叢書・ウニベルシタス 1117
平等をめざす、バブーフの陰謀
ISBN978-4-588-01117-7 C1310 [2020年06月 刊行]
フィリップ・ブォナローティ(ブォナローティ フィリップ)
(Philippe Buonarroti)
1761年イタリア・ピサ生まれ、1837年パリで没。洗礼時のフルネームはフィリッポ・ジュゼッペ・マリーア・ロドヴィーコ・ブォナローティFilippo Giuseppe Maria Lodovico Buonarrotiであった。フランス革命勃発後にコルシカ島で親仏派の革命運動に参加。1793年5月にフランスに帰化。 93年4月にはパリに赴き、ロベスピエールとも接触。オネーリアを統治する革命委員として当地で社会変革に、またイタリア民族統一に向けた拠点形成に努力。恐怖政治家と訴えられてパリに召喚、収監されたル・プレシ監獄でバブーフらと結びつき。釈放後、〈パンテオン・クラブ〉の設立に参加。「バブーフの陰謀」指導部(秘密総裁府)のひとりとして逮捕、ヴァンドーム裁判で流刑宣告。しかし、「殺人的風土」の地への流刑は免れ、97年から1801年までペレ島、オレロン島に、1806年からはジュネーヴに移り、カルボナリ党の活動への参加、フリーメーソン支部の結成など、秘密結社活動を続行。23年にはスイスから追放され、24年からブリュッセルに。当地で本書『陰謀』を執筆、28年に出版。30年7月革命の報せにパリに戻り、ブランキ、ルイ・ブランなど、またイタリア統一運動(リソルジメント)の指導者マッツィーニへの助言者。
田中 正人(タナカ マサト)
1944年生まれ。京都大学大学院法学研究科博士課程満期終了。愛知県立大学外国語学部(フランス学科)教授を経て、愛知大学法学部教授。愛知大学名誉教授。著書に、『1848 国家装置と民衆』(共著,ミネルヴァ書房,1985年)、『規範としての文化』(共著、平凡社、1990年)、『世界史大系 フランス史3』(共著、山川出版社、1995年)、訳書に,フーリエ『産業的共同社会的新世界』(『世界の名著 続8』、中央公論社、1974年),プーランツァス『ファシズムと独裁』(社会評論社、1978;批評社、1983年)、同『資本の国家─現代資本主義国家の諸問題』(ユニテ、1983年)、モラン『ソ連の本質──全体主義的複合体と新たな帝国』(法政大学出版局、1986年)、ボードリヤール『アメリカ──砂漠よ永遠に』(法政大学出版局、1988年)、レモン『フランス 政治の変容』(共訳、ユニテ、1995年)、シアパ『革命家グラッキュス・バブーフ伝』(彩流社、2019年)など。
※上記内容は本書刊行時のものです。序言
第一章 革命の諸局面──テルミドールまで
第二章 平等擁護派──〈パンテオン・クラブ〉の創設と解散
第三章 秘密総裁府──設置とその組織
第四章 蜂起に向けて──警察隊の叛乱、そして山岳派との提携
第五章 蜂起直前──情勢判断と戦術会議
第六章 平等者の共和国──財産・労働共同体と人民主権
第七章 市民の共和主義的紐帯と統治機構
第八章 教 育──新しい社会道徳の涵養
第九章 蜂起後の施策。しかし密告による挫折
終 章 ヴァンドーム高等法廷
証拠書類篇:
証拠書類 1〜30
補足資料:
補足資料 1〜4
訳者解題
人名注解
関連略年表
書評掲載
「図書新聞」(2020年11月28日号/竹中幸史氏・評)に紹介されました。