消費は何を変えるのか
環境主義と政治主義を越えて

四六判 / 302ページ / 並製 / 価格 3,520円 (消費税 320円) 
ISBN978-4-588-64205-0 C0036 [2022年07月 刊行]

内容紹介

消費とは何か。消費は社会に何を引き起こすのか。わたしたちはいったいなぜ、何のために消費するのか──コカ・コーラ、デニムパンツ、クリスマスギフトといった日常的な買い物から、国際金融、広告ビジネス、ジェンダー、大規模搾取、環境持続可能性をはじめとする社会の諸問題へ。人類学の第一人者が世界各地でのフィールドワークをもとに消費文化の現在と未来を考えた、定評ある入門書。

著訳者プロフィール

ダニエル・ミラー(ミラー ダニエル)

(Daniel Miller)
1954年生まれ。ケンブリッジ大学で人類学と考古学を学び、博士号を取得。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)人類学教授。2009年にはUCLにデジタル人類学プログラムを創設。2017年より研究プロジェクト「スマートフォンとスマート・エイジングの人類学(ASSA)」を開始。世界各地でソーシャルメディアに関わる人類学的調査をおこなっている。主著にMaterial Culture and Mass Consumption (1987),A Theory of Shopping (1998),Stuff (2010)などがある。

貞包 英之(サダカネ ヒデユキ)

1973年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。現在、立教大学社会学部現代文化学科教授。社会学、歴史社会学、消費社会論専攻。著書に『地方都市を考える──「消費社会」の先端から』(花伝社、2015年)、『消費は誘惑する 遊廓・白米・変化朝顔──一八、一九世紀日本の消費の歴史社会学』(青土社、2015年)、『サブカルチャーを消費する──20世紀日本における漫画・アニメの歴史社会学』(玉川大学出版部、2021年)、共著に『自殺の歴史社会学──「意志」のゆくえ』(青弓社、2016年)、『多様な子どもの近代──稼ぐ・貰われる・消費する年少者たち』(青弓社、2021年)などがある。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 日本語版への序文
 はじめに

第1章 消費の何が悪いの?
 三人の対話

第2章 消費社会
 コーラはいかが?
 消費への欲動(ドライブ)
 消費は資本主義的なのか?
 サンタクロースは誰の味方?
 結 論

第3章 なぜ買い物をするの?
 買い物の第一の理論──ピーナッツ・バター
 買い物の第二の理論──神への捧げもの(サクリファイス)
 地球に優しくすることはむずかしい

第4章 なぜデニムなの?
 グローバル・デニム・プロジェクト
 ジーンズが普通のものになるまで

第5章 なんと愚かな経済
 なぜ広告するの?
 信念・認識論・経済学
 集合的に「物ごとが起こる」ということ
 ベスト・バリュー(最高の価値)?
 ヴァーチャルはいかにリアルを生み出すようになったか
 価値──問題から解決まで

第6章 地球を救う別のやり方

 あとがき

 訳者あとがき
 原 注
 索 引

書評掲載

J-WAVE「THE WEEKEND LIBRARY」(2022年09月10日/司会:山口周氏、長濱ねる氏)に紹介されました。

「週刊エコノミスト」(2022年10月04日号/井堀利宏氏・評)に紹介されました。

「図書新聞」(2022年10月15日号/阿部勘一氏・評)に紹介されました。

「プレジデント」(2022年10月14日号/山口周氏・評)に紹介されました。

関連書籍

『物の体系』
J.ボードリヤール:著