叢書・ウニベルシタス 184
四つ裂きの刑〈新装版〉

四六判 / 234ページ / 上製 / 価格 3,520円 (消費税 320円) 
ISBN978-4-588-14073-0 C1310 [2023年02月 刊行]

内容紹介

現代文明の負の証人・シオランによる異色のアフォリズム集。死と虚無への挑戦を〈普遍的な無益さ〉として語り,〈日々の啓示〉によって人々を勇気と歓喜へと誘う。シオラン自身から送られた訳者への手紙も掲載。

著訳者プロフィール

E.M.シオラン(シオラン)

E.M.シオラン(E. M. Cioran)
1911年、ルーマニアに生まれる。1931年、ブカレスト大学文学部卒業。哲学教授資格を取得後、1937年、パリに留学。以降パリに定住してフランス語で著作を発表。孤独な無国籍者(自称「穴居人」)として、イデオロギーや教義で正当化された文明の虚妄と幻想を徹底的に告発し、人間存在の深奥から、ラディカルな懐疑思想を断章のかたちで展開する。『歴史とユートピア』でコンバ賞受賞。1995年6月20日死去。著書:『涙と聖者』(1937)、『崩壊概論』(1949)、『苦渋の三段論法』(1952)、『時間への失墜』(1964)、『生誕の災厄』(1973)、『告白と呪詛』(1987)ほか。

金井 裕(カナイユウ)

金井 裕 1934年、東京に生まれる。京都大学仏文科卒。訳書:シオラン『絶望のきわみで』、『思想の黄昏』、『敗者の祈禱書』、『欺瞞の書』、『悪しき造物主』、『オマージュの試み』、『カイエ1957–1972』(第44回日本翻訳文化賞、第13回日仏翻訳文学賞受賞)、カイヨワ『アルペイオスの流れ』ほか。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

訳者への手紙

二つの真理
回想録の愛好者
歴史以後
最悪事の緊急性
眩暈素描

訳注
訳者あとがき