叢書・ウニベルシタス 1092
スポーツの文化史
古代オリンピックから21世紀まで
ヴォルフガング・ベーリンガー:著, 髙木 葉子:訳
四六判 / 710ページ / 上製 / 価格 6,820円 (消費税 620円)
ISBN978-4-588-01092-7 C1322 [2019年03月 刊行]
ISBN978-4-588-01092-7 C1322 [2019年03月 刊行]
カール5世やフランソワ1世、ヘンリー8世らはみな、汗まみれのスポーツマンだった。近世に始まるスポーツの制度化は近代化の基本的なプロセスのひとつだった。まさに近世こそがオリンピア競技会の古代と19世紀以降の近代スポーツの興隆とをつなぐ役割を果たしていたのである。近世史の第一人者が古代から現代にいたるまでのスポーツ文化を独自の視点で描く圧倒的通史。
ヴォルフガング・ベーリンガー(ベーリンガー ヴォルフガング)
(Wolfgang Behringer)
1956年ミュンヘン生まれ。ザールラント大学教授(近世史)。主要著作:『トゥルン・ウント・タクシス──その郵便と企業の歴史』(1990年)、『魔女─信仰─迫害─商品化』(1998年)、『メルクールの標識のもとに──帝国郵便と近世のコミュニケーション革命』(2003年)、『魔女と魔女狩り──グローバルな歴史』(2004年)、『気候の文化史──氷期から地球温暖化まで』(2007年)、『タンボラ山と夏がなかった年──いかに火山が世界を危機に陥れたか』(2015年)など。
髙木 葉子(タカギ ヨウコ)
上智大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学(ドイツ文学専攻)。早稲田大学・立教大学・青山学院大学・法政大学非常勤講師。主要訳書:K. H. ボーラー『ロマン派の手紙──美的主観性の成立』(法政大学出版局、2000年)、M. シュナイダー『時空のゲヴァルト──宗教改革からプロスポーツまでをメディアから読む』(共訳、三元社、2001年)、『シリーズ言語態6 間文化の言語態』(共訳、東京大学出版会、2002年)、K. H. ボーラー『大都会(メトロポール)のない国──戦後ドイツの観相学的パノラマ』(法政大学出版局、2004年)、W. ベーリンガー『トゥルン・ウント・タクシス──その郵便と企業の歴史』(三元社、2014年)など。
※上記内容は本書刊行時のものです。 日本語版への序
凡 例
序章 まず、スポーツをしないこと!
スポーツを理解するためのさまざまな試み
本書がもたらすこと
テクニカルな指示
謝 辞
第一章 古代の競技
オリンピアの精神
オリンピアの勝利は人間にとって何の役に立つのか
オリンピアの意義
オリンピアとペルシア戦争
オリンピア競技会の年代計算法
オリンピア競技会の競技種目
地中海圏におけるオリンピア競技会以前のスポーツ
エジプト
クレタ
全ギリシアのスポーツ実践
全ギリシアのスポーツ祭典
ギリシアのスポーツ用建造物──スタディオン、ヒッポドローム、ギュムナシオン
地域的なスポーツ祭典
ギリシアの余暇スポーツとスポーツ用品産業の開始
ギリシア・ローマのスポーツ祭典
古代ローマの競技会
ルーディ・ロマーニ
パンとキルクス競技
古代ローマのスポーツ用建造物──キルクスとアリーナ
剣闘士闘技
野獣狩り
奴隷と女性について
スパルタクス
女性の観客と剣闘士
コロッセウム
キリスト教の反スポーツ性
テルトゥリアヌスとキリスト教の反スポーツ性
テオドシウス一世と古代の競技の終焉
ビザンツ帝国における戦車競走とキルクス・チーム
アジアとアメリカ
古代・中世のアジアにおけるスポーツ
中心にあったのは球技──古代アメリカの諸文化
第二章 中世の馬上槍試合(トーナメント)
試 合
中世の「中心的スポーツ」としての騎士の馬上槍試合(トーナメント)
スポーツ大会としての中世盛期の宮廷会議
軍事訓練
弓 射
市民の祭り文化の中心としての射撃祭
スポーツ化への道
射撃祭の枠内での一般的な競技会
マルクス兄弟団と羽根剣士
メディチ家がフィレンツェのサンジョヴァンニ祭を変えた
年(とし)の市(いち)と村祭りでの陸上競技会
競 走
中世における女性のスポーツ
団体競技
石投げ合戦、棒試合、拳骨戦争
中世のフットボール
その他の球技
レガッタ
冬季スポーツ
中世の秋
中世のスポーツ場と競技緑地
都市の競技緑地
「アイアンマン競技」への教育と馬上槍試合(トーナメント)における王の死
第三章 競技のルネサンス
格闘から競技へ
身体に対する姿勢の変化
競技の家
枢機卿たちのための球技
身体のプログラム転換
校則における競技とスポーツ
行儀作法書におけるスポーツ
闘う馬上槍試合(トーナメント)から観せる馬上槍試合(トーナメント)へ
スポーツ医学の始まり
運動の学問化
古代オリンピア競技会の再発見
スポーツの授業
貴族のスポーツセンターとしての貴族子弟のための学校
競技の規則と教本
近世における女性のスポーツ
第四章 スポーツの発明
威信を保つためのスポーツ
儀式不在のスポーツ
テニスの台頭
パッローネ、カルチョ、ペルメルの競合
メディチ家のトレードマークとしてのカルチョ
スポーツ諸侯
スポーツに熱狂する諸侯
スポーツマン王としてのイングランドのヘンリー八世
プファルツのスポーツ諸侯
健康の証(あかし)としてのスポーツ
制度化
屋外スポーツ施設
球技ホールと屋内球技場
屋内調教馬術練習場
多目的スポーツ施設
アリーナ
専門職化
コーチ、プロ選手、競技場管理人、レフェリー
競技会、賞品、報告
スポーツに寄せる一般の熱狂
近世の余暇スポーツ
冬季スポーツ
神聖ローマ帝国皇帝の宮廷におけるスポーツ
商業化
クリケット
イギリスにおけるスポーツの商業化
国民の学校としてのボクシング
人気を誇る娯楽としての格闘技と剣術
『スポーティング・マガジン』誌の創刊
スポーツ嗜好の変化
「ブラッド・スポーツ」の終焉
外国人の目に映ったイギリス人のスポーツ熱
スポーツから演劇へ
近世のオリンピア競技会
新しい形式の模索
教育改革におけるスポーツ
トゥルネン運動
ハイランドゲームズ
新しいオリンピア競技会への道
オリンピアの発掘とギリシアの独立
ミュンヘンのオクトーバーフェストからギリシアのオリンピア競技会へ
近代の第一回ギリシア・オリンピア競技会
一九世紀のその他のオリンピック
第五章 われわれの時代のスポーツ
近代スポーツの覇者となったイギリス
植民地主義によって国際スポーツへ
クロッケーとヴィクトリア朝時代のその他の新競技種目
一九世紀における女性のスポーツと女性の解放
近代のオリンピック競技会
より速く、より高く、より強く──「第一回近代オリンピック競技会」
一九〇〇年パリ
近代オリンピック競技会の象徴的意味の変遷
オリンピック競技会の増殖
発展の諸問題
イギリスのスポーツ
アマチュアリズムのイデオロギー
グローバリゼーション
マラソン競技
二〇世紀における女性のスポーツ
サッカーから世界のサッカーへ
伝統的な競技種目
存続する伝統的な競技種目
アメリカ先住民の競技種目
オーストラリアとオセアニアにおける伝統的なスポーツ
近代オリンピック競技会における伝統的な競技種目
新しい競技種目
オリンピック競技会における新しい競技種目
オリンピック競技種目の選択に見られる矛盾
パワースポーツと障害
カシアス・クレイからモハメド・アリへ
障害者スポーツ
ミスター・オリンピア──アーノルド・シュワルツェネッガー
サッカー
闇を通って光へ──ドイツのサッカー
FCバイエルン・ミュンヘンと「ビッグマネー」
ドリームチーム
トップスポーツ
一〇〇メートル走
精神が肉体を打ち負かす──クリチコ兄弟
スポーツのメタファー
スーパー選手たち
報酬は天井知らず
スポーツのメガ・イベント
競技場建設のトップ
大衆スポーツ
未来のオリンピック競技会
歴代トップ記録
冬季大会
二〇一二年第三〇回オリンピック・ロンドン大会
頂上の幸福
スポーツとセックス
最後に──頂上
第六章 エピローグ──スポーツとは何か
創られた伝統
パラダイムとしてのスポーツ化
球技としての世界
スポーツと権力
スポーツとは、楽しいことである
訳者あとがき
邦語参考文献
図版出典
参考文献・原典史料(抜粋)
略語一覧
原 註
人名索引
凡 例
序章 まず、スポーツをしないこと!
スポーツを理解するためのさまざまな試み
本書がもたらすこと
テクニカルな指示
謝 辞
第一章 古代の競技
オリンピアの精神
オリンピアの勝利は人間にとって何の役に立つのか
オリンピアの意義
オリンピアとペルシア戦争
オリンピア競技会の年代計算法
オリンピア競技会の競技種目
地中海圏におけるオリンピア競技会以前のスポーツ
エジプト
クレタ
全ギリシアのスポーツ実践
全ギリシアのスポーツ祭典
ギリシアのスポーツ用建造物──スタディオン、ヒッポドローム、ギュムナシオン
地域的なスポーツ祭典
ギリシアの余暇スポーツとスポーツ用品産業の開始
ギリシア・ローマのスポーツ祭典
古代ローマの競技会
ルーディ・ロマーニ
パンとキルクス競技
古代ローマのスポーツ用建造物──キルクスとアリーナ
剣闘士闘技
野獣狩り
奴隷と女性について
スパルタクス
女性の観客と剣闘士
コロッセウム
キリスト教の反スポーツ性
テルトゥリアヌスとキリスト教の反スポーツ性
テオドシウス一世と古代の競技の終焉
ビザンツ帝国における戦車競走とキルクス・チーム
アジアとアメリカ
古代・中世のアジアにおけるスポーツ
中心にあったのは球技──古代アメリカの諸文化
第二章 中世の馬上槍試合(トーナメント)
試 合
中世の「中心的スポーツ」としての騎士の馬上槍試合(トーナメント)
スポーツ大会としての中世盛期の宮廷会議
軍事訓練
弓 射
市民の祭り文化の中心としての射撃祭
スポーツ化への道
射撃祭の枠内での一般的な競技会
マルクス兄弟団と羽根剣士
メディチ家がフィレンツェのサンジョヴァンニ祭を変えた
年(とし)の市(いち)と村祭りでの陸上競技会
競 走
中世における女性のスポーツ
団体競技
石投げ合戦、棒試合、拳骨戦争
中世のフットボール
その他の球技
レガッタ
冬季スポーツ
中世の秋
中世のスポーツ場と競技緑地
都市の競技緑地
「アイアンマン競技」への教育と馬上槍試合(トーナメント)における王の死
第三章 競技のルネサンス
格闘から競技へ
身体に対する姿勢の変化
競技の家
枢機卿たちのための球技
身体のプログラム転換
校則における競技とスポーツ
行儀作法書におけるスポーツ
闘う馬上槍試合(トーナメント)から観せる馬上槍試合(トーナメント)へ
スポーツ医学の始まり
運動の学問化
古代オリンピア競技会の再発見
スポーツの授業
貴族のスポーツセンターとしての貴族子弟のための学校
競技の規則と教本
近世における女性のスポーツ
第四章 スポーツの発明
威信を保つためのスポーツ
儀式不在のスポーツ
テニスの台頭
パッローネ、カルチョ、ペルメルの競合
メディチ家のトレードマークとしてのカルチョ
スポーツ諸侯
スポーツに熱狂する諸侯
スポーツマン王としてのイングランドのヘンリー八世
プファルツのスポーツ諸侯
健康の証(あかし)としてのスポーツ
制度化
屋外スポーツ施設
球技ホールと屋内球技場
屋内調教馬術練習場
多目的スポーツ施設
アリーナ
専門職化
コーチ、プロ選手、競技場管理人、レフェリー
競技会、賞品、報告
スポーツに寄せる一般の熱狂
近世の余暇スポーツ
冬季スポーツ
神聖ローマ帝国皇帝の宮廷におけるスポーツ
商業化
クリケット
イギリスにおけるスポーツの商業化
国民の学校としてのボクシング
人気を誇る娯楽としての格闘技と剣術
『スポーティング・マガジン』誌の創刊
スポーツ嗜好の変化
「ブラッド・スポーツ」の終焉
外国人の目に映ったイギリス人のスポーツ熱
スポーツから演劇へ
近世のオリンピア競技会
新しい形式の模索
教育改革におけるスポーツ
トゥルネン運動
ハイランドゲームズ
新しいオリンピア競技会への道
オリンピアの発掘とギリシアの独立
ミュンヘンのオクトーバーフェストからギリシアのオリンピア競技会へ
近代の第一回ギリシア・オリンピア競技会
一九世紀のその他のオリンピック
第五章 われわれの時代のスポーツ
近代スポーツの覇者となったイギリス
植民地主義によって国際スポーツへ
クロッケーとヴィクトリア朝時代のその他の新競技種目
一九世紀における女性のスポーツと女性の解放
近代のオリンピック競技会
より速く、より高く、より強く──「第一回近代オリンピック競技会」
一九〇〇年パリ
近代オリンピック競技会の象徴的意味の変遷
オリンピック競技会の増殖
発展の諸問題
イギリスのスポーツ
アマチュアリズムのイデオロギー
グローバリゼーション
マラソン競技
二〇世紀における女性のスポーツ
サッカーから世界のサッカーへ
伝統的な競技種目
存続する伝統的な競技種目
アメリカ先住民の競技種目
オーストラリアとオセアニアにおける伝統的なスポーツ
近代オリンピック競技会における伝統的な競技種目
新しい競技種目
オリンピック競技会における新しい競技種目
オリンピック競技種目の選択に見られる矛盾
パワースポーツと障害
カシアス・クレイからモハメド・アリへ
障害者スポーツ
ミスター・オリンピア──アーノルド・シュワルツェネッガー
サッカー
闇を通って光へ──ドイツのサッカー
FCバイエルン・ミュンヘンと「ビッグマネー」
ドリームチーム
トップスポーツ
一〇〇メートル走
精神が肉体を打ち負かす──クリチコ兄弟
スポーツのメタファー
スーパー選手たち
報酬は天井知らず
スポーツのメガ・イベント
競技場建設のトップ
大衆スポーツ
未来のオリンピック競技会
歴代トップ記録
冬季大会
二〇一二年第三〇回オリンピック・ロンドン大会
頂上の幸福
スポーツとセックス
最後に──頂上
第六章 エピローグ──スポーツとは何か
創られた伝統
パラダイムとしてのスポーツ化
球技としての世界
スポーツと権力
スポーツとは、楽しいことである
訳者あとがき
邦語参考文献
図版出典
参考文献・原典史料(抜粋)
略語一覧
原 註
人名索引