叢書・ウニベルシタス 245
オマージュの試み〈新装版〉

四六判 / 154ページ / 上製 / 価格 2,640円 (消費税 240円) 
ISBN978-4-588-14061-7 C1398 [2021年08月 刊行]

内容紹介

エリアーデ、カイヨワ、ベケット、ボルヘスなど、同時代人たちの肖像を、その思想を生きている生ま身の存在として描き、その風貌を友情と愛惜をこめて語る。さらには、ヴァレリーから、フィッツジェラルドの『壊れる』までも論じて、〈窮極的なるものへの情熱〉への共感をつづる。

著訳者プロフィール

E.M.シオラン(シオラン)

(E. M. Cioran)
1911年、ルーマニアに生まれる。1931年、ブカレスト大学文学部卒業。哲学教授資格を取得後、1937年、パリに留学。以降パリに定住してフランス語で著作を発表。孤独な無国籍者(自称「穴居人」)として、イデオロギーや教義で正当化された文明の虚妄と幻想を徹底的に告発し、人間存在の深奥から、ラディカルな懐疑思想を断章のかたちで展開する。『歴史とユートピア』でコンバ賞受賞。1995年6月20日死去。著書:『涙と聖者』(1937)、『崩壊概論』(1949)、『苦渋の三段論法』(1952)、『時間への失墜』(1964)、『生誕の災厄』(1973)、『告白と呪詛』(1987)ほか。

金井 裕(カナイ ユウ)

1934年、東京に生まれる。京都大学仏文科卒。訳書:シオラン『絶望のきわみで』、『思想の黄昏』、『敗者の祈禱書』、『欺瞞の書』、『悪しき造物主』、『四つ裂きの刑』、『カイエ1957–1972』(第44回日本翻訳文化賞、第13回日仏翻訳文学賞受賞)、『ルーマニアの変容』、カイヨワ『アルペイオスの流れ』ほか。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

ポール・ヴァレリー──完璧の災い
ガブリエル・マルセル──ある哲学者の肖像
ベケット──何度かの出会い
サン゠ジョン・ペルス
ミルチア・エリアーデ
カイヨワ──鉱物の魅惑
ミショー──窮極的なるものへの情熱
パンジャマン・フォンダーヌ──ローラン街六番地
ボルヘス──フェルダンド・サヴァテルへの手紙
マリーア・ザンブラーノ──決定的現存
ヴァイニンガー──ジャック・ル・リデールへの手紙
フィッツジェラルド──一アメリカ人作家のパスカル的経験
グイード・チェロネッティ──肉体の地獄
この世の女ならず……
告白摘録
旧著再読

訳者あとがき