叢書・ウニベルシタス 1165
19世紀イタリア・フランス音楽史
ISBN978-4-588-01165-8 C1373 [2024年02月 刊行]
ファブリツィオ・デッラ・セータ(デッラ セータ ファブリツィオ)
ファブリツィオ・デッラ・セータ(Fabrizio Della Seta)
パヴィア大学クレモナ校音楽学・文化財学科名誉教授。在職中(2000〜2021年)は「音楽史」、「音楽史学の諸問題」、「音楽文献学」、「音楽作劇法」の授業を担当。目下『ベッリーニ全集』(リコルディ社)共同責任者、カターニアのベッリーニ財団および研究所運営委員長、「ヴェルディ書簡・文書国定版」編集主幹を務める。ヴェルディ《トラヴィアータ》、ロッシーニ《アディーナ》、ベッリーニ《清教徒》の学術批判校訂版を出版。14~20世紀音楽史についての研究論文のほか、著書に『ベートーヴェンの交響曲「英雄」──作品理解のための手引き』(カロッチ社、2004年)、『“......ノン・センツァ・パッツィーア”──オペラ研究の視座』(カロッチ社、2008年。英訳はシカゴ大学出版局、2012年)、『ベッリーニ』(イル・サッジャトーレ社、2022年)などがある。
園田 みどり(ソノダ ミドリ)
園田 みどり(SONODA Midori)
東京藝術大学音楽学部楽理科を経て同大学大学院音楽研究科にて博士(音楽学)取得。東京藝術大学、東京音楽大学、獨協大学非常勤講師。ローマのイタリア百科事典研究所による『イタリア人名事典』Dizionario Biografico degli Italiani第100巻(2020年)所収「ジャケス・デ・ヴェルト」の項目執筆のほか、日本語論文に「ジュゼッペ・ヴェルディのオペラ《リゴレット》(1851)における作劇法──《ヴァンドーム公》(1850)を手がかりとして」(『地中海学研究』第40号、2017年)など、イタリア語論文に「日本の大学における音楽史教育」(『ムジカ・ドクタ』第3号、2013年)がある。
初版の序 アルベルト・バッソ
第二版の序 アゴスティーノ・ジイーノ
著者による付記
凡 例
第一部 音楽文化と音楽生活
第1章 一九世紀の音楽地理におけるイタリアとフランス
第2章 ロマン主義とロマン主義的な趣味
第3章 機構組織とジャンル
第1節 教育、宗教音楽、合唱協会
第2節 器楽と演奏協会
第3節 舞踊のための音楽、劇場バレエ、バレエ曲
第4節 歌劇場という組織と音楽家の労働条件
第5節 出版業と音楽批評
第二部 イタリア、一八〇〇~一八三〇年
第4章 ロッシーニの時代
第1節 様式と作劇法の変化
第2節 イタリア・オペラの形態論
第5章 ロッシーニ
第三部 フランス、一八一四~一八六〇年
第6章 王政復古から七月王政期のフランス・オペラ
第1節 オペラ・コミック
第2節 グランド・オペラ
第7章 マイヤーベーア
第8章 ベルリオーズ
第1節 人生と芸術
第2節 空想の劇場
第3節 音楽語法のさまざまな側面
第四部 イタリア、一八三〇~一八六〇年
第9章 ロッシーニを越えて──一八三〇年から一八四八年のイタリア・オペラ
第10章 ベッリーニ
第11章 ドニゼッティ
第12章 ヴェルディ──《オベルト》から《仮面舞踏会》まで
第1節 舞台人
第2節 一筋の道のための二つのモデル
第五部 一八六〇年から一八九〇年まで
第13章 伝統と近代性
第14章 第二帝政から第三共和政期のフランス・オペラ
第1節 グノー
第2節 オペレッタとオッフェンバック
第3節 ビゼー
第4節 新しい世紀に向けて
第15章 国家統一後のイタリア・オペラ
第16章 ヴェルディ──《運命の力》から《ファルスタッフ》まで
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読書課題
① ロッシーニと新古典主義の美学
② 一八一七~一八四八年のパリの音楽生活
③ ヴァーグナーの記憶するグランド・オペラの発端
④ 作曲家であり劇作家でもある人物と、台本作家
⑤ 公私の感情の狭間にあるベルリオーズ
⑥ 一八四〇年代のイタリアのオペラ様式と歌劇場オーケストラ
⑦ イタリア国家統一運動とオペラ
⑧ ヴェルディの音楽形式とその演劇的機能
⑨ 若かりし日のグノーの肖像
⑩ 国家統一後のイタリア音楽についての概観
⑪ サン=サーンスによるパリの思い出
⑫ ボイトによるイタリア・オペラ改革
訳者あとがき
文献目録
文献目録の補遺(二〇二三年)
索引
本書の刊行後、いくつかの誤記の箇所を確認いたしました。編集部の不注意によるものであり、読者の皆さまに心よりお詫びを申し上げます(2024年3月29日)。
書評掲載
「音楽の友」(2024年05月号/小沼純一氏・評)に紹介されました。
「図書新聞」(2024年06月15日号/上山典子氏・評)に紹介されました。