20世紀思想のなかでも無二の光芒を放つヴァルター・ベンヤミン。その哲学的・批評的営為の根底には、プラトンとライプニッツに遡る思想史的系譜、そしてその受容をめぐる新カント派、ロマン派やゲーテとの対決があった。芸術・言語・歴史についての解釈の極点で、イデアと真理、アレゴリーとバロックの主題へと展開されたモナドロジー的思考は何を表現していたのか。高精度の解釈で核心に迫る。
茅野 大樹(チノ ヒロキ)
茅野 大樹 (チノ ヒロキ)
1981年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位取得退学。博士(学術)。筑波大学人文社会系助教。専門は近現代ドイツ思想・文学・美学。
共著に,実存思想協会編『実存思想論集37─ベンヤミンと実存思想』知泉書館(2022),Japanische Gesellschaft für Germanistik(hrsg.), Nachleben der Toten – Autofiktion, iudicium Verlag(2017)がある。
序論
凡例
第一章 認識の一元論と二元論──ベンヤミンと新カント主義
第一節 ライプニッツ、カント、ベンヤミン
第二節 コーヘンの新ライプニッツ主義
第三節 カントと形而上学の未来
第四節 ヘルダーリンと関係性の詩学
第二章 芸術作品のモナドロジー──ベンヤミンとロマン主義
第一節 フィヒテとロマン主義における反省と直観
第二節 反省の連関と関係性の認識
第三節 芸術作品のモナド的構造
第四節 理念の連続性と理想の非連続性
第三章 形態、力、歴史──ベンヤミンとゲーテ
第一節 ゲーテの形態学とライプニッツ
第二節 ベンヤミンのゲーテ受容と直観の理論
第三節 芸術作品の真理と表現
第四節 自然の原現象と歴史の根源
第四章 モナドロジーとバロック──時間、感情、言語の問題
第一節 イデアの表出と現象の配置
第二節 バロック悲劇の時間
第三節 悲しみの感情とメランコリー
第四節 アレゴリー的言語と解釈的批評
結語と展望
あとがき
注
文献一覧
人名・事項索引
凡例
第一章 認識の一元論と二元論──ベンヤミンと新カント主義
第一節 ライプニッツ、カント、ベンヤミン
第二節 コーヘンの新ライプニッツ主義
第三節 カントと形而上学の未来
第四節 ヘルダーリンと関係性の詩学
第二章 芸術作品のモナドロジー──ベンヤミンとロマン主義
第一節 フィヒテとロマン主義における反省と直観
第二節 反省の連関と関係性の認識
第三節 芸術作品のモナド的構造
第四節 理念の連続性と理想の非連続性
第三章 形態、力、歴史──ベンヤミンとゲーテ
第一節 ゲーテの形態学とライプニッツ
第二節 ベンヤミンのゲーテ受容と直観の理論
第三節 芸術作品の真理と表現
第四節 自然の原現象と歴史の根源
第四章 モナドロジーとバロック──時間、感情、言語の問題
第一節 イデアの表出と現象の配置
第二節 バロック悲劇の時間
第三節 悲しみの感情とメランコリー
第四節 アレゴリー的言語と解釈的批評
結語と展望
あとがき
注
文献一覧
人名・事項索引