没後25年を迎えた今、あらためて注目されるシオラン。ファシスト組織とのかかわりなど、謎につつまれたルーマニア時代のシオランの実像を、新資料をもとに浮彫にした評伝。過激なペシミズム、激しい懐疑主義など、その思想の中核は何か。パリに移りフランス語で執筆するようになり、シオランは「転向」したのか。この異端者の思想形成の足跡をヴィヴィッドに描き出す。
パトリス・ボロン(ボロン パトリス)
(Patrice Bollon)
パリ在住のジャーナリスト、エッセイスト。パリ高等商業専門学校で経済学を専攻し、卒業後、経営コンサルタントとして会社勤めののちジャーナリズムに転身。『リベラシオン』、『ル・モンド』、『パリ・マッチ』などの新聞・雑誌の記者として、音楽、モード、文学、写真など、広範囲にわたる文化・社会問題に健筆をふるう。本書のほか、『仮面の倫理』(90)、『奇抜さについての概説』(95)などの著書がある。
金井 裕(カナイ ユウ)
1934年、東京に生まれる。京都大学仏文科卒。訳書:シオラン『絶望のきわみで』、『時間への失墜』、『思想の黄昏』、『オマージュの試み』、『悪しき造物主』、『四つ裂きの刑』、『欺瞞の書』、『敗者の祈禱書』、『シオラン対談集』、『カイエ1957–1972』(日本翻訳文化賞受賞)、『ルーマニアの変容』、ジョドー『シオラン』、カイヨワ『アルペイオスの流れ』ほか。
※上記内容は本書刊行時のものです。序論 知られざる著名人
第一部 ある特異者の系譜
幼年時代、この呪われた、すばらしい楽園
反順応主義者集団の肖像
熱狂のきわみで
サイクロンの目のなかで
シオラン第二の誕生
第二部 幻滅概論
廃墟の哲学
不変の異端の政治学
絶対なき神秘家
脱眩惑者の再眩惑
第三部 様式の原理
結論 この長い、曲がりくねった道
謝辞
原注
訳者あとがき
〈付録〉シオラン略年譜
第一部 ある特異者の系譜
幼年時代、この呪われた、すばらしい楽園
反順応主義者集団の肖像
熱狂のきわみで
サイクロンの目のなかで
シオラン第二の誕生
第二部 幻滅概論
廃墟の哲学
不変の異端の政治学
絶対なき神秘家
脱眩惑者の再眩惑
第三部 様式の原理
結論 この長い、曲がりくねった道
謝辞
原注
訳者あとがき
〈付録〉シオラン略年譜