EToS叢書 3
水都としての東京とヴェネツィア
過去の記憶と未来への展望

A5判 / 462ページ / 並製 / 価格 4,950円 (消費税 450円) 
ISBN978-4-588-78013-4 C1352 [2022年01月 刊行]

内容紹介

水の都として知られる江戸−東京とヴェネツィアの人びとは、古くより水とともに生き、文化・コミュニティを育み、経済活動を営んできた。建築学、歴史学、社会学、文学、ガバナンス、アートといった学問領域を横断し、二つの巨大な〈水都〉の過去・現在・未来を一望する論文集。生活が一変したコロナ禍の世界において、豊かでサスティナブルな都市の姿をふたたび描き出すための手がかりがここにある。

著訳者プロフィール

ローザ・カーロリ(カーロリ ローザ)

Rosa Caroli
ヴェネツィア「カ・フォスカリ」大学言語・比較文化学部教授。専門は日本近現代史。沖縄研究に携わり、2009年に第31回沖縄文化協会賞・比嘉春潮賞を受賞。近年は江戸東京の歴史も研究している。著書にFragile and Resilient Cities on Water: Perspectives from Venice and Tokyo(共編著、Cambridge Scholars Publishing)、『土地の記憶から読み解く早稲田』(勉誠出版)などがある。

小林 ふみ子(コバヤシ フミコ)

1973年、山梨県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。法政大学文学部教授。専門は日本近世文学・文化。著書に『天明狂歌研究』(汲古書院)、『大田南畝』(岩波書店)、『へんちくりん江戸挿絵本』(集英社インターナショナル)などがある。

陣内 秀信(ジンナイ ヒデノブ)

1947年、福岡県生まれ。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。法政大学名誉教授・江戸東京研究センター特任教授。専門はイタリア建築史・都市史。著書に『東京の空間人類学』(筑摩書房)、『水都ヴェネツィア』(法政大学出版局)、『都市のルネサンス』(古小烏舎)などがある。

高村 雅彦(タカムラ マサヒコ)

1964年、北海道生まれ。法政大学大学院工学研究科博士課程修了。法政大学デザイン工学部教授。専門は都市史、建築史。著書に『建築史への挑戦』(共編著、鹿島出版会)、『水都学I~V』(共編著、法政大学出版局)、『中国の都市空間を読む』(山川出版社)などがある。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序──二つの水都を比較する意味(陣内秀信)

イントロダクション
江戸における水辺の文化(田中優子)
ヴェネツィアと海──コスモポリタンな商業都市(ドナテッラ・カラビ)

第一部 場所の記憶、水の記憶
地誌と絵本挿絵のなかの江戸(小林ふみ子)
都市の娯楽と記憶──『むだ砂子』考(マスキオ・パオラ)
水辺の記憶──神田川周辺の失われた水流空間の痕跡(ローザ・カーロリ)
視覚的記憶と水面──ヴェネツィアを見つめた写真家のまなざし(アンジェロ・マッジ)

第二部 地図学と地理学における水都
現代に継承された江戸東京の庭園──水系と地形の多様性が生み出すユニークさ(畠山望美)
絵地図における首都東京の風景表象──江戸から明治へ(米家志乃布)

第三部 建築遺産と未来
効果をあげないヴェネツィア保全のツール──その理由は?(ジョルジョ・ジャニギアン)
“地域の生態系”の維持や継承──東京の「銭湯」の例(栗生はるか)
ヴェネツィアと東京の比較研究の意義──歴史の継承と保存問題(マテオ・ダリオ・パオルッチ)

第四部 水都をとりまく環境
ヴェネツィア──水のテリトーリオ(フランコ・マンクーゾ)
水に映しみる墨東の変貌(ポール・ウェイリー)
江戸東京の聖地から浮かび上がる都市と環境の領域(高村雅彦)
ラグーナのブドウ・オリーブ栽培──伝統とリキッド・モダニティ(フェデリカ・レティツィア・カヴァッロ/ダヴィデ・マストロヴィト)

第五部 グローバル都市の住民──経済・文化・ガバナンス
水都東京の再生プロセスと今後への展望(陣内秀信)
「大都市圏ヴェネツィア」に関する議論における水とウォーターフロント、もしくは欠けている論点(ステファノ・ソリアーニ/アレッサンドロ・カルザヴァーラ)
団地とタワーマンション:周縁と中心、内陸とウォーターフロント──東京圏の集住の起源と現況を概観する(渡辺真理/木下庸子)

結び──水都の再発見、回復、レジリエンス(ローザ・カーロリ)

関連書籍

『新・江戸東京研究』
法政大学江戸東京研究センター:編
『水都学 I』
陣内 秀信:編
『水都学 II』
陣内 秀信:編
『水都学 III』
陣内 秀信:編
『水都学 IV』
陣内 秀信:編
『水都学 V』
陣内 秀信:編