叢書・ウニベルシタス 942
自動車と移動の社会学
オートモビリティーズ

四六判 / 542ページ / 上製 / 価格 6,490円 (消費税 590円) 
ISBN978-4-588-00942-6 C1336 [2010年09月 刊行]

内容紹介

自動車を単なる生産と消費の対象として理解するのではなく、20世紀の時間─空間的編成を支えてきたシステムとして把握する試み。ドライブという空間実践から、走行を制御するソフトウェア、マルチタスク空間としての車内、事故と安全、ナショナル・アイデンティティ、自動車をめぐる感情などにわたって、ジョン・アーリを初めとする第一線の研究者が、自動車と人間とのダイナミックな関係性を考察した論集。〔社会学〕

著訳者プロフィール

マイク・フェザーストン(フェザーストン,M.)

1946年生まれ.ノッティンガム・トレント大学研究教授,理論・文化・社会研究所(Theory, Culture & Society Centre)所長.『理論・文化・社会』(Theory, Culture & Society)編集長,『身体と社会』(Body & Society)共同編集者.専門は社会学,コミュニケーション研究.主著にConsumer Culture and Postmodernism, 1991 (2nd ed. 2007)(川崎賢一・小川葉子編著訳・池田緑訳『消費文化とポストモダニズム』恒星社厚生閣),Undoing Culture, 1995(西山哲郎・時安邦治訳『ほつれゆく文化』法政大学出版局)など.

ナイジェル・スリフト(スリフト,N.)

1949年生まれ.ウォーリック大学副学長,ブリストル大学名誉教授.専門は人文地理学.主著にSpatial Formations, 1996, Knowing Capitalism, 2005, Non-Representational Theory, 2007(いずれも未邦訳)など.

ジョン・アーリ(アーリ,J.)

1946年生まれ.ランカスター大学特別教授.専門は社会学.主著にThe Anatomy of Capitalist Societies, 1981(清野正義監訳『経済・市民社会・国家』法律文化社),The Tourist Gaze, 1990(加太宏邦訳『観光のまなざし』法政大学出版局),Consuming Places, 1995(吉原直樹・大澤善信監訳『場所を消費する』法政大学出版局),Sociology beyond Societies, 2000(吉原直樹監訳『社会を越える社会学』法政大学出版局)など.

近森 高明(チカモリ タカアキ)

1974年生まれ.2002年,京都大学大学院文学研究科博士後期課程(社会学専攻)研究指導認定退学.京都大学博士(文学).日本学術振興会特別研究員を経て,2006年より日本女子大学人間社会学部講師.専攻は文化社会学.著書に『ベンヤミンの迷宮都市──都市のモダニティと陶酔経験』(世界思想社,2007年),主要論文に「街路空間における〈光〉の管理化──1920年代後半日本における街路照明の問題化」(『社会学評論』第55巻4号,2005年)など.

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

イントロダクション
  *マイク・フェザーストン  1
自動車移動の「システム」
  *ジョン・アーリ  39
都市をドライブする
  *ナイジェル・スリフト  63
運転者 - 自動車
  *ティム・ダント  95
移動性と安全性
  *イェルク・ベックマン  125
◉自動車移動とナショナル・アイデンティティ
表象、地理、運転の実践
  *ティム・エデンサー  161
◉自動車とネーション
戦間期におけるイギリスとドイツの自動車移動観
  *ルディ・コーシャ  195
◉ドライブの場所
マルク・オジェ、非 - 場所、イギリスのM1高速道路の地理
  *ピーター・メリマン  229
◉自動車の三つの時代
自動車の文化的論理
  *デイヴィッド・ガートマン  263
◉オート・クチュール(Auto Couture)
戦後フランスの自動車を考える
  *デイヴィッド・イングリス  309
◉自動車が動かす感情
自動車を感じること
  *ミミ・シェラー  347
自動車移動とサウンドの力
  *マイケル・ブル  381
高速道路でオフィスワークをする
  *エリック・ロリエ  411
〔解説〕 移動研究のフロンティア
  *吉原直樹  437

訳者あとがき  449