ウォー・ギルト・プログラム
GHQ情報教育政策の実像

A5判 / 302ページ / 上製 / 価格 5,720円 (消費税 520円) 
ISBN978-4-588-32134-4 C3021 [2018年08月 刊行]

内容紹介

占領期に連合国軍総司令部は、戦争の有罪性を日本人に認識させるための政策「ウォー・ギルト・プログラム」を実施した。のちに江藤淳らはこれを、侵略戦争観を日本国民に植え付けるためのもので、洗脳であるという立場をとった。本書は、膨大な資料に基づいてプログラムで最も重視された点や内容の変遷などを詳細に検証し、従来の説に異論を唱える意欲作である。

著訳者プロフィール

賀茂 道子(カモ ミチコ)

早稲田大学教育学部卒業、名古屋大学大学院環境学研究科博士後期課程修了。博士(法学)。現在、名城大学非常勤講師。専門は、日本政治外交史、占領史研究。主な論文に「ウォー・ギルト・プログラムの本質と政治性─——占領下『戦争の有罪性』を認識させるための情報プログラム」『同時代史研究』(2015年)、「占領初期における新聞懇談会の意義——─戦争犯罪人報道に着目して」『人間環境学研究』(2017年)がある。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

【目次】
序章 「ウォー・ギルト・プログラム」とは何か
第1章 日本人を知る
一 知日派スミスと対日心理作戦
二 対日心理作戦会議での議論
三 本土へのビラ投下作戦
第2章 「軍事的な完全敗北」を認識させる
一 占領管理体制に対する日米のせめぎあい
二 「戦争の有罪性」認識の欠如
三 「ウォー・ギルト・プログラム」の開始
第3章 「残虐行為」を理解させる
一 占領軍とメディアのせめぎあい
二 「残虐シリーズ」
三 ラジオによる啓蒙
第4章 「戦争の真実」を提示する
一 「太平洋戦争史」
二 「真相はこうだ」
三 「戦争の真実」の受容
第5章 東京裁判判決を受け入れさせる
一 宥和路線へ
二 「真相箱」放送開始
三 東京裁判との結び付き
四 新たなプログラムへの提言
第6章 原爆投下に向きあう
一 日米原爆観の相克
二 原爆投下をめぐる記述の変遷
二 原爆関連報道への対応
終章 「ウォー・ギルト・プログラム」の意義と評価

あとがき
史料および参考文献
索引

書評掲載

「琉球新報」(2018年8月19日付)で紹介されました。

「出版ニュース」(2018年10月上旬号)に紹介されました。

「図書新聞」(2019年2月2日号/土屋由香氏・評)に紹介されました。

「メディア史研究」(vol.45 2019年3月25日発行/太田奈名子氏・評)に紹介されました。

「日本歴史」(2019年8月号vol.855 2019年8月1日発行/山本武利氏・評)に紹介されました。

「文春オンライン」(2021年4月17日更新)に紹介されました。