衛藤 幹子(エトウ ミキコ)
法政大学法学部政治学科教授。政治学博士。専門はフェミニスト政治学。女性の政治的代表性とジェンダー・クオータに関する国際比較、ジェンダーと市民社会・民主主義、分析概念としての「ジェンダー」の有効性をテーマに研究。
主要業績:『ジェンダー・クオータ-世界の女性議員はなぜ増えたのか』(三浦まりとの共編、明石書店、2014年);“Women’s Movements in Japan: the Intersection between Everyday Life and Politics”, Japan Forum, Vol. 17: No. 3 (2005); “Women and Representation in Japan: The Causes of Political Inequality”, International Feminist Journal of Politics Vol. 12: No. 2 (2010); “Reframing Civil Society from Gender Perspectives: A Model of a Multi-layered Seamless World”, Journal of Civil Society, Vol. 8: No. 2 (2012); Women and Politics in Japan: A Combined Analysis of Representation and Participation, Stockholm: Stockholm University Press (2013) ; “Gender Problems in Japanese Politics: A Dispute over a Socio-Cultural Change towards Increasing Equality”, Japanese Journal of Political Science, Vol. 17: No. 3 (2016 )
第一章 フェミニズムとジェンダー
1 第一波フェミニズム──女性の権利獲得運動
2 第二波フェミニズム──女性解放運動
3 多様化の時代のフェミニズム──「再分配」から「承認」へ
4 分析概念としてのジェンダー
結語
第二章 「性」の支配──女性はなぜ敗北したのか
1 支配システムとしての「家父長制」
2 家父長制と資本主義
3 家父長制の起源
4 家父長制の定着
結語
第三章 「労働」の支配──ジェンダー役割分業観念はいかに構想されたのか
1 西洋社会の女性と労働
2 ブルジョワ階級女性をめぐる労働と生活の変化
3 資本主義はなぜ「ジェンダー役割分業」を必要としたのか
4 ジェンダー役割分業の行方
結語
第四章 リベラリズムにおける排除と包摂──平等のディレンマ
1 フェミニストのシティズンシップをめぐる議論
2 古典的リベラリズムの排除の論理
3 ソーシャル・リベラリズムの二面性
4 普遍的平等の不平等
結語
第五章 リベラリズムにおける平等と差異──「積極的平等」をめぐる批判と反論
1 積極的平等政策
2 機会の平等、能力主義への挑戦
3 不名誉な烙印
4 派閥の台頭
5 本質主義への回帰
結語
第六章 ジェンダー不在の市民社会──フェミニストの批判
1 市民社会概念
2 市民社会と女性
3 フェミニストの市民社会(論)批判
結語
第七章 市民社会の再構想──「重なり合う、切れ目のない世界」の提案
1 アイリス・ヤングの市民社会モデル
2 ヤングの三層モデルの効果
3 ヤングの三層モデルの課題
4 重なり合う、切れ目のない世界
結語
第八章 リベラル・デモクラシーの不平等──議会における過少代表
1 リベラル・デモクラシーの不平等
2 政治社会の先住集団と後続集団
3 女性議員の多寡を左右する要件
結語
第九章 リベラル・デモクラシー再訪──議会代表と議会外代表
1 記述代表と実質代表
2 議会を越える女性の政治代表
3 議会外代表の強調が引き起こす問題
4 議会代表の潜在力
結語
終章
参照文献
あとがき
索引
書評掲載
「出版ニュース」(2017年8月下旬号)にて紹介されました。
「ジェンダー研究」(21号/田村哲樹氏・評)にて紹介されました。