晩年のカントが未刊のまま残し、後世の研究者を戸惑わせてきた膨大な 『遺稿集』。ときにカント自身の批判的学説とも矛盾する迷宮のようなテクストを思想史に正確に位置づけるにはどんな視点や読解法が必要なのか。三批判書以降の自然哲学や超越論哲学の帰趨を若きシェリングによる自然哲学探究やスピノザ受容、同時代の化学革命との関連のなかでたどり、両哲学者が共有し、かつすれ違った問題の核心に迫る挑発的な労作。
松山 壽一(マツヤマ ジュイチ)
松山 壽一(マツヤマ ジュイチ)
1948年大阪市生まれ。1981年立命館大学大学院文学研究科博士課程修了。1985–86年テュービンゲン大学留学。1995年バイエルン学術アカデミー(ミュンヘン)留学。1996–2005年ドイツ博物館科学史研究所(ミュンヘン)客員研究員。2002–03年カイザースラウテルン大学客員教授。現在、大阪学院大学名誉教授。著書に『造形芸術と自然』(法政大学出版局、2015年)、『悲劇の哲学』(萌書房、2014年)、『音楽と政治』(北樹出版、2010年)、『知と無知』(萌書房、2006年)、『人間と悪』(同、2004年)、『ニュートンとカント』(晃洋書房、1997年)、『科学・芸術・神話』(晃洋書房、1994年)、『ドイツ自然哲学と近代科学』(北樹出版、1992年)、『生きることと哲学すること』(同、 1990年)、共編著に『シェリング読本』(法政大学出版局、1994年)、ほか著訳書多数。
まえがき
凡 例
遺稿一覧
第一部 シェリング自然哲学とカント自然哲学
第一章 カントの自然哲学
序
一 『批判』の成立史と『諸原理』の成立史
二 『諸原理』の課題設定とその問題点
三 ガリレオの運動学とカントの運動学
四 ニュートン派の引力斥力説とカント動力学
五 「動力学総注」における「物質の種差」問題
第二章 化学革命とカント、シェリング
一 化学革命
二 化学革命とカント
三 化学革命とシェリング
第三章 シェリングの自然哲学
一 シェリング自然哲学とそのカント動力学批判
二 世界の活性原理としての「世界霊」
三 カントにおける機械論と目的論
四 世界の活性原理としての「エーテル」
第二部 『オプス・ポストゥムム』 というラビュリントス
第四章 移行プロジェクトとエーテル演繹
序
一 『判断力批判』における「移行」問題
二 『諸原理』動力学と「循環」問題
三 移行プロジェクト
四 Principia mathematicaとPrincipia philosophica
五 エーテル演繹(その一)
六 エーテル演繹(その二)
七 エーテル演繹の問題性
第五章 自然学の可能性
一 「思弁的自然学」としてのシェリング自然哲学
二 自然学の可能性
三 自己触発論から自己措定論へ
四 自然学の体系(断片)
第六章 超越論的観念論と超越論哲学──カントとスピノザ主義
一 批判期カントのスピノザ主義批判(その一)
二 批判期カントのスピノザ主義批判(その二)
三 「スピノチスト」としてのシェリング
四 「超越論的観念論」としてのスピノザ主義
五 超越論哲学体系樹立の試み
六 超越論哲学とスピノザ哲学
七 超越論哲学と自己措定論
あとがき
文献一覧
索 引
凡 例
遺稿一覧
第一部 シェリング自然哲学とカント自然哲学
第一章 カントの自然哲学
序
一 『批判』の成立史と『諸原理』の成立史
二 『諸原理』の課題設定とその問題点
三 ガリレオの運動学とカントの運動学
四 ニュートン派の引力斥力説とカント動力学
五 「動力学総注」における「物質の種差」問題
第二章 化学革命とカント、シェリング
一 化学革命
二 化学革命とカント
三 化学革命とシェリング
第三章 シェリングの自然哲学
一 シェリング自然哲学とそのカント動力学批判
二 世界の活性原理としての「世界霊」
三 カントにおける機械論と目的論
四 世界の活性原理としての「エーテル」
第二部 『オプス・ポストゥムム』 というラビュリントス
第四章 移行プロジェクトとエーテル演繹
序
一 『判断力批判』における「移行」問題
二 『諸原理』動力学と「循環」問題
三 移行プロジェクト
四 Principia mathematicaとPrincipia philosophica
五 エーテル演繹(その一)
六 エーテル演繹(その二)
七 エーテル演繹の問題性
第五章 自然学の可能性
一 「思弁的自然学」としてのシェリング自然哲学
二 自然学の可能性
三 自己触発論から自己措定論へ
四 自然学の体系(断片)
第六章 超越論的観念論と超越論哲学──カントとスピノザ主義
一 批判期カントのスピノザ主義批判(その一)
二 批判期カントのスピノザ主義批判(その二)
三 「スピノチスト」としてのシェリング
四 「超越論的観念論」としてのスピノザ主義
五 超越論哲学体系樹立の試み
六 超越論哲学とスピノザ哲学
七 超越論哲学と自己措定論
あとがき
文献一覧
索 引
『シェリングとカント』正誤表PDF
本書の刊行後、いくつかの誤記の箇所を確認いたしました。編集部の不注意によるものであり、読者の皆さまに心よりお詫びを申し上げます(2021年12月9日)。
本書の刊行後、いくつかの誤記の箇所を確認いたしました。編集部の不注意によるものであり、読者の皆さまに心よりお詫びを申し上げます(2021年12月9日)。