルースト』(以上、筑摩書房)、『斬首の光景』(みすず書房)、『ハンナ・アーレント』『メラニー・クライン』(以上、作品社)などがある。
栗脇 永翔(クリワキ ヒサト)
1988年生まれ。現在、東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程在籍。専門はフランス文学・思想。
中村 彩(ナカムラ アヤ)
1987年生まれ。現在、東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程在籍。専門はフランス文学・思想・フェミニズム。
※上記内容は本書刊行時のものです。「人は女に生まれるのではない、女になるのだ。」
告白と本当の嘘
ボーヴォワールによるシモーヌ
基礎となった体験=実験
ボーヴォワールは、いま
性の平等と普遍主義という神話
男─女というカップルの見直し
小説は何のために?
六十年後の『第二の性』
主体と条件──どんな幸福か?
生物学的運命と自由な実現
超越への道
夢見るボーヴォワール
『決算のとき』における夢
息切れしそうな興奮の迷宮の中で
母が逃れる、母から逃れる
父の変身
親密なものから政治的なものへ
ヒトは女に生まれる、しかし私は女になる
自由が可能になった──どのような代価で? シモーヌ・ド・ボーヴォワール賞
中国における女性の権利──艾曉明と郭建梅
中国のボーヴォワール
長い歩み
中国の女たち
中国的思考=体験
パキスタンにおける原理主義に抗して──マララ・ユスフザイ
女性性と聖性について
新しい全体主義
エルザ・カヤト──ある自由な女性
遭遇しあうこと
初出一覧
解 題 革命の継承──クリステヴァによるボーヴォワール(中村 彩)
著者紹介 模作と反抗──ジュリア・クリステヴァとともに(栗脇永翔)
人名索引
書評掲載
「出版ニュース」(2018年7月上旬号)にて紹介されました。
「琉球新報」「京都新聞」(2018年7月1日付/雑賀恵子氏・評)にて紹介されました。
「静岡新聞」(2018年11月4日付/雑賀恵子氏・評)に紹介されました。