叢書・ウニベルシタス 1164
解釈学入門
ISBN978-4-588-01164-1 C1310 [2024年05月 刊行]
ヘルムート・ダンナー(ダンナー ヘルムート)
ヘルムート・ダンナー(Helmut Danner)
1941年ポーランドのタルノヴィッツに生まれる。ミュンヘン大学に入学、1970年に哲学で博士号取得。1983年に大学教授資格を得、同年『責任と教育学──意味に定位した教育学に関する人間学的倫理学的研究』を出版。客員教授としてカナダやアフリカの大学で教えた後、1986年以降は大学での教授活動を辞し、ハンス・ザイデル財団のエジプト、ケニア、ウガンダの代表事務所長を務める。アフリカでの長年にわたる実践活動に基づき、2008年には『傲慢の終焉──アフリカと西洋、その差異の理解』を出版。2010年には主著『責任と教育学』の改訂版『倫理学と教育学における責任』を刊行。2012年には京都・大阪を訪れ、日本の研究者とも交流した。
山﨑 高哉(ヤマザキ タカヤ)
山﨑 高哉(ヤマザキ タカヤ)
1940年奈良県生。京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。京都大学名誉教授、大阪総合保育大学名誉学長。著書『ケルシェンシュタイナー教育学の特質と意義』(玉川大学出版部)、編著『応答する教育哲学』(ナカニシヤ出版)、共編著『日中教育学対話1・2・3』(春風社)ほか。
高根 雅啓(タカネ マサヒロ)
高根 雅啓(タカネ マサヒロ)
1968年秋田県生。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得退学。修士(教育学)。大阪公立大学国際基幹教育機構教授。論文「ヘルムート・ダンナーにおける精神科学的教育学の受容」「ヘルムート・ダンナーにおけるブーバー教育論の概要」(いずれも『大阪府立大学紀要(人文・社会科学)』)ほか。
弘田 陽介(ヒロタ ヨウスケ)
弘田 陽介(ヒロタ ヨウスケ)
1974年大阪府生。京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。大阪公立大学大学院文学研究科教授。著書『近代の擬態/擬態の近代──カントというテクスト・身体・人間』(東京大学出版会)、『いま、子育てどうする?』(彩流社)。
田中 潤一(タナカ ジュンイチ)
田中 潤一(タナカ ジュンイチ)
1977年京都府生。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。関西大学文学部総合人文学科教授。著書:『西田哲学における知識論の研究』、編著『イチからはじめる道徳教育』、共編著『新版 未来を拓く教育』(いずれもナカニシヤ出版)。
第Ⅰ章 概説 解釈学は何のために
第Ⅱ章 解釈学へのアプローチ
1 人間的なものの理解
2 出発点としての言語
3 精神科学と自然科学
第Ⅲ章 解釈学のパースペクティヴ
1 理 解
2 意味──意図されたもの
3 「内なる言葉」
4 解釈学の範例としての翻訳
5 解釈学的循環
第Ⅳ章 解釈学の立場
1 解釈学の歴史について
2 フリードリヒ・D・E・シュライアーマッハー
──文法的解釈および「心理学的」解釈
3 ヴィルヘルム・ディルタイ──生の表現の理解
4 ハンス=ゲオルク・ガダマー──作用史の観点
5 簡単な総括と継続する問い
第Ⅴ章 現在と他者の理解
1 テキストを解釈する
──たとえば、リテルの『慈しみの女神たち』
2 われわれは他なる文化を理解しているか
監訳者あとがき
原 注
文献一覧
2024年5月に刊行いたしました『解釈学入門』(ヘルムート・ダンナー著)に、重要な誤りが生じていたことが発覚しましたので、おわびとともにご報告いたします。
◉問題の概要
本文の、
「153頁の8行目から155頁の3行目まで」と
「155頁の4行目から156頁の16行目まで」
の内容は、ドイツ語原書ではまったく同一の原文であるにもかかわらず、日本語訳書では別のバージョンの訳稿が重複して続いてしまっており、同じ内容が繰り返されてしまっています。
正しくは、
「153頁の8行目から155頁の3行目まで」を、削除する必要がございました。
そして、
「155頁の4行目から156頁の16行目まで」のほうのみを、活かす必要がありました。
そのうえで、153頁にある注の(164)番は、155頁の後ろから6行目の「……解釈学的問いを提出したい。」の文末に付すべきところでした。
◉問題の経緯
当該の箇所は、
①訳稿づくりの過程において、誤って2つのバージョンの訳が重複して作成されてしまったこと、
②それを用いた校正刷でも、前後に複数の重複が生じている問題が意識されていたにもかかわらず、ある重複部分の削除をしただけで、また別の重複部分が残っていることに気がつかないまま、編集担当も訳者も問題が解決したと思い込み、そのままになってしまったこと
が原因です。
訳文が異なるとはいえ、1頁以上にわたる大きな繰り返しが生じてしまい、読者のみなさまにとっては誠にまぎらわしく、また不審な思いをさせてしまうかたちになりました。誠に申し訳ございませんでした。
編集部の不注意につき、原著者および訳者のみなさまにも、心よりおわびを申し上げます。
2024年8月9日 編集部
書評掲載
「ディルタイ研究」(35号/広川義哲氏・評)に紹介されました