レヴィナス読本

A5判 / 352ページ / 並製 / 価格 3,410円 (消費税 310円) 
ISBN978-4-588-15128-6 C1010 [2022年09月 刊行]

内容紹介

西洋哲学の歴史にラディカルな他者・外部性・責任の思考をもたらし、20世紀の倫理学そのものを一変させたレヴィナス。そのユダヤ人思想家としての歩みをたどり、哲学上の基本概念・主要著作を最新視点から概観する。いま喫緊とされる医療・福祉分野での実践やフェミニズムとの関わりなどをはじめ、各分野における重要論点を盛り込んだ決定版の入門書、レヴィナス協会の全面協力を得て刊行!

著訳者プロフィール

レヴィナス協会(レヴィナスキョウカイ)

公式サイト:https://sjeloffice.wixsite.com/levinas-jp

渡名喜 庸哲(トナキ ヨウテツ)

1980年生。立教大学准教授。著書:『レヴィナスの企て──『全体性と無限』と「人間」の多層性』(勁草書房)、共訳書:『レヴィナス著作集』全3巻(法政大学出版局)。

藤岡 俊博(フジオカ トシヒロ)

1979年生。東京大学准教授。著書:『レヴィナスと「場所」の倫理』(東京大学出版会)、訳書:レヴィナス『全体性と無限』(講談社学術文庫)。

石井 雅巳(イシイ マサミ)

1990年生。慶應義塾大学ほか非常勤講師。著書:『西周と「哲学」の誕生』(堀之内出版)、論文:「レヴィナスにおける反‐歴史論の展開と変遷」(『倫理学年報』第70集、和辻賞)。

犬飼 智仁(イヌカイ トモヒロ)

1989年生。明治大学大学院文学研究科博士後期課程。論文:「レヴィナスにおける「最初の語ること」と神という語──哲学と宗教の交錯点」(『文学研究論集』第55号)。

小手川 正二郎(コテガワ ショウジロウ)

國學院大学文学部哲学科准教授。著書:『現実を解きほぐすための哲学』(トランスビュー)、『甦るレヴィナス──『全体性と無限』読解』(水声社)。

佐藤 香織(サトウ カオリ)

神奈川大学ほか講師。論文:「ローゼンツヴァイクとレヴィナス」(『京都ユダヤ思想』11号)、共著:『個と普遍』、訳書:シャリエ『無限者の痕跡』(近刊、以上、法政大学出版局)。

長坂 真澄(ナガサカ マスミ)

1976年生。早稲田大学国際学術院准教授。共著:『リクール読本』、共編著:『個と普遍──レヴィナス哲学の新たな広がり』(以上、法政大学出版局)。

服部 敬弘(ハットリ ユキヒロ)

1981年生。同志社大学准教授。共著:『フランス現象学の現在』(法政大学出版局)、共訳書:フランク『他者のための一者──レヴィナスと意義』(法政大学出版局)。

馬場 智一(ババ トモカズ)

1977年生。長野県立大学准教授。著書:『倫理の他者』(勁草書房)、共訳書:デリダ『哲学への権利』(みすず書房)、訳書:バルバラ・カッサン『ノスタルジー』(花伝社)。

平石 晃樹(ヒライシ コウキ)

1981年生。金沢大学准教授。論文:「思考と外部性」(『教育哲学研究』116号)、共著:『ワークで学ぶ道徳教育』(ナカニシヤ出版)、『個と普遍』(法政大学出版局)。

平岡 紘(ヒラオカ ヒロシ)

1982年生。流通経済大学准教授。共著:『個と普遍──レヴィナス哲学の新たな広がり』(法政大学出版局)、論文:「〈私〉の唯一性」(『ひとおもい』第3号)。

村上 暁子(ムラカミ アキコ)

1984年生。慶應義塾大学文学部助教。論文:「レヴィナスとリクールの思想から責任と罪責性の連関を考える」(『エティカ』第14号)、共著:『入門・倫理学の歴史』(梓出版社)。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに 【藤岡俊博】

第Ⅰ部 来 歴

1 一九二〇年代 リトアニアからフランスへ 【藤岡俊博】
2 一九三〇年代 フライブルクからパリ、そして戦場へ 【石井雅巳】
3 一九四〇年代 捕囚生活と戦後 【石井雅巳】
4 一九五〇年代 哲学とユダヤのあいだで 【渡名喜庸哲】
5 一九六〇年代 円熟期のレヴィナス 【渡名喜庸哲】
6 一九七〇年代 著名な哲学者として 【犬飼智仁】
7 一九八〇年代 世界のなかのレヴィナス 【犬飼智仁】
8  没 後   引き継がれるレヴィナスの遺産 【渡名喜庸哲】

第Ⅱ部 基本概念・基本事項

不安と吐き気 【高井ゆと里】
ある 【峰尾公也】
イポスターズ 【高野浩之】
女性的なもの 【佐藤香織】
全体性 【馬場智一】
無限、無限の観念 【石井雅巳】
糧 【服部敬弘】
顔 【平岡 紘】
教 え 【加藤里奈】
言 語 【樋口雄哉】
責 任 【村上暁子】
欲求と欲望 【小手川正二郎】
エロス 【高野浩之】
繁殖性 【中 真生】
言うこと/語ること と 言われたこと/語られたこと 【犬飼智仁】
身代わり 【藤岡俊博】
傷つきやすさ/可傷性 【平石晃樹】
正 義 【松葉 類】
神 【長坂真澄】
イスラエル 【渡名喜庸哲】
時間(隔時性) 【伊原木大祐】

第Ⅲ部 著作解題

《レヴィナス著作マップ》
『フッサール現象学の直観理論』 【平岡 紘】
『ヒトラー主義哲学に関する若干の考察』 【高野浩之】
『逃走論』 【黒岡佳柾】
『実存から実存者へ』 【石井雅巳】
『時間と他なるもの』 【峰尾公也】
『実存の発見』 【小手川正二郎】
『全体性と無限』 【藤岡俊博】
『他者のユマニスム』 【村上暁子】
『存在の彼方へ』 【伊原木大祐】
『観念に到来する神について』 【犬飼智仁】
『われわれのあいだで』 【冠木敦子】
『神・死・時間』 【服部敬弘】
『歴史の不測』 【小手川正二郎】
『他性と超越』 【長坂真澄】
『モーリス・ブランショ』 【伊藤潤一郎】
『固有名』 【押見まり】
『外の主体』 【樋口雄哉】
『困難な自由』 【平石晃樹】
『タルムード四講話』 【佐藤香織】
『タルムード新五講話』 【渡名喜庸哲】
《タルムード講話およびフランス語圏ユダヤ知識人会議一覧》
『聖句の彼方』 【松葉 類】
『諸国民の時に』 【馬場智一】
『新タルムード講話』 【渡名喜庸哲】
『レヴィナス著作集1』 【小林玲子】
『レヴィナス著作集2』 【安喰勇平】
『レヴィナス著作集3』 【田中菜摘】
『超越と知解可能性』 【藤岡俊博】
『貨幣の哲学』 【馬場智一】
『倫理と無限』/『暴力と聖性』 【村上暁子】
『超越・外傷・神曲』/『レヴィナス・コレクション』

第Ⅳ部 開かれるレヴィナス

1 レヴィナスと哲学史 ①(古代〜中世) 【馬場智一】
2 レヴィナスと哲学史 ②(近代) 【長坂真澄】
3 レヴィナスと倫理学 【村上暁子】
4 レヴィナスと現象学 【平岡 紘】
5 レヴィナスとフランス思想 【服部敬弘】
6 レヴィナスとユダヤ思想 【佐藤香織】
7 レヴィナスとキリスト教 【伊藤潤一郎】
8 レヴィナスと教育 【平石晃樹】
9 レヴィナスと政治学 【松葉 類】
10 レヴィナスと社会科学 【藤岡俊博】
11 レヴィナスとポストコロニアリズム 【小手川正二郎】
12 レヴィナスとフェミニズム 【横田祐美子】
13 レヴィナスと生殖論 【中 真生】
14 レヴィナスと福祉 【渡名喜庸哲】
15 レヴィナスと医療 【川崎唯史】
16 レヴィナスと芸術/音楽 【三上良太】

あとがき  【渡名喜庸哲】
文献一覧
レヴィナスの著書/レヴィナスに関する二次文献
人名索引/事項索引

■執筆者(50音順)
安喰勇平(あんじき・ゆうへい) 神戸市外国語大学講師。著書:『レヴィナスと教育学』(春風社)、論文:「「〜し直す」成長モデルに関する批判的検討」(『教育学研究』87号)。

伊藤潤一郎(いとう・じゅんいちろう) 新潟県立大学講師。著書:『ジャン=リュック・ナンシーと不定の二人称』(人文書院)、訳書:ナンシー『あまりに人間的なウイルス』(勁草書房)。

伊原木大祐(いばらぎ・だいすけ) 1975年生。京都大学准教授。著書:『レヴィナス 犠牲の身体』(創文社)、共編著:『ミシェル・アンリ読本』(法政大学出版局)、共著:『越境する宗教史』(リトン)。

押見まり(おしみ・まり) 1994年生。聖心女子大学特別研究員。聖心女子大学大学院博士後期課程修了。論文:「ジャン・ヴァールの思想と実存の哲学──循環する超越と内在」(『哲学』73号)。

加藤里奈(かとう・りな) 1995年生。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程。論文:「私が存在することの「重さ」について: レヴィナスにおける「恥」概念を手がかりにして」(「教育哲学研究』124号)

冠木敦子(かぶき・あつこ) 桜美林大学准教授。論文:「レヴィナスにおける「赦し」の意味をめぐって」(『桜美林論考 法・政治・社会』9)、共著:『現代哲学の名著』(中公新書)。

川崎唯史(かわさき・ただし) 1989年生。熊本大学助教。著書:『メルロ=ポンティの倫理学──誕生・自由・責任』(ナカニシヤ出版)、共編著:『フェミニスト現象学入門』(ナカニシヤ出版)。

黒岡佳柾(くろおか・よしまさ) 福州大学教員、立命館大学客員研究員。著書:『ハイデガーにおける共存在の問題と展開』(晃洋書房)、共訳書:『メルロ=ポンティ哲学者事典 第3巻』(白水社)。

小林玲子(こばやし・れいこ) パリⅣ大学博士(国家)、パリカトリック学院哲学博士。訳書:Nishida Kitaro, Le lieu (Osiris)、共訳書:『ポール・リクール聖書論集 2・3』(新教出版社)。

高井ゆと里(たかい・ゆとり) 群馬大学准教授。著書:『ハイデガー 世界内存在を生きる』(講談社)、訳書:ショーン・フェイ『トランスジェンダー問題』(近刊、明石書店)。

高野浩之(たかの・ひろゆき) 1988年生。中央大学博士後期課程。論文:「前期レヴィナスにおける「吐き気」と「疲労と努力」について」(『レヴィナス研究』第2号)。

田中菜摘(たなか・なつみ) 岡山大学客員研究員。論文:「「自分が何者であるかも判らない」──ボーヴォワール『老い』に対する現象学的アプローチ」(『老い──人文学・ケアの現場・老年学』ポラーノ出版)。

中 真生(なか・まお) 1972年生。神戸大学教授。著書:『生殖する人間の哲学──「母性」と血縁を問い直す』(勁草書房)、論文:「「母であること」(motherhood) を再考する」(『思想』1141号)。

樋口雄哉(ひぐち・ゆうや) 1984年生。同志社大学ライフリスク研究センター嘱託研究員。共著:『個と普遍』(法政大学出版局)、共訳:ペリュション『糧』、ル・ラヌー『存在と力』(以上、萌書房)。

松葉 類(まつば・るい) 1988年生。同志社大学ほか講師。論文:「レヴィナスにおけるデモクラシー論」(『宗教哲学研究』38号)、共訳書:アバンスール『国家に抗するデモクラシー』(法政大学出版局)。

三上良太(みかみ・りょうた) 作曲を川島素晴に師事。ダルムシュタット夏季現代音楽講習会奨励賞受賞。論文:「《メタスタシス》前夜──クセナキスの習作時代⑵ ル・コルビュジエ時代」(『アラザル』12号)。

峰尾公也(みねお・きみなり) 立教大学ほか兼任講師。著書:『ハイデガーと時間性の哲学──根源・派生・媒介』(溪水社)、翻訳:ド・ヴァーレンス『マルティン・ハイデガーの哲学』(月曜社)。

横田祐美子(よこた・ゆみこ) 立命館大学衣笠総合研究機構助教。著書:『脱ぎ去りの思考──バタイユにおける思考のエロティシズム』(人文書院)、共訳書:マラブー『抹消された快楽』(法政大学出版局)。

書評掲載

「週刊読書人」(2022年11月11日号/茂牧人氏・評)に紹介されました。